菅前首相 “防衛増税の議論不十分 国会で首相が説明を”

政府の防衛費増額に伴う増税の方針について、自民党の菅前総理大臣は、政府・与党内の議論が不十分で突然だったとして、来週から始まる通常国会で岸田総理大臣が丁寧に説明すべきだという考えを示しました。

菅前総理大臣は18日朝、ラジオ日本の番組「岩瀬惠子のスマートNEWS」に出演し、政府の防衛費増額に伴う増税の方針について「突然だったのではないか。例えば、行政改革で、いくら捻出するなどと示したうえで、できない部分は増税させてほしいという議論がなさすぎた」と指摘しました。

そのうえで「新しいことをやる時は丁寧な説明が必要だ」と述べ、来週から始まる通常国会で、岸田総理大臣が丁寧に説明すべきだという考えを示しました。

一方、岸田総理大臣が掲げる「異次元の少子化対策」をめぐり「メニューをきっちり出して進めることが大事だ。まだ見えていない中で、財源として消費税の議論はありえない」と述べました。

「国民の声が政治に届きにくくなっている」と懸念

自民党の菅前総理大臣は、今月、岸田総理大臣が派閥の会長を続けていることに対しても苦言を呈していました。

日本時間の10日夜、訪問先のベトナムで記者団の取材に応じ、この中で「政治家は国民の負託を受けて出てきているので、みずからの理念や政策よりも派閥の意向を優先するようなことはすべきでない。いまは、国民の声が政治に届きにくくなっている」と懸念を示しました。

そして、岸田政権と派閥の関係について問われ「総理大臣は国民全体の先頭に立って汗を流す立場にある。歴代の総理大臣の多くは所属する派閥を出て務めていたのではないか」と述べ、岸田総理大臣が派閥の会長を続けていることに苦言を呈しました。また、少子化対策を充実させるための財源については「少子化対策は極めて重要だと思うが、消費税を増税してやるということは全く考えていない」と述べました。