「地元配備に反対
イージス候補地の隣接町長

新型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備をめぐり、候補地に隣接する山口県阿武町の町長が20日、「町民の安全・安心を著しく損なうことにつながる」などとして、配備に反対する考えを表明しました。配備の候補地や周辺自治体のトップが反対の考えを表明したのはこれが初めてです。

政府は北朝鮮の弾道ミサイル対策として新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を配備する方針で、山口県萩市と秋田市にある自衛隊の演習場を配備の候補地としています。

しかし、地元の住民からは、配備によって攻撃の対象になるのではないかという懸念や、レーダーから出る電波による健康への影響などを心配する声が相次いでいます。

こうした中、候補地の演習場に隣接する山口県阿武町では、20日の町議会で配備の撤回を国に要請するよう求める住民からの請願書が全会一致で採択されました。

これを受け花田憲彦町長は、「イージス・アショアの配備は町民の安全・安心や平穏を著しく損なうことにつながる。地元への配備には反対であるということを明確に表明する」と述べ、萩市の演習場への配備に反対する考えを表明しました。

「イージス・アショア」をめぐり、配備の候補地や周辺自治体トップが配備に反対する考えを表明したのはこれが初めてで、防衛省の今後の対応が注目されます。

地元の理解が大前提 丁寧な説明続ける

菅官房長官は午前の記者会見で、「政府としては、弾道ミサイルの脅威からわが国を24時間365日、切れ目なく防護するために必要な装備品であると考えているが、配備にあたっては地元の皆さんのご理解をいただくことが大前提であり、さまざまな懸念や要望にひとつひとつ丁寧に対応していくことが何よりも大事だ。引き続き、防衛省から、何度でも丁寧に説明をさせていただきたいと考えている」と述べました。