「党内が一色でないこと
示せた」石破氏

自民党総裁選挙で敗れた石破元幹事長はNHKのインタビューに対し、「自民党内が決して一色ではないことは示せた。国会議員からも、党員からも、多くの支持をいただいたので、きちんと政権運営に示されるようにしていくのが私の責任だ」と述べました。

そのうえで石破氏は「これからも政策の研さんを積んでいかなければならない。経済や社会保障などの政策を錬磨し、党や政府に反映されるよう全力を挙げる」と述べました。

また石破氏は「ポスト安倍」を目指すか問われたのに対し、「自分がふさわしいかどうか一生懸命努力する。きちんと納得ができないまま名乗りを上げるのは、国民に失礼であり、今回を教訓に、さらにみずからを高めていきたい」と述べました。

そして石破氏は「地方の支持は多くいただいたが、北海道から九州・沖縄まで票の出方をよく見て、支持が減ったところなどで、どのように理解をいただくか研究したい。政策についても、『防災省』の創設や、憲法の在り方など、安倍総理大臣と隔たりがあるところもあるのでそういう点を理解してもらえるよう努力していきたい」と述べました。

「ポスト安倍へ努めていきたい」石破氏

自民党総裁選挙で敗れた石破元幹事長は、党本部で記者団に対し、「厳しい中で、竹下派の参議院側に誠心誠意やっていただき、それが各地の票に表れた。きちんと報いることを考えていかなければならない。国会議員も、有権者に説明がつく投票行動をしたいという考えもあり、積み増されたのではないか」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣から党役員や閣僚への打診があった場合の対応について「私が申し上げることではない。ポストは国民のためにあり、総裁が判断する」と述べました。

また、「ポスト安倍」を目指すのか問われたのに対し、「未来永ごう続く政権はない。今回のありがたい結果に満足することなく、改めるべき点は改めて、自分が担わなければならない時には、国民の思いに反することがないよう努めていきたい」と述べ、意欲を示しました。

さらに、憲法改正については「私がこれだけの支持を党員から得たので、スケジュール感ありきでなく、いかに丁寧に説明するかだ。党として濃密な議論を行い、国民に説明すべきで、すべて党の姿勢にかかっている」と述べました。

一方、安倍総理大臣の国会議員票と党員票に差が出たことについては「国会議員がこうだから従えということにはならない。このかい離は冷静に分析しなければいけない」と述べました。

党員票では石破氏が善戦

石破元幹事長は、党員票でおよそ45%を獲得し、善戦しました。
安倍総理大臣は、陣営幹部が目指していた55%を獲得したものの、国会議員票とは大きな差が出る結果となりました。

石破氏の地元も善戦たたえる

石破元幹事長の地元、鳥取市にある後援会事務所には支援者ら40人余りが集まりました。

石破氏が敗れたものの党員票で45%を獲得した開票結果が発表されると集まった人たちは、拍手で善戦をたたえました。

石破氏の佳子夫人は「逆風の中、これだけのたくさんの方に投票していただき感謝しています。夫にはお疲れ様でしたと声をかけたいと思いますし、最後まで正々堂々と戦ったと思います」と話していました。

また、地元後援会の会長は「『地方なくして中央はない』という地方重視の姿勢が支持されたということではないか。結果は残念だったが、次の総裁選挙につながるステップになったと思う」と述べました。

「国民の声に忠実に」投開票前に石破氏

石破元幹事長の陣営は、投開票を前に、党本部で会合を開き、石破派、竹下派の参議院議員、無派閥議員ら、およそ40人が集まりました。

石破氏は議員一人一人と握手したあと、あいさつし、「一切の私利私欲を捨てて、自民党がいかにあるべきかを広く国民に訴える戦いだった。次の時代のために、政治家は己を捨てて、国民の声に忠実でなければならない」と述べました。

そのうえで、「戦いは終わらない。これからも、より国民に近い党として、やっていくために、来年の参議院選挙などでも、全身全霊で訴えていきたい」と述べました。

このあと、陣営では全員でカツカレーを食べて、必勝を誓いました。