民総裁選立ち会い演説会
2候補の演説 全文を掲載

自民党総裁選挙は10日、北海道で震度7の揺れを観測する地震が起きたことを受けて延期されていた、立ち会い演説会が自民党本部で行われ、選挙戦が本格的に始まった。以下、安倍総理大臣と石破元幹事長の発言を全文掲載する。

安倍晋三でございます。所見を申し述べるに先立ちまして、まず冒頭、北海道胆振東部地震によりまして、お亡くなりになられた方々に衷心より哀悼の意を表します。
そしてすべての被災者の皆さまにお見舞いを申し上げます。
政府としては発災以来、昼夜を分かたず、災害応急対応にあたって参りました。
献身的に現場にあって被災者救出に全力を尽くしている自衛隊、警察、消防、海上保安庁、すべての関係者の皆さまに感謝申し上げたいと思います。
被災者の皆さまが1日も早く安心して暮らせる生活を取り戻すことができるよう、政府が一丸となって総力をあげて取り組んで参ります。
また、台風21号、西日本豪雨、そして大阪北部地震、また熊本地震、そして政権奪還の原点である、東日本大震災からの復興にも全力を尽くして参ります。
そして、電力インフラ、また空港などの重要な交通インフラについて、さまざまな災害に際して、そのライフラインを維持することができるよう、全国で緊急に総点検を行い、その強靱化に取り組んで参ります。
さらには集中豪雨などの近年の気象の変化に対応し、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を3年、集中で講じ、安心できる強じんな日本を作り上げて参ります。

さて、国民の皆さま、党員党友の皆さま、そして同僚議員の皆さま、このたび、私は再び自由民主党総裁選挙に立候補いたしました。
今回の総裁選挙は私にとって最後の総裁選挙であります。
ですから、尊敬する石破茂候補とともに、品格ある希望にあふれた総裁選挙にしていきたい、こう考えております。
私はこの6年間、自由民主党総裁として私なりに全力を尽くして参りました。
同時にさまざまなご批判もいただきました。もっとよいやり方があったのではないか、こうすればもっと国民の皆さまのご理解を得ることができたのではないか、こうみずからに問いかけなかった日は1日たりともありませんでした。
確かに私は至らない人間であります。
新たな任期に挑戦するこの機会にさまざまなご批判を真摯に受け止めながら、みずから顧みて、改めるべき点はしっかり改め、謙虚にそして丁寧に政権運営を行って参りたいと考えております。
今、この伝統ある自由民主党本部大ホールの壇上に立ち、6年前のできごとを思い出しております。
突然に総理の職を辞任し、国民の皆さまにそして党員の皆さま、同志の皆さまに大変なご迷惑をおかけをした私に果たして、総裁選挙に立候補する資格があるかどうか、ずーっと考えていました。
当時は、民主党政権下、決められない政治のもと、政治・経済・外交・安全保障、混迷を深めていました。
どんな厳しい批判があってもいかに困難で厳しい道のりであったとしても、政権を奪還し、日本を取り戻す、その先頭に立つことは私の責任であると決意するに至りました。

そして1回失敗した私が再び、自由民主党の総裁の重責を担うことになりました。
もう1度チャンスを与えて頂いた、寛大な自由民主党に、そして皆さまに、また国民の皆さまに、そしてこの6年間、大変厳しい時も一致結束して、この至らない私を支えて頂いた皆さまに、まずもって御礼を申し上げたいとおもいます。
本当にありがとうございました。

あのときの使命とは何だ。それは政権を奪還し、誰にでも働く場所があるまっとうな経済を取り戻す。復興を加速し、そして外交においては日本の大きな存在感を取り戻すことでありました。
6年前、行き過ぎた円高の中、企業はどんどん海外へ出て行った。
中小企業、小規模事業者はついていけないから工場や店を閉めるしかなかったんです。
連鎖倒産という言葉が日本全体を覆っていました。
日本は人口が減少していくんだから成長なんかできない、いや、もう成長なんかしなくたっていい、こんな議論すらありました。
この諦めという大きな壁が日本に立ちはだかっていたんです。
しかし私たちは決して諦めなかった。
一致結束してこの壁に挑んだんです。
生産年齢人口が450万人減少する中においても、経済は12点2%成長した。
そして雇用は250万人増え、正規雇用も78万人増えました。
とうとう正規雇用の有効求人倍率が1倍を超え、過去最高です。
政権交代前は2人の求職者に対し1人分の正規の雇用しかなかった。
それが今みなさん、正社員になりたいという1人の求職者に対して、1人分以上の正規雇用があるという、まっとうな経済を私たちは取り戻すことができました。
安倍政権で格差が広がっている、ずっと野党はこう批判してまいりました。
実際はどうだったか。政権交代後、国、地方合わせて税収は24兆円増えた。
この果実を未来を担う子どもたちの教育へ、そして子育て世代へ振り向けました。
8割台だった生活保護世帯の子どもたちの大学進学率は初めて9割を超え、直近で93%になりました。
1人親家庭における子どもたちの大学進学率は24%から42%へと上昇した。
そして子どもの相対的貧困率。
景気が低迷する中、1999年の統計開始以来ずっと一定して悪化、上昇してきました。
政権交代後初めてそれが減少に転じ、大幅に改善しました。
しかし今でも格差はあります。格差に光りを当てていくことは私たち政治家にとって大切な使命であります。
これからもしっかりと取り組んでまいります。
25年前、私は初めて総選挙に挑戦しました。
街宣車に乗って農村地帯を走っておりますと、1人のおじいちゃんが農作業の手を休めて駆け寄ってきました。
そして、私の手をしっかりと握ってこう言ったんです。
「晋三さん、信じちょるけ。この地域を守ってくれよ」
私はこの声に押されて初めて当選することができた。
このおじいちゃんの手はごつごつしていました。
そうです、農林水産業は厳しい仕事です。
しかしこの、ごつごつした手で地域を守り、食を支え、そして美しい田園風景を守ってきた。国の基です。
私はその大切な農林水産業を必ず守ってまいります。
しかし平均年齢は66歳を超えた。守るためにこそ攻めなければならない。
そして今、農林水産物の輸出額は5年連続過去最高を記録をし、倍近い8100億円になった。
1兆円の目標も見えてきました。
そして生産農業所得はこの18年間で最も高い水準になっている。
農家のみなさんの手取りを増やしていくために今改革を進めていきます。
そして若いみなさん、40歳代以下の新規就農者、4年連続で2万人を超えました。
統計を取り始めて初めての出来事であります。
若い皆さんが自分たちの夢や希望を、そして人生をかける、農業に今、変わりつつあります。
みなさんが安心をして再生産に取り組むことが出来るように、全力をつくして参ります。観光立国も地方創生の大きな起爆剤になっています。
そこにしかない風景、そこでしかできない経験を求める観光は、地方にとって、すべての地方にとって大きなチャンスになっています。
そうして、北は北海道から南は沖縄まで、47の都道府県で、有効求人倍率は1倍を超えました。
これはあの高度成長時代にもバブル時代にも実現できなかった初めてのことであります。ようやくやっと景気回復の暖かい風が地方に届きはじめたいま、地方税収は過去最高の40兆円になりました。
そして、地方の法人関係税収は政権交代前と比べてほとんどの県で、4割5割増えているんです。
もちろんまだまだ実感ないよという方がたくさんいらっしゃることはよく承知しております。だからこそいま進めている地方創生を力強く進めて参りたいと考えております。
いままでいま私が述べて参りましたさまざまな成果は、私たちみんなの成果であります。そして、国民の皆様の努力の結果であります。
私たちは決して諦めなかった。強い信念と使命感を持ってあきらめの壁を次々と打ち破ってきたんです。
黄昏を迎えていると言われた日本はもう過去のものとなりました。
いま私たちは、新しい朝を迎えています。
いまこそ日本の明日を未来に向けて切り開くべきときです。
この強い思いで解散総選挙に打って出たのは、ちょうど昨年のいまごろわずか11か月前のことでありました。
あの時にいただいた、国民の皆様の力強い支持に、国民の負託に応えていくことは、自由民主党のそして私たちの責任であります。
国難とも呼ぶべき、少子高齢化、しっかりと向き合いながら、あの選挙でお約束をした、教育の無償化をしっかりと実現して参ります。
未来を担う子どもたちにそして子育て世代に思い切って投資をして参ります。
同時に、高齢者の皆様がいくつになっても活躍できるそういう社会を作っていかなければなりません。
全ての世代の皆様が安心できる社会保障制度へと、3年で改革を断交して参りました。

さて、世界はいま保護主義の台頭に対して、懸念が深まっています。
経済のグローバル化のなか、急速な変化に対して、不安や不満が生じています。
しかし、貿易制限措置の応酬は、どの国の利益にもなりません。むしろ、知的財産、環境、労働といった、幅広い分野において、公正なルールを、打ち出していくことによって、この不安や不満に対応し、そして世界の貿易投資を拡大していくという、発想に立たなければいけません。だからこそ日本はTPP11、日EU・EPA協定においてリーダーシップを発揮をし、合意へと導いて参りました。
いまこそ日本は自由貿易の旗手として、新しい時代のルール作りを主導していかなければなりません。
東アジアにおいては冷戦終結後も戦後の枠組みが長らく残ってきました。
その中で、先般、米朝首脳会談が初めて開催されました。
そして朝鮮半島の非核化について約束が交わされた。
トランプ大統領は拉致問題について私の、日本の考え方をキム・ジョンウン委員長に伝えてくれた。
次は私自身がキム・ジョンウン委員長と向き合い、拉致問題を解決しなければならない。そう固く決意しております。
プーチン大統領とは、今夕、首脳会談を行います。
培った信頼関係の上に、領土問題を解決し、そして平和条約を締結するための交渉を着実に前に進めて参ります。
そして日ロ新時代を切り拓いていきたいと考えています。
先般、李克強首相が中国の首相としては8年ぶりに日本を訪問し、習近平主席との相互訪問を約束しました。
いま日中関係は新しい段階に入っています。
いまこそ皆さん、戦後日本外交の総決算を行いアジア太平洋からインド洋へと至る、この広大な地域に日本がリーダーシップを発揮し、国際社会と協調し、新しい時代の平和と繁栄の礎を築いて参ります。
この6年間、私は皆様とともにさまざまな課題に取り組んでまいりました。
時には、困難な課題もありました。
しかしそれが、皆で議論して、結果、国民のために必要だという結論に至れば、一致協力して、なすべき事をなしてきた。
これこそが皆さん、戦後一貫して、日本外交、日本政治の背骨を担ってきた私たち自由民主党の誇りではないでしょうか。

いよいよ憲法改正に取り組む時が来ました。
ことしも私は防衛大学校の卒業式に総理大臣として出席し、任官したばかりの若々しい自衛官たちから服務の宣誓を受けました。
「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」
この重い宣誓を受けました。
そうです、彼らは国民を守るためにその命をかけるのです。
しかし、自衛隊が憲法違反ではないと言い切ることが出来る憲法学者はわずか2割にしかすぎない。
合憲性について、議論がある旨、ほとんどの教科書に記述があります。
自衛官たちの子どもたちも、この教科書で学ばなければならないのです。
皆さん、このままでいいんでしょうか。
彼らが誇りを持って任務を全うできる、そういう環境を作っていくことは、いまを生きる政治家の私たちの使命ではないでしょうか。
憲法にしっかりと日本の平和と独立を守ること、自衛隊、と書き込んで、私たちの使命を果たしていこうではありませんか。
今回の総裁選挙から、18歳、19歳の皆さんが1票を入れます。
彼らの1票は自由民主党の未来に向けた1票、そして日本の将来に向けた1票であります。この思いに応えていくことは私たちの責任であります。
子どもたちの世代に希望あふれる誇りある日本をともに引き渡していこうではありませんか。
私はその先頭に立つ決意であります。
どうかご理解、ご支持をたまわりますように、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

石破茂であります。冒頭、大阪北部震災そして西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震、尊い命を落とされた方に心から哀悼の誠をささげ、今全力で対応に当たっておられる方すべてに感謝し、困難な中にある方々へ心から想いを馳せたい、そのように思っております。
私は、国会議員になって33年目になりました。まだ議員になる前、昭和60年のことであります。私の政治の師の一人であります、渡辺美智雄先生の話を聞く会がありました。政治家の仕事とは何だと、勇気と真心をもって、真実を語る。それしかないのだ。私は32年間、ずっとこの言葉を自分に問い掛けてまいりました。
真実は自分で見つけるしかない。そして見つけた真実は、人々の耳に心地よくないことがあるかも知れない。しかしそれを語る勇気を持て、そしてそれをわかっていただける真心を持て。難しいことです。
まだまだとてもその域に、私は達しておりません。しかし32年間、それを自分の胸に常に問い掛けてまいりました。
その思いでこれからお話をさせていただきたいと存じます。

私がやりたいのは経済の再生であります。その核は、地方創生であります。
国民一人一人の所得を上げていかなければなりません。上げなければいけないのは国民一人一人の所得なのであります。
日本のの雇用8割はローカル経済が支えております。日本経済の7割はローカル経済が支えております。
これから先、日本はどうなるのか。今2018年、22年後の2040年、人口は2000万人減るのです。
たった22年で高齢化がピークに達するんです。
その年には、全国の自治体の半分において若い女性のかたがたの数が半分に減っていくのです。
2100年、日本の人口は1391万人になると言われている。200年後には、423万人になると言われている。これをどうするのだということです。
人口がどんどん減っていく、2100年には訂正します、5200万人、200年後には1391万人、この社会をわれわれは何としても、乗り切っていかなければなりません。
これがわれわれが抱える最大の国難だと、私はそのように思っております。

地方に雇用と所得を取り戻していかなければなりません。確かに大胆な金融緩和、円は安くなりました、金利は下がりました、大企業は空前の収益を上げるに至りました。素晴らしいことです。
有効求人倍率、全ての都道府県において1を超えました。素晴らしいことであります。
それでは働く人たち、所得は上がったのだろうか。
なぜ43年ぶりに企業の稼ぎから働く人にもある労働分配率が43年ぶりに最低の水準になってしまったのか。
なぜ可処分所得が下がり続けているこれが私は最大の問題だと思っている。
企業が収益を上げる、そのことと一人一人の所得を上げる、それは別の問題なのであり、地方に中小企業に農林水産業にその伸びしろは一番多くあると私は思っています。
地方農林水産業、サービス業、そこにおける伸びしろを最大限に伸ばしていかなければなりません。
それが地方創生だと私は思っております。
伸びしろは多くあります。今まで公共事業、誘致企業、それで雇用と所得を支えてきまもちろんこれから先もやらねばならない公共事業はやります。やらねばならない、誘致企業は誘致します。
しかし、同じものを大勢の人で安くたくさん作る、そういうような産業がこれから先、日本に多く立地するのでありましょうか。
かってのように道路がどんどん良くなり、下水道が整備をされ、港ができ、港湾ができ、そこに多くの雇用と所得がある、同じことを維持するのは極めて困難だと私は思っております。
伸びしろはある。そういうものを最大限に伸ばしていくというのはどういうことであるのか。
自ら考え自ら行う、日本全国は1718の市町村がございます。
北海道だけでも179の市町村がございます。そこをどうするのか。それはその地域で考える以外にありません。東京の霞が関でそのようなことが分かるわけはない。
自ら考え自ら行う、それによって、素晴らしい地域を作り出したところ、全国に数多くあります。これを全国に広げていくため、政府として全力を集中をいたします。
そのための司令塔の機能を作っていかねばなりません。バラバラいろいろな会議がある。それを一元化し、司令塔として機能させ、地方の中小企業の経営者の方々が今何を考えておられますか、後継者がいないな、誰か後を継いでくれないかな、そう思っていらっしゃる方は数多くあります。
そして、東京には人生80年時代、85年時代、第二の人生地方で送りたい、そう思っていらっしゃる方は大勢おられます。これを組み合わせる仕組みを作ってまいります。
それを組み合わせることによって、地方に雇用と所得、新しい付加価値、それが生まれていくはずであります。

農業、漁業、林業、日本国はもっとも、農業・林業・水産業に向いた国でありましょう。
土、光、水、温度、全てに恵まれているのが日本の農業であります。この生産性をいかに高めるか。機械化を進めて、労働時間は減った、でもその浮いた労働時間は他のことに回っていませんでしたか。
今こそまさに農業の持ってる力を最大限引き出す時であります。そして農業・農村は人々の憩いの場であり、健康作りの場であります。農業農村をそのような地帯として雇用と所得と生きがいと健康を産む、そういう形で再生をいたします。

日本の排他的経済水域は世界第6位、漁業発展の余地は多くあります。この漁業を発展させるために安全を図り、そして一匹一匹に付加価値をつけ、新しい水産日本の復活をいたします。
この国の7割は森林なのです。ここにおいて、伸びる余地が多分にある。いかにしてコストを下げるか、CLTに代表される国産材の大型建築物をどう作るか、林業にも伸びる余地はたくさんあります。

今だけ、ここだけ、あなただけ、そういうような地域が日本にはたくさんある。観光は今だけ、ここだけ、あなただけ、その地域の魅力をいかに磨くか、四季に恵まれ、自然に恵まれ、歴史伝統文化に恵まれ、そして食べ物、酒に恵まれた、そういう地域に大勢の人がやって来る。
要は、安いからこれを買おう、安いからこのサービスを受けようなのではありません。お金を出してもこれが買いたい。お金を出してもこのサービスが受けたい。人口減少化下に働く人の賃金を下げてはいかんのです。人口減少期に製品の値段を下げてはいかんのです。それにふさわしい価値をどうつくるか、生産性の向上というのはそういうことなのであり、これだけ働いて、賃金が上がらない、そんな日本であって良いと私は思いません。
働く人たちにふさわしい賃金が得られる、そのためのいろんな政策を集中をする。そのことによって価値が上がる、それによって所得が増える、経済の好循環というのはそういうことのはずであります。ローカル経済というのは地方の概念ではない。東京にもそういうような経済はたくさんあるのです。あわせて東京にかかるこれから大きな負荷、震災対応、超高齢化、この負荷を減らしていかなければ、東京の持ってる能力を最大限発揮をすることはできないのであります。今ならまだ間に合う。国としてその体制を全力で支えていく、地方創生というのはそういうことであります。
地方こそ成長の力、それは単なる選挙のスローガンであってはなりません。常に地方こそ成長の力、それを最大限生かす地方創生を私は実現をいたします。

第2に社会保障の改革であります。そこの中核概念はいかにして一人一人の幸せを実現するかであります。
医療であり、介護であり、年金であり、子育てで、働き方改革で、女性活用で一つの会議体を作ります。全ての立場の方が参加をする、そこにおいて、あれを言ってはいかんこれを言ってはいかん、そんなタブーは一切排除する、不都合なデータも全て開示をする、そしてその会議は全て公開する、それを今やっていかなければなりません。世界に冠たる医療保険制度は必ずこれを堅持しなければなりません。介護保険も同様であります。しかし医療保険ができた時に対象となるのは何でしたかと。結核に代表される、旧世紀の病気であり、治療すれば治る、そういう病気だったはずです。生活習慣病、いわゆる認知症、それとは趣を異にする病気になったからお医者さんにかかれる、体が不自由になったから介護が受けられる、それは守っていかねばならないのですが、いかにして病気にならないか、いかにして要介護にならないか、そういう仕組みを確立をしていかなければなりません。
保険の在り方をもう一度見直すことが必要なのであります。介護も同様です。お家で介護をする。総理が介護離職ゼロとおっしゃいました。それを実現をしていかなければなりませんが、お家の中で介護する、大変なことであります。地域でみんなを支える、そういう社会を作っていきたいと思っています。結愛ちゃんのような事件を二度と繰り返してはなりません。そのために保育は福祉、その原点に立ち返り、そのようなものとして整備を進めてまいります。女性の方がなぜ働きにくいのか。なぜ社会で活躍できないのか。そこには何か理由があるはずです。
議員さんもそうです。働く場所においてもそうです。なぜそうなのかということを徹底して女性の視点に立って変えていかなければなりません。働き方改革は、働く人の立場に立つべきです。いかにして働く人たちのいろんな力を上げていくか。そのための施策を集中していかなければなりません。これから人口が減る中にあって働く人たちを大切にし、その能力を最大限に上げていく、そうしなければ所得なんか上がりません。企業の収益も改善しません。

人に対する投資、これは喫緊の課題であると私は考えております。クオリティーオブライフという考え方があります。人生いかに幸せに過ごすか。私は高齢者対策という言葉があまり好きではない。高齢者って対策の対象なんですか。そうではないでしょう。高齢者は対策の対象なのではない。
貧困対策、子供の貧困対策、そういうことにならない社会を作っていくのは政治の責任だと私は心得ております。アンダークラスという言葉があります。非正規の人たちを中心とする年収186万円以下の方が930万人おられるのです。男性の66%は独身です。こういうかたがたに光を当てていくこと、政治の責任ではありませんか。
1人暮らしの高齢者の方が600万人おられるんです。300万人が生活保護以下の収入しか得ておられません。実際に受けておられるのは70万人です。こういう人たちが目に涙をいっぱい溜めながら、政治の助けを待っている。社会保障でまさしくそのような会議体を作り、方向性を見いだす。消費税の在り方は、その中で見出されるべきものだ、私はそのように考えております。

防災省、必要です。専門の官庁が必要です。専任の大臣が必要です。専任のスタッフが必要です。平時からそのことをやっていく体制、1718町村どこであってもおんなじ対応がなされなければなりません。その体制を整備するため、防災省は必要だ。それは強大な権限を振るうものでなく、いかにして全国どこにあっても予想外とか、そのような言葉が出ることがない、そういう体制を作ってまいります。

外交については日米同盟、これをきちっといたします。日本にとってアメリカは必要です。しかし同時にアメリカにとって日本も必要な国なんです。そのことをよく認識をしていかなければなりません。防衛の在り方、地位協定の在り方、あくまで日本国の利益、国民の利益を中心にして考えてまいります。北朝鮮、なぜあのように変わったのか。中国との関係が強化され、ミサイルの技術に一定の成果があった。そのことは厳然たる事実です。国家主権の侵害である拉致問題、この解決のために連絡員事務所を作って、成果を一つ一つ検証する、その仕組みを作ってまいります。
防衛、これも政治家の確保と見識が問われています。人が十分なのか。燃料は十分なのか、食料は十分なのか。どんなに立派な装備を持っても人が装備が十分でなければ専守防衛を果たすことはできないと考えております。

最後に憲法について申し上げます。必要なもの、急ぐものからやらせて頂きます。必要最小限だから戦力ではない、国内では軍隊ではないが、国外に出れば軍隊だ、本当にそんなことでいいですか。私はそうは思わない。自衛隊に感謝の思いを持っている、そういう国民は9割です。やるべきことは国の独立を守る組織、そして国際法に従って活動する組織、それを明確にすることだと私は信じております。
合区の解消、そして緊急事態条項、これは喫緊のものだ。そのように考えております。

自由民主党は国民政党であります。自由闊達に真実を語り、そしてあらゆる組織と協議をし、国会を誠実に公正に運営し、政府を検挙に機能させるその自由民主党の原点に戻ってまいります。私は何ものも恐れない。ただただ、国民のみを恐れ、この選挙を戦ってまいります。国民のみを恐れ、何ものも恐れず、真実を語る。どうぞ皆さまよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。