連合 芳野会長 自民党会合に異例の出席 野党側に揺さぶりか

連合の芳野会長が自民党の会合に出席し、男女の賃金格差の是正などが必要だと訴えました。野党を支援する連合の会長が自民党の会合に出席するのは異例です。

連合の芳野会長は18日午後、自民党本部で開かれた人生100年時代の社会の在り方を検討する戦略本部の会合に出席しました。

冒頭、戦略本部の本部長を務める上川前法務大臣は「人生100年時代を見据えると働く女性や非正規労働者の問題は必ず解決が必要になる。連合のビジョンの中には自民党と共通するところがある」と述べました。

続いて、芳野会長が今年度の連合の活動方針などをもとに、多様性を認め合う社会を目指すべきだとして、男女の賃金格差の是正や育児や介護と両立できる働き方の実現が必要だと訴えました。

立憲民主党や国民民主党を支援する連合の会長が自民党の会合に出席するのは異例で、18日は自民党側が呼びかけたということです。

連合との関係をめぐって自民党は、先月決定した運動方針に「連合など労働組合との政策懇談を積極的に進める」と明記していて、夏の参議院選挙を前に野党側に揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。

芳野会長「異例だとは思わない」

連合の芳野会長は、会合の後、記者団に「ぜひ自民党にも力を貸してほしいというお願いをし、自民党からもぜひ、課題解決に向けてという返答をいただけたので、これから政策実現に一緒に取り組みたい」と述べました。

そのうえで「これまでには当時の古賀会長が自民党の会合に出席しているし自民党大会であいさつした会長もいるので、過去の経緯からすれば異例だとは思わない。共産党を除く主要政党とは、政策・制度要求で意見交換しているので、呼ばれれば出向いて、私たちの求める政策や制度について報告し、意見交換したい」と述べました。

自民党の茂木幹事長「今後も意見を伺っていきたい」

自民党の茂木幹事長は記者会見で「連合には、政労使の審議会など、さまざまな機会を通じて、労働者の代表として協議に参加してもらっている。今後も、形はいろいろあると思うが、政府・与党として意見を伺っていきたい」と述べました。

参院選“立民や国民と連携変わらず”連合会長 立民代表と会談

18日に自民党の会合に出席した連合の芳野会長は、翌19日朝、立憲民主党の泉代表と会談しました。芳野氏は記者会見で、夏の参議院選挙では立憲民主党や国民民主党と連携する方針に変わりはないと強調しました。

連合の芳野会長は18日に自民党の会合に出席し、男女の賃金格差の是正などが必要だと訴えました。

こうした中、芳野氏は19日朝、立憲民主党の泉代表と定例の会談を行い、自民党の会合に出席したことについて「政策実現に向けて、連合の考え方を理解してもらうためだ」と説明し、泉氏も理解を示しました。

このあと芳野氏は、泉氏とそろって記者会見し「きのうの会合は選挙とは全く関係ない。連合としては、立憲民主党や国民民主党と、労働者や生活者の目線に立った政策で共有する部分がたくさんあり、夏の参議院選挙は、両党と連携して戦っていく方針に変わりはない」と強調しました。

一方、泉氏は「自民党は、立憲民主党と連合が1本で戦ってくることの怖さを感じていて、分断を図ろうとしているのだろう。われわれは緊張感のある政治、政権交代可能な政治を目指すことも共有しており、決して自民党の分断には乗らない」と述べ、自民党をけん制しました。