立民 枝野代表が辞任の意向
小川淳也氏が立候補に意欲

立憲民主党の枝野代表は党の役員会で、衆議院選挙で選挙前の議席を下回ったことについて「私の力不足だ」と陳謝したうえで「新しい体制を整えて来年の参議院選挙などに向かっていかなければならない」と述べ、代表を辞任する意向を表明しました。

立憲民主党は10月31日に投票が行われた衆議院選挙で小選挙区と比例代表合わせて定員の過半数を超える240人の候補者を擁立するとともに、多くの選挙区で共産党などと候補を一本化して臨みましたが、選挙前の109議席を下回り、96議席にとどまりました。

枝野氏は2日の党の役員会で「政権選択の構えを作ることはできたが、選挙の結果は平野代表代行や辻元副代表をはじめ有為な仲間がたくさん戻ってくることができず、また現有議席を下回るという大変残念な結果となった。ひとえに私の力不足だ」と述べました。

そのうえで「私どもとして次のステップを踏み出していくことが立憲民主党の役割、責任だと思っている。そうした状況を踏まえるなら、新しい代表のもと新しい体制を構え来年の参議院選挙、そして次の政権選択選挙に向かっていかなければならないと決断をした」述べ、代表を辞任する意向を表明しました。

そして枝野氏は総理大臣の指名選挙を行うために来週10日に召集される特別国会の閉会日に辞任しその後、党員などが参加する形で代表選挙を行う考えを示しました。

枝野代表とは

立憲民主党の枝野代表は衆議院埼玉5区選出の当選10回で、57歳。
平成5年の衆議院選挙に当時の日本新党から立候補して初当選しました。
民主党政権では官房長官や経済産業大臣、それに党の幹事長などの要職を歴任しました。

4年前に所属していた民進党が東京都の小池知事が立ち上げた希望の党への合流をめぐり分裂した際、政策や理念が異なるとして旧立憲民主党を結党して代表に就任し、直後の衆議院選挙で野党第1党に躍進しました。

枝野氏は去年9月には政権に対じするためさらなる大きな野党勢力を作りたいとして旧国民民主党などとの合流にこぎ着けて、今の立憲民主党を結成し引き続き代表を務めてきました。

今回の衆議院選挙では定数の過半数を超える240人の候補者を擁立するとともに、野党連携を主導し共産党などとの間で全体の7割を超える選挙区で野党候補の一本化を図り、政権交代を目指しました。
しかし党の選挙前の109議席を下回る96議席にとどまり、党内では責任を問う声があがっていました。

立民 小川淳也氏 代表選への立候補に意欲「腹は固まっている」

立憲民主党の枝野代表が辞任する意向を表明したことを受けて、小川淳也氏は高松市で記者団に対し「私なりの決意、腹は固まっている」と述べ、代表選挙への立候補に意欲を示しました。

この中で立憲民主党の小川氏は、枝野代表が辞任する意向を表明したことについて「4年前の大混乱した総選挙の中での立憲民主党の結党、そして合流なども含めたさまざまな躍進や3度にわたる国政選挙など、本当に心から敬意を表し、ご慰労を申し上げたい」と述べました。

そのうえで、枝野代表の後任を選ぶ代表選挙について「私なりの決意、腹は固まっている。これから最低でも20人の賛同者を本当に得られるか、丁寧な作業を積み重ね、具体的な見通しを持ったうえで、態度を表明したい」と述べ、立候補に意欲を示しました。

立民 福山幹事長「けじめをつける思いで決断したと思う」

立憲民主党の福山幹事長はNHKの取材に対し「衆議院選挙は政権選択選挙という形で臨んだが、残念ながら現有議席が守れず多くの仲間を国会に戻すことができなかった。そのことは枝野代表も私も執行部の責任として重く受け止めている。枝野代表はまずはその責任をしっかり取り、けじめをつけるという思いで決断したのだと思う」と述べました。

立民 泉政調会長「重く受け止めた」

去年9月に当時の立憲民主党と国民民主党などの合流新党の結党に合わせて行われた代表選挙で枝野代表と争った泉政務調査会長は、記者団の取材に対し「旧立憲民主党の結党から非常に小さい野党第1党を育て上げ、政権選択選挙まで持ち込んだことについてご苦労が多かったと思う。そういう中でのご決断で重く受け止めた」と述べました。
一方、次の代表選挙に立候補する考えがあるか問われたのに対し「枝野代表の辞意を伺ったばかりなので、今は何も考えていない」と述べるにとどめました。

立民 安住国対委員長「教訓を生かしてほしい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「選挙で政権を目指したが、結果として政権に届かず現有勢力を超えられなかったということで代表としての責任を取ったということだ。今の執行部は退陣ということに当然なるので、次の人にはこの教訓を生かしてほしい。自公政権と対じしてどうやって政権を取れるのか。今回の足りなかった部分を補えるような新しい体制になってくれればいいと思う」と述べました。

立民 近藤昭一氏「辞意表明は衝撃を受けた」

立憲民主党で枝野代表を支えてきたグループに所属する近藤昭一氏はNHKの取材に対し「辞意表明は衝撃を受けた。議席減らしたことへの責任を感じているなと思ったが、続けてほしかった。枝野代表は党を立ち上げてから短い時間で第1党まで引っ張っていったのは大きな功績だ」と述べました。
次の代表については「枝野氏が作った野党の連携を大事にしつつ、その連携を有権者にとってわかりやすくしていくことも大事だ。そういう代表になってほしい」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「選挙結果踏まえ判断されたということ」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で「他党のことなので特にコメントは控えたい。衆議院選挙の結果を踏まえて判断されたということだろう」と述べました。

公明 山口代表「選挙結果を重く見たうえでの判断だろう」

公明党の山口代表はNHKの取材に対し「他党の人事なので立ち入ったコメントは控えるが、共産党と選挙協力をした衆議院選挙の結果を重く見たうえでの判断だろう。来年の参議院選挙に向けて、どのような体制となるか注視したい」と述べました。

維新 片山共同代表「結果からみてやむをえないと思う」

日本維新の会の片山共同代表はNHKの取材に対し「共産党との間で基本政策をすり合わせず、国民に十分な説明がないまま選挙で共闘したのは野合で選挙互助会的な雰囲気があるので、国民に受け入れられなかったのではないか。選挙の結果からみてやむをえないと思う」と述べました。

国民 玉木代表「大変な重責だったと思う」

国民民主党の玉木代表はNHKの取材に対し「代表として大変な重責だったと思う。敬意とご慰労を申し上げたい。今後、誰が代表になるのか、どのような路線を取るのか、まずは推移を見守りたい。わが党としては衆議院選挙で信任をいただいた改革中道路線を貫いていきたい」と述べました。

共産 小池書記局長「大変残念 積み上げた合意をさらに発展」

共産党の小池書記局長は記者団に対し「今回の衆議院選挙ではさまざまな困難を乗り越えて協力を積み上げてきただけに、大変残念に思っている。野党共闘による一定の成果があったことは間違いないので、どなたが代表になろうとこれまで積み上げてきた合意をもとにさらに発展させていきたい」と述べました。

地元 埼玉 大野知事「けじめをつけるのは当然」

衆議院埼玉5区選出の枝野氏の地元、埼玉県の大野知事は定例会見で「埼玉県選出の議員については県として応援しているので残念です。彼は4年前に旧立憲民主党を結党し苦労されたと思いますが、政党の代表としてけじめをつけるのは当然だと思います」と述べました。