元慰安婦への賠償判決巡り
韓国外相に抗議 茂木外相

慰安婦問題をめぐり韓国の裁判所が日本政府に賠償を命じる判決を言い渡したことを受け、茂木外務大臣はカン・ギョンファ(康京和)外相と電話で会談し、断じて受け入れられないと強く抗議しました。
このあと、茂木大臣は、「常識では考えられない異常な事態だ」と述べ、日韓関係が急速に悪化する懸念が高まっているという認識を示しました。

ブラジルを訪問中の茂木外務大臣は、日本時間の午前8時20分ごろからおよそ20分間、韓国のカン・ギョンファ外相と電話で会談しました。

この中で茂木大臣は、慰安婦問題をめぐり、ソウルの地方裁判所が日本政府に対し、元慰安婦の女性らへの賠償を命じる判決を言い渡したことについて、「極めて遺憾で、断じて受け入れられない」と強く抗議しました。

そして、慰安婦問題は2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的な解決」を両国政府で確認しているなどとして、国際法違反を是正するために適切な措置を講じるよう求めました。

これに対しカン外相は、韓国側の立場を説明したうえで「冷静な対応が必要だ」と述べたということです。

このあと茂木大臣はオンラインで記者団の取材に応じ「国際法上も2国間関係上も、到底考えられない異常な事態が発生した。日韓両国は非常に深刻な関係にあったが、今回の判決で急速に悪化する懸念が高まっている」と述べました。

そのうえで「今までの常識でいえば考えられない判決が出されたわけで、これが却下されることがスタートだ。日本政府としては、あらゆる選択肢を視野に入れてきぜんと対応していきたい」と述べました。