最後の定例閣議を
終えた大臣たちは…
 

政府は15日午前、総理大臣官邸で自民党の新総裁に選出された菅官房長官が司会を務め、第2次安倍政権としては最後となる定例の閣議を開きました。

定例の閣議は原則、毎週火曜日と金曜日の週2回開かれていて、15日は午前10時すぎから総理大臣官邸で、第2次安倍政権としては最後となる定例の閣議がおよそ20分間、開かれました。閣議には安倍総理大臣をはじめ、すべての閣僚が出席し、自民党の新総裁に選出された菅官房長官が司会を務めました。

西村官房副長官は閣議のあとの記者会見で「閣議では安倍総理大臣、菅官房長官から、特段の発言はなかった。安倍総理大臣は、しっかりとした足取りで、顔色も大変よいように感じた。菅官房長官も、お疲れではあるのだろうが、気力のみなぎった表情だった」と述べました。

16日は臨時国会で総理大臣指名選挙が行われるのに先立ち、臨時の閣議を開いて、閣僚の辞表をとりまとめることになっています。

麻生副総理「今は非常時、覚悟はできている」

麻生副総理兼財務大臣は16日の組閣で、自身が重要ポストで処遇されるという見方が強まっていることについて、15日の閣議のあとの会見で「今は平時ではなくて非常時だ。今の閣僚は『引き受けろ』と言われたら、この状況に対応しないといけないという覚悟はできている」と述べました。

16日の組閣に関連して、自民党の菅新総裁は麻生副総理兼財務大臣について「極めて政権運営で重要だ」と述べていて、重要ポストで処遇されるという見方が強まっています。

これについて麻生副総理は15日の閣議のあとの会見で「今、閣僚の中で菅新総裁から内閣に残ってほしいなどと言われた閣僚は私も含めていない」と述べました。

そのうえで「新型コロナウイルスの問題に限らず、今の状態は平時ではなくて、非常時だ。今の閣僚はそういった認識をしているので『引き受けろ』と言われたら引き受けて、この状況に対応しないといけないという覚悟はできている」と述べました。

また、衆議院の解散・総選挙について「来年10月には任期満了になる中で、解散をどこでやるかはその内閣の極めて大事なことで、来年はオリンピックがある前提で考えれば、早期に解散というのは考えるべきではないか。ただ、私が解散権を持っている訳ではないので、考え方としては、全体としてそうなのではないかということだ」と述べました。

茂木外相「国民の負託に応えていくことが重要」

茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で「あすには新内閣の発足ということになるが、新内閣は、新型コロナウイルス対策や景気の回復、さらには積極的な外交の推進など、安倍政権で進めてきたさまざまな取り組みをさらに前に進めるとともに、残った課題にも全力で当たり、国民の負託に応えていくことが何よりも重要だ」と述べました。

加藤厚労相「人事の話をしたことはない」

加藤厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「きのう、菅新総裁が選任されたが、それ以降、菅氏とは特段の話をしていない。もちろん、人事も含めて話をしたことはない」と述べました。

そのうえで、記者団が「官房長官の打診があった場合、応じるのか」と質問したのに対し、「仮定の質問には答えられない。いずれにしても、菅新総裁を選出したのでしっかりと支えていきたい」と述べました。

竹本IT担当相「独自の政策も出していくと思う」

竹本IT担当大臣は閣議のあとの記者会見で「菅新総裁は、7年8か月の実績のもと安倍政権を継承していくべきで、そのうえで、独自の政策も出していくと思う。また、菅新総裁は初当選した時期が自分と一緒なので、その意味でもしっかりやってもらいたいと期待している」と述べました。

西村官房副長官「われわれもしっかり支えていく」

西村官房副長官は記者会見で、自民党の新しい総裁に選ばれた菅官房長官について「地方から出てこられ、苦労して今の立場を築き上げられた。その苦労によって培われた、人格、識見、大変、すばらしい方だ。芯の通った政治家であり、日本の将来のかじ取りを行っていただきたい。われわれもしっかり支えていかなければならない」と述べました。

河野防衛相「安倍総理大臣の気持ちは受け継がれていく」

河野防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「かったつに議論をして、決まれば一致団結をしていくのが自由民主党のいいところだ。安倍政権で、外交面でも日本の存在感を出せるようになってきたので、継続していくことになると思う」と述べました。

そのうえで、政府が先週、ミサイル阻止に関する新たな方針をめぐる、安倍総理大臣の談話を発表したことについて「周辺の国々が盛んに新たなミサイル技術を獲得していく中で、わが国をどのように守っていくのかという議論は、しっかりやらなければいけない。安倍総理大臣の気持ちは新しい総理大臣にも受け継がれていくだろう」と述べました。

萩生田文科相「継続性を持って仕事を」

萩生田文部科学大臣は閣議のあとの会見で「安倍総理大臣の残された総裁任期の1年間ということなので、継続性をしっかり持ってやり残した仕事をやってほしい。安倍内閣で設置した教育再生実行会議など、教育分野の会議も引き続き続けてほしい」と述べました。

また、菅新総裁が、いわゆる世襲でなく、官僚出身でもないことについて「私も全く同じような経歴なので、そういう人たちがきちんと評価をされる世の中にしていくことは非常に大事だ。そういう意味では、菅新総裁の活躍に個人的にも期待している」と述べました。

田中復興相「被災地に寄り添って」

田中復興大臣は、閣議のあとの記者会見で「初当選が同期で、同じ神奈川県の選挙区で、出身大学も一緒だ。大いなる活躍を期待している」と述べました。

そのうえで「安倍内閣では『東北の復興なくして日本の再生なし』、『全閣僚が復興大臣』との思いで取り組んできた。被災地の人たちの大変な思いを共有して現場主義を徹底し、被災地に寄り添ってほしい」と述べました。

西村経済再生相「規制改革やデジタル化を進めてほしい」

西村経済再生担当大臣は、記者会見で「菅新総裁には、官房副長官として2年間お仕えし、人柄や政治姿勢を尊敬している。国会議員と地方からの安定的な支持をもとに、規制改革やデジタル化をぜひ強力に進めてもらいたいし、全力で応援したい」と述べました。