われた森林 30年で
日本の面積の4倍以上に

国連は農地確保などのために森林伐採が進み、この30年間に世界全体で日本の面積の4倍以上にあたる、およそ178万平方キロメートルの森林が失われたとして保全を呼びかけています。

これはFAO=国連食糧農業機関と、UNEP=国連環境計画が22日に公表した報告書の中で明らかにしたものです。

それによりますと、森林は世界全体の陸地面積の30.8%に当たるおよそ4000万平方キロメートルを占めていますが、この30年間にアフリカや南米を中心におよそ178万平方キロメートルの森林が失われたということです。これは日本の面積のおよそ4.7倍に匹敵する規模です。

森林伐採がその背景の1つになっていて、熱帯と亜熱帯に位置する46の国で伐採の理由を見ると、牧場の整備や大豆、アブラヤシなどを栽培する大規模農業がおよそ40%、自給のための農地確保が33%、都市部の拡大とインフラ開発がそれぞれ10%などとなっています。

国連は「森林の伐採や劣化が大変な規模で起き続け、生物の多様性も失われている」と警鐘を鳴らし、食料の生産方法などを見直すとともに、森林の保全を呼びかけています。