家公務員や検察官の定年
引き上げの法案が審議入り

国家公務員や検察官の定年を段階的に65歳に引き上げるための法案が、衆議院で審議入りし、野党側は、検察官の定年延長は検察の人事に内閣が介入することになると批判しました。

16日開かれた衆議院本会議では、国家公務員の定年を令和4年度から段階的に65歳に引き上げるなどとする国家公務員法の改正案と、これに合わせて、検察官の定年も段階的に65歳に引き上げ、定年延長を最長で3年まで可能にすることなどを盛り込んだ検察庁法の改正案の趣旨説明と質疑が行われました。

この中で、検察庁法の改正案について、国民民主党の後藤祐一氏は「国家公務員法の定年延長の規定を検察官にも適用するとしているが、今後、検察官に定年延長の規定を適用する場合、内閣の意向が反映される可能性があるのではないかという国民の疑念を、どう払拭(ふっしょく)していくつもりか」とただしました。

これに対し、森法務大臣は「検察官の定年延長ができるのは、内閣が定める事由、または法務大臣が準則で定める事由があると認めるときに限られ、それらの事由は事前に明示することとされていることにより、乱用が防止されており、適正に運用されるものと考えている」と述べました。

また、共産党の塩川鉄也氏は「改正案は、内閣による検察人事への露骨な介入を恒常化するもので許されない。黒川東京高等検察庁検事長の定年延長を認めた閣議決定、および、検察庁法改正案は撤回すべきだ」と指摘しました。

これに対し、菅官房長官は「黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、引き続き、勤務をさせることとしたものであり、閣議決定を撤回する必要はない。改正案は、高齢期の職員の豊富な知識や経験などを最大限に活用するため、国家公務員の定年を引き上げることを内容とするものであり、検察庁法の改正部分についても撤回する必要はない」と述べました。