院本会議で代表質問
桜を見る会や産業政策で論戦

国会では、午後も参議院本会議で安倍総理大臣の施政方針演説に対する代表質問が行われ、「桜を見る会」や産業政策などをめぐって論戦が交わされました。

この中で共産党の山下副委員長は、「桜を見る会」をめぐり「安倍総理大臣の事務所が会の参加者を募り、事務所主催のツアー旅行にも利用したのか。会の適切な招待だという認識なのか」とただしました。

これに対し安倍総理大臣は「私の事務所では、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど参加にふさわしいと思われる方をはじめ、幅広く参加希望者を募ってきた。都内観光ツアーについては、事務所によれば、希望する方に対して旅行会社の紹介などを行い、ツアー自体の主催、企画は、あくまで旅行会社だった」と述べました。

そのうえで安倍総理大臣は「私の事務所から推薦し、招待されなかった例もあったものと承知しているが、これは、内閣官房が確認した結果だと聞いている」と述べました。

国民民主党の大塚代表代行は、高速・大容量の通信規格5Gについて、「昨年、中国と韓国が商用サービスを開始し日本は後じんを拝した。巻き返しに向けた戦略をどう考えているのか」とただしました。

これに対し、安倍総理大臣は「5Gがもたらす変革は、経済のみにとどまらず、安全保障をはじめ社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすという認識のもと、国家戦略として取り組んでいく。ポスト5G、さらにその先を見据えながら、大胆な税制措置と予算によって大胆な投資を促し、イノベーションを力強く後押ししていく」と述べました。

また大塚氏は、野党側が提出したIR=統合型リゾート施設の整備の中止法案を審議するよう求めたのに対し、安倍総理大臣は「法律案の取り扱いは、国会で決めるべき事柄だと承知しているが、IRは観光先進国の実現を後押しするものだ。IRの推進は国民的な理解が大変重要であり、事業者選定の公平性、透明性の確保についても、高い独立性を有するカジノ管理委員会や国会での議論も十分に踏まえて丁寧に進めていく」と述べました。

一方、施政方針演説で「桜を見る会」やIRをめぐる汚職事件などに触れなかったことを指摘されたのに対し、安倍総理大臣は「施政方針演説には、予算に盛り込んだ政策など、1年間で実施する主要政策を盛り込んでいる。ご指摘のようなテーマに議論が集中し、大切な審議時間が多く割かれてしまっている状況は、国民、納税者の皆様に大変申し訳ない。今後も国会でのご指摘には、当然、誠実に対応させていただく」と述べました。

自民党の野上参議院幹事長代行は、ロシアとの北方領土問題を含む平和条約交渉について「確実に幅広い分野で成果が積み重ねられ、未来志向の両国関係が深まっている。静かな環境の中で平和条約交渉を進めていくことが重要だ」と指摘しました。

これに対し安倍総理大臣は「先般、ロシアで新内閣が発足したことも踏まえつつ、政治、経済、文化など幅広い分野で、国益に資するよう関係を発展させていく。プーチン大統領とは領土問題を次の世代に先送りすることなく、みずからの手で必ずや終止符を打つとの強い意志を共有しており、私と大統領の手で成し遂げる」と述べました。

国会では、来週27日から衆議院予算委員会で、今年度の補正予算案の実質的な審議が始まります。