政方針演説 各党の反応は

安倍総理大臣が衆参両院の本会議で行った施政方針演説の各党の反応です。

自民 二階幹事長「責任ある立場 堂々たる発言」

自民党の二階幹事長は記者会見で、「安倍総理大臣は、国政全般にわたって責任ある立場で堂々たる発言だったと思っている。われわれ自民党もその線に沿って懸命に頑張っていきたい。一致団結して国民からいただいた負託と期待に応えて、責任を果たせるよう全力を尽くしたい」と述べました。

また、憲法改正については「安倍総理大臣は相当な決意を込めて論じたと思う。その心意気をしっかりと受け止めて、憲法改正に向けて懸命な取り組みを進めていきたい。われわれも改めて決意しているところだ」と述べました。

自民 岸田政調会長「総理の強い思いにじんだ演説」

自民党の岸田政務調査会長は記者会見で、「東京オリンピック・パラリンピックを成功させたいという安倍総理大臣の強い思いがにじんだ演説だった。大会後の日本の活力や国民の安心のため、政治は努力しなければいけない。また、IRや『桜を見る会』も政治の信頼という観点からは大切なテーマであり、代表質問や予算委員会の中で丁寧に説明していくことが大事だ」と述べました。

公明 山口代表「丁寧に説明 憲法改正は従来より抑制的」

公明党の山口代表は記者団に対し、「災害からの復旧・復興や防災・減災、全世代型の社会保障、それに海外発のリスクなどを視野に入れた経済対策を丁寧に説明していた。議論を深めて、補正予算案と新年度予算案の早期成立を図っていきたい」と述べました。

一方で憲法改正については「従来の訴えと比べると、抑制的で現実的な一般論を述べていたように思う。『憲法審査会を中心とする議論に委ねる』という趣旨だと受け止めた」と述べました。

立民 福山幹事長「空疎な演説 あまりに不誠実」

立憲民主党の福山幹事長は記者団に対し、「長期政権の限界が見えた、情熱もビジョンも何も感じられない空疎な演説だった。美辞麗句をいくら並べても、国民生活は豊かにならず、外交でも成果はあがらないと国民は見抜いている。『桜を見る会』や、みずからが副大臣に任命した議員の逮捕などについて、何ら謝罪も言及もないのはあまりにも不誠実で、国民をばかにしている」と述べました。

国民 玉木代表「『永遠の道半ば』に磨きかかった演説」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し、「アベノミクスの『新三本の矢』として掲げた、GDP=国内総生産600兆円などは5年たっても達成したという話がなく、目標がことごとく崩れてきていることは明らかだ。『永遠の道半ば』に磨きがかかった演説ではないか。消費税増税の悪影響が出てきており、国民生活に直結する景気・経済や社会保障などの問題について、国会で議論を深めたい」と述べました。

維新 馬場幹事長「五輪頼みが読み取れる演説」

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で、「あらゆる分野の施策がオリンピック頼みの部分が大きくなっていると読み取れる演説だ。憲法審査会の開催自体が停滞傾向にあるが、安倍総理大臣のことばを借りれば、『憲法改正案を示すのは国会議員の責任』ということなので、各党が改正案を示すことを目標に、与党側には覚悟をもった運営を求めたい」と述べました。

共産 志位委員長「『さ』の字も『カ』の字もない」

共産党の志位委員長は記者会見で、「演説に『桜を見る会』の『さ』の字も、『カジノ汚職』の『カ』の字も無く、説明を果たそうという姿勢が全くないのは大問題だ。『来年度予算の税収は過去最高』と言うが、法人税や所得税が減って、消費税が増えており、自慢できるような話ではない。オリンピック、パラリンピックということばが多く出てきたが政治利用と言わざるをえない」と述べました。

社民 吉川幹事長「まるで責任がなかったかのよう」

社民党の吉川幹事長は記者会見で、「『桜を見る会』やIRをめぐる汚職事件、それに菅原 前経済産業大臣と河井 前法務大臣の問題にひと言も触れなかったことは非常に驚きだ。これだけ政治不信が広がっているのに、安倍総理大臣が、口では説明責任と言いながら、少し時間がたつと、まるで責任がなかったかのようにふるまっているのは問題だ」と述べました。

れ新 山本代表「いつもどおり薄っぺらい」

れいわ新選組の山本代表は記者会見で、「いつもどおり薄っぺらいということ以外に申し上げることはない。重度障害者を政治的に利用するが、障害者への施策を大きく動かすつもりがないのは明らかだ。7年間も政権を担いながら、デフレからは脱却できず、消費税の増税を続け、一握りの人のためにしか政治を行ってこなかった。消費税の減税、廃止を主張したい」と述べました。

N国 立花党首「是々非々で対応」

NHKから国民を守る党の立花党首は「政府・与党は現実的な対応をしていると思うので是々非々で対応したい。経済政策では、去年の消費税率の引き上げは国民の理解を得られておらず、追及したい。演説の憲法改正の部分は総理大臣の発言としてはちょっと問題があるが、党としては改正の発議に反対するつもりはない」と述べました。

西村官房副長官「『桜を見る会』は演説に盛り込まず」

一方、西村官房副長官は記者会見で、「『桜を見る会』は、ことしは中止することから、来年度予算案に盛り込んでおらず、見直しの中身も具体的にはこれから考える段階であるため演説には盛り込んでいない」と述べました。また、記者団から「『桜を見る会』について、安倍総理大臣が国会で丁寧に説明する場を設けるべきではないか」と問われたのに対し、西村副長官は「国会の日程は国会で決めることであり、求めがあれば丁寧に説明していく必要がある」と述べました。