韓外相会談
「徴用」是正求める 外相

日韓首脳会談を前に茂木外務大臣は訪問先の中国で韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相と会談し、「徴用」をめぐる問題は日韓関係最大の課題だとして、国際法違反の状態の是正を改めて求め、両外相は外交当局間の意思疎通を継続していくことで一致しました。

24日午後、中国でおよそ1年3か月ぶりとなる日韓首脳会談が開催されるのを前に、茂木外務大臣は日本時間の午前10時ごろから、およそ50分間、韓国のカン・ギョンファ外相と会談しました。

会談で茂木大臣は「徴用」をめぐる問題について、日韓関係の最大の課題だとして、改めて国際法違反の状態を是正するよう強く求めました。

そのうえで両外相は今後も外交当局間の意思疎通を継続していくことで一致しました。

また韓国向けの輸出管理をめぐり、3年半ぶりに日韓の局長級による政策対話が有意義に実施されたことを歓迎し、今後も対話が継続されることへの期待で一致しました。

さらに茂木大臣は両国関係が困難な状況にある時だからこそ、さまざまな交流が重要だと強調し、両外相はその認識を共有しました。

一方、北朝鮮情勢については日韓、日韓米での緊密な連携を改めて確認し、茂木大臣が拉致問題の早期解決への協力を求めたのに対し、カン外相は「拉致問題と日朝関係についての韓国側の理解と支持は変わっていない」という考えを伝えました。

韓国外務省 「徴用」でカン外相が強く反論

韓国外務省は、カン外相と茂木外務大臣が24日午前、中国 四川省の成都でおよそ50分間にわたって会談したと発表しました。

発表によりますと、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で茂木外務大臣が従来の主張を展開したのに対して、カン外相は韓国の立場を説明して強く反論し、事態の打開には至りませんでした。

また、日本が韓国向けの半導体の原材料のうち「レジスト」と呼ばれる品目で輸出管理の運用の一部を見直したことについて、カン外相は「日本の自発的な措置で一定の進展ではあるが、究極的には対話を通じて日本側の措置が速やかに撤回されなければならない」と強調し、日本側に全面的な見直しを求めました。

一方でカン外相と茂木外務大臣は、1年3か月ぶりに行われる日韓首脳会談を成功裏に開催するため議題について意見を交わし、北朝鮮の非核化をめぐっても日米韓で連携することで一致したということです。