東派遣の閣議決定案を
自民党に提示 了承

中東地域への自衛隊派遣について、政府は、13日開かれた自民党の会議で、護衛艦1隻と哨戒機を1年の期間で派遣し、期間を延長する際には国会に報告するなどとした閣議決定の案を示し、了承されました。

中東地域への自衛隊派遣について、政府は、護衛艦などを、期間を1年ごとに更新して派遣する方針で、自民・公明両党の議論も踏まえ、来週後半で調整されているイランのロウハニ大統領の日本訪問のあとに、閣議決定を行う方向で検討を進めています。

政府は、13日開かれた自民党の安全保障関係の会議で、閣議決定の案を示し、護衛艦1隻とアフリカ東部のジブチを拠点に、海賊対策に当たっているP3C哨戒機を防衛省設置法の「調査・研究」の一環として派遣して、情報収集態勢を強化するとしています。

活動範囲は、オマーン湾、アラビア海北部、アデン湾の、沿岸国の排他的経済水域を含む公海で、イランにより近い、ホルムズ海峡やペルシャ湾は含まれていません。

そして、アメリカが結成した有志連合など、特定の枠組みには参加せず、日本独自の取り組みとして派遣するものの、アメリカや周辺国などと、必要な連携を行うとしています。

また、不測の事態が発生するなど状況が変化した場合、海上警備行動を発令する可能性があることを明記し、保護する対象の船舶は、個別具体的な状況に応じて判断するとしています。

さらに、派遣期間を延長する場合には、改めて閣議決定を行い、国会に活動の結果を報告するとしています。

防衛省では、派遣部隊は今月から訓練に入るとしていますが、中東地域に向かう日程は調整中だとしています。

こうした説明に対し、出席者からは、「国内外に対し、丁寧に説明すべきだ」という意見が出たものの、目立った異論はなく、閣議決定の案は了承されました。

一方、公明党の外交安全保障調査会では、出席者から、「閣議決定や国会報告を行う理由を、明確に記すべきだ」といった意見が出され、来週、改めて議論することになりました。

菅官房長官「引き続き丁寧な説明を」

菅官房長官は、臨時閣議のあとの記者会見で「政府側の検討状況については、現在、与党側にも説明を行っており、今後、自衛隊の活用を含めた政府方針を閣議決定する方向で検討中だ」と述べました。

そのうえで、「政府としては、与党への説明の過程での指摘を真摯(しんし)に受け止めて検討を進めるとともに、国民から理解を得られるように引き続き丁寧な説明をしていきたい」と述べました。