いすスペースに事前予約
求めるのは「けしからん」

赤羽国土交通大臣は、3日の参議院国土交通委員会で新幹線の車いすスペースを利用する場合にJR各社が事前の予約を求めていることについて、「スペースの利用に規制を設けるのは、けしからん話だ」と述べ、JRに対応の見直しを強く求める考えを示しました。

JRの新幹線や在来線の特急列車には、車両によって車いすで利用できるスペースがあり、利用を希望する場合には、2日前までに、みどりの窓口か電話で申し込むことを求めています。

3日の参議院の国土交通委員会では、重度の障害があるれいわ新選組の木村英子参議院議員がこうしたJR各社の対応について「現状では車いすの人が緊急に新幹線に乗る際に、スペースを利用できない場合がある。当日でも車いすの人が優先的に購入できるようにするべきではないか」と質問しました。

これに対し赤羽大臣は、「JRの対応は残念に思う。交通機関のバリアフリーに関する国のガイドラインは、車いす利用者が確実に利用できるよう意図されてつくられていて、このスペースの利用に規制をもうけるのはけしからん話だ」と述べました。

そのうえで、「東京オリンピック・パラリンピックに向けたバリアフリー社会の実現に向けて取り組む政府の意思をしっかりと受け止めてほしい。障害者の皆さんの声を直接聞いて抜本的に見直すことを強く求める」と述べて、対応の見直しを強く求める考えを示しました。

JR東日本社長「より使いやすいサービスを追求」

JR東日本の深澤祐二社長は、3日の定例の記者会見で、赤羽大臣の発言について、「車いすの方がスムーズに新幹線を利用できるよう、あらかじめご連絡をいただくことで対応してきた。これから予約のシステムなども進化してくると思うので、われわれとしてもより使いやすいサービスを追求していきたい」と述べました。

JR東海「早めの申し込みを」

車いすスペースの利用について、JR東海は「乗車の前日や当日でも可能なかぎりうけたまわりますが、満席などの場合は、希望の列車に乗車できない場合があるので、早めの申し込みをお願いいたします」と話しています。

またJR九州は、一般の人の予約で車いすの利用者が車いすスペースを利用できない場合は車両にある「多目的室」に案内するようにしているということで、JR九州は「できるかぎり柔軟に対応しているので、困ったときには駅係員などに相談してほしい」と話しています。

車いすスペースを利用するには

JR各社は新幹線にある車いすスペースの利用を希望する場合には、2日前までに、みどりの窓口か電話で申し込むよう求めています。

その理由について各社は、事前にスペースを確保することで車いすの利用者が確実に乗車できるようにすることや、車いすの利用者が新幹線に乗り降りするのを手助けする駅員を事前に手配する必要があるためなどとしています。

2日前までの予約をせず、直前に申し込んだ場合でも座席に空きがあれば購入することはできますが、車いすの利用者が優先されず誰でも予約できるためスペースを確保できない場合があります。