「未来のための金曜日」
若者たちが温暖化対策訴える
ニューヨークで行われる国連の温暖化対策サミットを前に、世界の150か国以上で若者などが温暖化対策を訴える運動が20日から始まります。
この運動は、スウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんの呼びかけで行われ、グレタさんが毎週金曜日に学校を休んで温暖化対策を訴え続けてきたことから「未来のための金曜日」と名付けられました。
20日から来週の27日金曜日にかけ、日本を含めた世界150か国以上で予定されていて、ソーシャルメディアを通じてグレタさんの訴えに共感した若者を中心に合わせて数百万人が行進などをして、各国政府に対し再生可能エネルギーの導入をはじめ温暖化対策をより強化するよう求めることにしています。
また、この運動に参加するため、ニューヨーク市は公立学校の生徒が休むことを認め、オーストラリアの一部の州も公務員が休みを取ることを許可したほか、世界の2000以上の企業が従業員の休みを認めたり、営業をとりやめたりするということです。
運動のきっかけとなったグレタさんは、ニューヨークでの催しに参加し、23日の国連の温暖化対策サミットでは各国の首脳を前に演説する予定で、温暖化対策を求める若い世代の声が世界のリーダーたちに届くのか注目されます。
16歳少女 米議会で温暖化対策の必要性訴え
地球温暖化対策を訴えているスウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんがアメリカ議会の公聴会に出席し、温暖化対策の必要性を訴えました。
スウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんは毎週、金曜日に学校を休んで温暖化対策を訴え続けたことがソーシャルメディアを通じて若い世代に影響を与え、運動が世界に広がっています。
グレタさんは18日、首都ワシントンでアメリカ議会下院の公聴会に出席しました。
このなかでグレタさんは、国連の組織が去年まとめた温暖化についての報告書にふれ、「私の証言として、この報告書を提出します。私のことばではなく、科学者の声に耳を傾けてください。科学のもとに皆が団結し、行動してほしいのです」と述べ、温暖化対策の必要性を訴えました。
またグレタさんはこれに先立ち、16日にはオバマ前大統領と面会し、オバマ氏が「世界を変えているね」などと問いかけると、グレタさんは「若者たちは皆、熱心です。どんなに小さな個人でも世界に影響を与え、変化をもたらすことはできます」などと応じていました。
グレタさんは今月23日には国連の温暖化対策サミットで演説を行う予定です。
国連事務総長 各国の取り組みに強い期待
国連のグテーレス事務総長は来週、国連総会に合わせて開催する温暖化サミットについて、「二酸化炭素を激減させる多くの有意義な計画が示されることを望む」と述べ、各国の取り組みに強い期待を示しました。
国連のグテーレス事務総長は18日、ニューヨークの国連本部で記者会見を開きました。
この中で国連総会に合わせて今月23日に開催する温暖化サミットについて、「次の10年間に二酸化炭素を激減させ、2050年には排出をゼロにするための多くの有意義な計画が示されることを望む」と述べて、各国からこれまでの対策を上回る思い切った取り組みが表明されることに強い期待を示しました。
またサミットにスェーデンから温暖化対策を訴え続け、若い世代に影響を与えている16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんが出席することを踏まえ、「われわれは若者たちが大人たちよりはるかに多くの決意と勇気を表すのを見てきた。彼らが各国の政策決定、そして社会全体に影響をもたらすことを期待する」と述べました。
グテーレス事務総長はすべての国の指導者が温暖化サミットに参加するよう呼びかけていますが、トランプ大統領は参加しない見通しだと伝えられています。
ただアメリカ政府から何らかの取り組みは示されるということで、トランプ大統領の下、アメリカがどのような立場を示すのかにも関心が集まっています。