安田純平さん パスポート
発給拒否で不服審査請求へ

シリアで武装組織に拘束され、去年、解放されたフリージャーナリストの安田純平さんに対し、外務省が今月、パスポートを再発行しないと通知したことが分かりました。安田さんは「憲法に保障された基本的人権を制限するものだ」として、不服審査を請求する意向を示しました。

安田純平さんは、4年前にシリアで武装組織に拘束され、去年10月、3年4か月ぶりに解放されて日本に帰国しました。

安田さんは拘束中にパスポートを奪われたことから、ことし1月、再発行の申請をしましたが、今月、外務省からパスポートを発給しないという通知を受け取ったということです。

その理由について通知書には「安田さんがトルコから入国禁止の措置を受けたため、旅券法でパスポートの発給の制限の対象となる」といった内容が書かれていたということです。

これに対し、安田さんはNHKの取材に対してトルコへの渡航は計画していないとしたうえで「トルコの入国禁止措置を理由に世界のどこにも行けなくなるというのは、憲法に保障された基本的人権を著しく制限するものだ」と述べ、外務省の決定を不服として審査を請求する意向を示しました。

一方、外務省は「個別の案件については答えられないが、それぞれの申請について、旅券法の関連規定に照らして慎重に検討している」としています。