マクロン大統領と首相が
会談 G20での連携を確認

G20大阪サミットを前に、安倍総理大臣は、フランスのマクロン大統領と首脳会談を行い、自由貿易や気候変動などサミットの重要議題で力強いメッセージを発信できるよう、緊密に連携していくことで一致しました。

28日開幕するG20大阪サミットを前に、安倍総理大臣は、午後5時すぎからおよそ1時間半、総理大臣官邸で就任後初めて日本を訪問しているフランスのマクロン大統領と7回目の首脳会談を行いました。

そして、28日開幕するG20大阪サミットで、自由貿易やデジタル経済、気候変動、女性の活躍推進などの主要議題で力強いメッセージを発信できるよう、緊密に連携していくことで一致しました。

また、北朝鮮のすべての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄や、いわゆる「瀬取り」など制裁逃れへの対策強化に向けた連携を確認し、安倍総理大臣が、拉致問題の早期解決を目指す方針を改めて示し、マクロン大統領も支持する考えを伝えました。

さらに、緊張が高まるイラン情勢に関連し、安倍総理大臣は「ヨーロッパとアジアの結節点であるホルムズ海峡で航行の安全を確保することは、日仏を含む国際社会の平和と繁栄に極めて重要だ」と述べ、現状への懸念を共有し、緊張の緩和に向けた緊密な連携を確認しました。

一方、両首脳は、海洋安全保障などの3分野を中心に、両国間の協力を具体化していくことを確認し、ことし後半にも「包括的海洋対話」を開催する方向で調整を進めることで一致しました。

会談のあと両首脳はそろって記者会見し、安倍総理大臣は「G20大阪サミットの成功に向けた日仏協力について、じっくりと議論ができた。G20とG7の議長国としてお互いに手を携えて、世界の平和と繁栄に向けて日仏で貢献していきたい」と述べました。

また、自衛隊とフランス軍の協力強化や、再生可能エネルギーの普及に向けた知見の共有など、両国の連携を進める今後5年間のロードマップを発表しました。

マクロン大統領 「日仏関係非常に生き生き」

首脳会談後、安倍総理大臣との共同記者会見に臨んだフランスのマクロン大統領は、「令和の新しい時代に訪問がかなってうれしい。日仏関係はすでに非常に生き生きとしている」と話し、エネルギーやイノベーションなどの分野で幅広い経済協力が結ばれたことを歓迎しました。

また、インド太平洋地域の海洋の安全保障において、日本と協力を進めることで一致したことついては「フランスはこの地域において強国だ。フランス領ポリネシアやニューカレドニアなど、広い地域に領土を持っていて、8000人の兵士がおり、各国と協力を進めたいと考えている」と話し、日本のほか、インドやオースラリアなどとも協力し、インド太平洋地域で存在感を高めていくことに期待を示しました。

また、28日開幕するG20大阪サミットについては、北朝鮮や緊迫するイラン情勢などについて協議するとともに、マクロン政権が主要な政策に掲げてきた気候変動についても議論を深めたいと述べ、「野心的な目標を打ち出せないのであれば、私たちが集まった意味がない。パリ協定のもと、各国がそれぞれの関与を強めることがG20の最初の一歩だ」と話し、関係国が集まるサミットの場で、議長国である日本とともに世界的な課題への具体的な対応策を見いだしたい考えを示しました。