河野外務大臣 11日の
記者会見全文

河野外務大臣は11日、記者会見で、北方領土問題でロシア側が日本をけん制する発言をしていることについて見解を問われましたが、質問を繰り返し無視する一幕がありました。会見全文を掲載します。

外交史料館のインターネット検索サービス

外相)きょうは、ビッグニュースが1つございまして、12月10日、外交史料館の所蔵資料のインターネット検索サービスを開始するに至りました。外交史料館のホームページにアクセスすることによって、幕末から戦後まで、史料の情報、キーワードや、多様な検索条件で調べることができるようになりました。また、明治150年事業の一環として、外交史料館が所蔵している幕末、明治、大正期の国書、親書、日本が受け取った国書、親書のデジタル化を実施し、検索システム上でそれらの画像を閲覧できるようになりました。これはもう日本内外で、こうした資料を自由に見ることができるようになりました。全部で外交史料館が保有する幕末から戦後の史料10万8000件について、史料件名などのキーワード、移管日、外交記録公開日などで検索することができるようになります。インターネットに接続しているパソコン、タブレットにスマホ、何でもできるようになっているというふうに思います。また、現在、外交史料館、平日のみ開館をしておりますが、何とか来年度から土曜日も開館できるように、人件費その他、来年度の予算で要求中でございますので、なるべく早く、ほんとは土日やりたかったんですけど、とりあえず土曜日の開館を目指していきたいというふうに思っているところでございます。
私からは以上です。

英国議会でEU離脱案の採決延期

記者)イギリスのEU離脱協定案について伺います。11日に予定されていたイギリス議会での採決が延期になりましたけれども、この受けとめと、あと今後、どのように進んでいくことが望ましいとお考えか教えてください。
外相)投票延期というのを聞いて、少々驚いているところでございます。やはり相当、支持に関しては厳しいのかなというふうに思っておりますが、いずれにしましても、わが国として、合意なき離脱に至らないように、これは英国、あるいはEUに強く求めてまいりたいと思います。このブレグジットに関して、やはり予見可能性、そして法的安定性というのがイギリスにいる日系企業にとってなくてはならないものでございますので、そうしたものがきちんと維持、確保できるように、英国側、EU側、それぞれにご努力をお願いをしたいというふうに思っております。

米財務省の北朝鮮制裁

記者)アメリカの財務省が、北朝鮮の労働党の副委員長らを制裁対象にすると発表し、人権問題などを理由にしていますが、その受けとめと、日本としての対応を教えてください。
外相)米国が、北朝鮮の人権についてさまざま考慮しているということは、これまでも米国とのやりとりの中で承知をしているところでございます。日本としては、拉致問題、あるいは核・ミサイルの問題を解決するために、何が日本として最適なことか、しっかりと考えながら対応していきたいというふうに思っておりますし、アメリカとは、引き続き緊密に連携をしていきたいというふうに考えているところでございます。

2019年度予算

記者)19年度予算の折衝が大詰めを迎えていますけれども、外務大臣の外国訪問をはじめ、その足腰予算の重要性について改めてお願いします。
外相)これだけ国際化が進んでいる中で、やはり外務大臣もそうですし、外務省職員がやはりしっかりと動けるだけの予算というものが必要になってくると思います。さまざま戦略的なパートナーシップ、あるいは、さまざまな国と政策対話というものがしっかりと積み上がってまいりましたので、そのための、旅費をはじめとする実務的な予算の必要性というのは、もうこれは説明するまでもないというふうに思っております。また来年度は、TICAD、G20、即位の礼といった、さまざまな国際的な行事がある中で、その受け入れも、きちっとこれはやっていかなければなりませんので、G20とか、即位の礼というのはややワンショットの予算要求になるかと思いますが、やはりこれからの外交をしっかりとやるために、どうしても必要な分というのはしっかりと財務省に理解をしていただいて、予算を積み上げていく必要があろうかと思いますんで、それは一生懸命、この数日間、努力をしてまいりたいと思います。

日ロ関係

記者)日ロ関係について伺います。先日、ラブロフ・ロシアの外務大臣がですね、日ロ平和条約の締結について、第2次世界大戦の結果を認めることを意味すると、日本が認めることが最初の一歩であるというような発言をされていますけれども、この発言に対する大臣の受けとめをお願いします。
外相)次の質問、どうぞ。

記者)今のに関連して伺います。大臣、国会の答弁等でも日ロ関係については、交渉に資することはないので、発言は一切控えるというふうにおっしゃっていますように、今のようにロシア側ではラブロフ外相、ペスコフ報道官等々、いろいろな原則的立場の表明があります。それに対して、反論を公の場でするおつもりもないということでよろしいんでしょうか。
外相)次の質問、どうぞ。

記者)引き続き関連の質問なんですけども、大臣は、よい環境を整備したいということで、発言をこれまで抑制的、あるいは抑えてこられたと思うんですけど、一方で、ロシア側からはどんどん、これまでどおりの提案が出てきます。こういったアンバランス、はたから見るとアンバランスな状況が実際の協議にも与えるという懸念もあると思うんですけど、その点に関してはどうお考えでしょうか。
外相)次の質問、どうぞ。

記者)何で質問、「次の質問、どうぞ」と言うんですか。
外相)次の質問、どうぞ。

事務方)ほか、よろしいですか。

10連休対応と職員の働き方改革

記者)来年5月のですね、ゴールデンウイーク10連休についてお伺いします。海外旅行客が増えると思うんですけれども、外務省の態勢、これをどのように考えていくのかというのが1つ。それと同時にですね、先ほど大臣もおっしゃっていた、来年はTICAD等々、国際的行事、G20もありますけれども、外務省の職員の働き方改革というところで、どういうふうに対応していくのか、その2つをお願いします。
外相)来年の10連休というのは、多分、かつて9連休というのが年末年始かなんかに1回あったんじゃないかと思っておりますが、多分、10連休というのは初めてのことなんだろうと思います。それだけの期間、休みが続きますから、当然、海外へ行こうという方が増えるだろうというふうに予測をしております。ぜひ「たびレジ」への登録など、安全確保のための努力を、まずそれぞれ、お一人お一人にしっかりやっていただかなければいけませんから、外務省として、海外へ行くための「たびレジ」の登録というのは、きちんとお願いしたいというふうに思っております。また、在外公館のですね、その期間、邦人が事故、事件に巻き込まれることがないように、しっかりとした対応をとっていきたいというふうに思います。
来年は、TICADにG20、即位の礼に、ラグビーのワールドカップで、さまざまな国の閣僚もいらっしゃるというような話もございますので、そうした大きな国際的な事業の受け入れに関して、外務省もかなり人的に切羽詰まる状況になろうかというふうに思っておりますんで、今、その対応策をですね、さまざま検討しているところでございまして、少し、今までのやり方を超えたところで対応していかなければいけない部分もあろうかと思いますんで、今、鋭意、検討しているところでございます。
財政面では、財務省といろいろやりとりをしておりますが、人的な対応のところについて、もうしばらく猶予をいただいて、おそらく年明けになってしまうかもしれませんが、どこかの段階でこういうことをやりたいということを発表したいというふうに思います。
記者)ありがとうございます。

事務方)時間もあります。最後の質問でお願いします。

質問無視の理由は

記者)先ほど来、ロシアの質問に「次の質問、どうぞ」というふうに回答されていますけれども、大臣の従前のお立場というのは我々もわかっていますけども、公の場面の質問に対して、そういうご答弁をされるというのは適切じゃないんじゃないでしょうか。どう思われますか。
外相)交渉に向けての環境をしっかり整えたいというふうに思っております。

事務方)それでは、本日の大臣会見、終了します。どうもありがとうございました。