立民 法務大臣の問責決議案提出 出入国管理法など改正案めぐり

外国人の収容のあり方を見直す出入国管理法などの改正案をめぐり、立憲民主党は、入管行政への齋藤法務大臣の対応が不十分で、6月6日の参議院法務委員会での採決は認められないとして、齋藤大臣に対する問責決議案を参議院に提出しました。

政府が重要法案の1つと位置づける、外国人の収容のあり方を見直す出入国管理法などの改正案をめぐっては、参議院法務委員会の杉委員長が先週、みずからの解任決議案が否決されたことを受けて、6日の委員会での採決を職権で決めました。

これに対し、立憲民主党は、入管行政への齋藤法務大臣の対応が不十分で、6日の採決は認められないとして、齋藤大臣に対する問責決議案を参議院に提出しました。

決議案では、難民認定に関して、一部の担当者が極端に多くの審査を行うなど、入管当局による恣意的(しいてき)な運用の実態が明らかになったとして「立法事実が根底から崩壊しており、齋藤大臣のもとでの法案審議の継続は不可能で一刻も早く職を辞すべきだ」としています。

決議案の提出により、6日に予定されていた改正案の採決はずれ込むことになり、今月21日の国会の会期末を控え、与野党の攻防が激しくなっています。

立民 泉代表「廃案に追い込んでいきたい」

立憲民主党の泉代表は、党の会合で「国際標準の日本の人権政策を求めてきた政党として、政府の改正案を成立させてはならない。最大限の国会のルールに基づいた戦い方をしているさなかであり、数日間採決までの猶予ができたので、世論の力をさらに盛り上げて廃案に追い込んでいきたい」と述べました。

立民 斎藤参院国対委員長「大臣としての資質がない」

立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長は、記者団に対し「国際的な人権意識の欠如が甚だしい法案を、このまま可決・成立させる勇気も傲慢さも私たちにはない。齋藤法務大臣は国会での答弁や記者会見の発言が二転三転するなど、大臣としての資質がない。毎日のように新たな事案が明らかになっており、廃案に向けて取り組んでいく」と述べました。

齋藤法相「承知しているが 特段コメントはない」

齋藤法務大臣は閣議のあとの記者会見で「問責決議案が出たことは承知しているが、私から特段コメントはない」と述べました。

そのうえで「ただ、入管法改正の必要性はこれまでも申し上げてきているので、ぜひ一刻も早い判断をしてもらい、前へ進めていきたい」と述べました。

自民 梶山幹事長代行「旧態依然とした手法」

自民党の梶山幹事長代行は、記者会見で「齋藤法務大臣は、真摯(しんし)に丁寧な審議を重ねてきた。問責決議案は与党として粛々と否決したい」と述べました。

そのうえで「旧態依然とした手法によって国会の審議を停滞させることは令和の時代にはふさわしくなく、国民の理解も得られないのではないか」と批判しました。

公明 山口代表「やり方に自制求めたい」

公明党の山口代表は、記者団に対し「審議日程を遅らせるだけの抵抗と言わざるを得ず、他の野党がついてきていない抵抗戦術はいかがなものか。立憲民主党のやり方に自制を求めたい。与党としては冷静に問責決議案を処理し、出入国管理法などの改正案の成立を早期に図りたい」と述べました。

国民 玉木代表「国民の理解を得られにくくなっている」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「改正案の成立を少し遅らせる効果をねらっていると思うが、国会の会期末に年中行事のような形でやることは国民の理解を得られにくくなっている気がする。問責に値するかどうかは慎重な吟味が必要で、党の参議院側の意見も踏まえて対応を決めたい」と述べました。

問責決議案 7日の本会議で採決へ 反対多数で否決の見通し

参議院議院運営委員会は、6日開かれた理事会で、立憲民主党が提出した齋藤法務大臣に対する問責決議案を、7日の本会議で採決することで与野党が合意しました。

決議案は、与党側の反対多数で否決される見通しです。

入管法改正案 外国人の支援団体が反対集会 “共生社会実現を”

政府は、難民申請中は強制送還が停止される規定について、申請を繰り返すことで送還を逃れようとするケースがあるとして「3回目の申請以降は原則、適用しない」ことなどを盛り込んだ改正案を再提出し、今の国会での成立を目指していますが、立憲民主党が齋藤法務大臣に対する問責決議案を提出するなど、与野党の攻防が激しくなっています。

こうした中、外国人の支援団体は6月6日午前、参議院の議員会館の前で改正案に反対する集会を開き、主催者の発表で約250人が集まりました。

メンバーらは「刑罰ではなく在留資格を」などと書かれたボードを掲げ「共生社会を実現させるため、断固として反対する」などと訴えました。

集会に参加したイギリス人と日本人の両親を持つという23歳の大学院生は「すでに日本に生まれ、日本で育った外国人の子どもも多くいる。その親が強制送還になったら子どもはどうなるのか。親も子どもを置いて帰れない。こうした声に政府はもっと耳を傾けてほしい」と話していました。