岸田首相 G7前にエジプト大統領と会談 緊密な連携を確認

就任後初めてアフリカを訪れている岸田総理大臣は、最初の訪問先、エジプトでシシ大統領と会談しました。ウクライナ情勢で意見を交わし、法の支配に基づく国際秩序を守ることの重要性で一致したほかスーダン情勢について緊密な連携を確認しました。

来月のG7=主要7か国の広島サミットを前に、岸田総理大臣は、エジプトの首都・カイロの大統領府で、日本時間の30日午後5時すぎから、およそ1時間半、シシ大統領と首脳会談を行いました。

そして、
▼ウクライナ情勢で意見を交わし法の支配に基づく国際秩序を守ることの重要性で一致したほか、
▼武力衝突が続く隣国のスーダン情勢をめぐって情報を共有し、緊密に連携していくことを確認しました。

また、
▼小麦の価格高騰など、エジプトが直面する食料問題や
▼経済成長著しいエジプトへの日本からの投資拡大についても意見を交わしました。

さらに、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致しました。

共同記者発表で岸田総理大臣は、「シシ大統領とともに、国際社会の平和と安定、それに繁栄に向け貢献していく」と述べました。

岸田首相 日本の支援で建設進む「大エジプト博物館」を視察

エジプトを訪問中の岸田総理大臣は、日本の支援で建設が進む「大エジプト博物館」を視察し、両国間で文化やインフラ整備、経済など、さまざまな分野で協力関係を構築していく考えを強調しました。

就任後、初めてアフリカを訪れている岸田総理大臣は、最初の訪問先、エジプトでシシ大統領と会談したあと、ピラミッドがある首都カイロ近郊のギザ地区で、日本の支援で建設が進む「大エジプト博物館」をマドブーリ首相とともに視察しました。

この博物館では、ツタンカーメンの「黄金のマスク」やひつぎなどが展示される計画で、岸田総理大臣は、開館に向けた作業の進捗(しんちょく)や日本が技術支援した文化財の復元状況などを確認しました。

視察を終えた岸田総理大臣は、記者団に対し「わが国は、エジプトと文化、インフラ、経済など、さまざまな分野で、官民双方で引き続き良好な協力関係を築いていきたい」と述べました。

エジプト政府によりますと、この博物館は近く開館する予定だということで開館に合わせた式典に岸田総理大臣を招待したということです。