衆参5補選 自民が4議席 維新が衆院和歌山1区で議席

23日に投票が行われた衆参5つの補欠選挙は、自民党が1議席上積みして4議席を獲得しました。また日本維新の会が衆議院和歌山1区で議席を獲得した一方、立憲民主党は議席を獲得できませんでした。

衆参5つの補欠選挙は23日、統一地方選挙の後半戦とともに投票が行われました。

衆議院 千葉5区


衆議院千葉5区は、自民党・新人の英利アルフィヤ氏(34)が立憲民主党・新人の矢崎堅太郎氏(55)らをおさえて議席を獲得しました。

衆議院千葉5区の補欠選挙の開票結果です。

▽英利アルフィヤ、自民・新、当選、5万578票。
▽矢崎堅太郎、立民、新、4万5635票。
▽岡野純子、国民・新、2万4842票。
▽岸野智康、維新、新、2万2952票。
▽斉藤和子、共産、元、1万2360票。
▽星健太郎、無所属、新、6561票。
▽織田三江、政治家女子・新、2463票。

英利氏は、北九州市出身の34歳。両親は中国の新疆ウイグル自治区出身で10歳の時に両親とともに日本国籍を取得し、日本銀行や国連本部の事務局に勤めてきました。

千葉5区の補欠選挙は、自民党の衆議院議員だった薗浦健太郎氏が「政治とカネ」をめぐる問題で辞職したことに伴うもので、与野党の各党が候補者を擁立しました。

選挙戦で英利氏は、岸田政権が打ち出している物価高への対応や、国際情勢が不安定となる中で安全保障政策を継続すること、それに多様性に寄り添って一人ひとりが活躍できる社会づくりなどを訴えました。

そして自民党と推薦を受けた公明党の支持層を固めたほか、支持政党を持たない無党派層からも一定の支持を集め初めての当選を果たしました。英利アルフィヤ氏は「クリーンな政治を進める、信頼できる政治を進める。若い世代に年齢が近い議員として、今まで代表されてこなかった世代も代表する、そして子どもたちや学生にもわれわれの代表は英利アルフィヤなんだと思ってもらえるような活動をしていきたいと」と述べました。

千葉県選挙管理委員会によりますと衆議院千葉5区の補欠選挙の投票率は38.25%でおととしの衆議院選挙の投票率を15.82ポイント下回りました。

衆議院 山口2区


衆議院山口2区は、自民党・新人の岸信千世氏(31)が初めての当選を果たしました。

衆議院山口2区の補欠選挙の開票結果です。

▽岸信千世、自民、新、当選、6万1369票。
▽平岡秀夫、無所属、元、5万5601票。

自民党の新人で公明党が推薦した岸信千世氏が初めての当選を果たしました。

岸氏は東京 港区出身の31歳。大学を卒業後、民放の記者を経て衆議院議員だった父親の秘書を2年余り務めました。

選挙戦で岸氏は安全保障の強化や人口減少対策の必要性などを訴えました。そして自民党や推薦を受けた公明党の支持層を固めたほか支持政党を持たない無党派層からも一定の支持を集め、初めての当選を果たしました。

2区の確定投票率は42.41%で前回・2年前の衆議院選挙を9.20ポイント下回り、過去最低となりました。

岸信千世氏は「皆様のおかげで素晴らしい結果になった。選挙戦を通じて国や山口県が抱える課題というものを改めて深く再認識した。真摯に結果を受け止めて全力で国と県の課題に取り組んでいきたい」と述べました。

衆議院 山口4区


衆議院山口4区は自民党の新人、吉田真次氏(38)が初めての当選を果たしました。

衆議院山口4区の補欠選挙の開票結果です。

▽吉田真次、自民、新、当選、5万1961票。
▽有田芳生、立民、新、2万5595票。
▽大野頼子、無所属、新、2381票。
▽渡部亜衣、政治家女子、新、1186票。
▽竹本秀之、無所属、新、734票。

自民党の新人で公明党が推薦した吉田真次氏が初めての当選を果たしました。

吉田氏は山口県下関市出身の38歳。大学を卒業後大阪府議会議員の秘書を経て、平成23年から下関市議会議員を務め、市議会の副議長などを歴任しました。

選挙戦で、吉田氏は安倍元総理大臣の後継として憲法改正の必要性や伝統と文化を尊重する教育の推進、それに地方創生などを訴えました。

そして、自民党や推薦を受けた公明党などの支持層を固めたほか支持政党を持たない無党派層からも一定の支持を集め、初めての当選を果たしました。

4区の確定投票率は34.71%で前回・2年前の衆議院選挙を13.93ポイント下回り、過去最低となりました。

吉田真次氏は「このたびの選挙は志半ばで命を奪われてしまった安倍元総理大臣の無念や魂をみんなで引き継いで、実現しようと戦ってきた。その思いは決して変わることはない」と述べました。

衆議院 和歌山1区


一方、衆議院和歌山1区は、日本維新の会・新人の林佑美氏(41)が自民党の元衆議院議員らをおさえ、日本維新の会としては、和歌山の小選挙区で初めてとなる議席を獲得しました。

衆議院和歌山1区の補欠選挙の開票結果です。

▽林佑美、維新・新、当選、6万1720票。
▽門博文、自民・元、5万5657票。
▽国重秀明、共産・新、1万1178票。
▽山本貴平、政治家女子・新、1476票。
▽日本維新の会の新人、林佑美氏が自民党の元議員らを抑え、初めての当選を果たしました。

林氏は、京都府出身の41歳。人材育成会社の役員を務めており、去年8月の和歌山市議会議員の補欠選挙で初当選しました。

今回の選挙で、林氏は、しがらみのない政治の実現や、子育て支援の充実、それに、大胆な減税などによる物価高騰対策の実施などを訴えました。

そして、日本維新の会の支持層を固めるとともに、いわゆる無党派層からも幅広く支持を集めました。

林氏は「保守王国の和歌山で維新が議席をとったということは、古い政治を変えてほしいという有権者の強い思いの結果だ。どんな家庭に生まれても教育を受けられる社会をつくっていきたい」と述べました。

和歌山県選挙管理委員会によりますと、衆議院和歌山1区の補欠選挙の確定投票率は、44.11%でした。

参議院 大分選挙区


参議院大分選挙区は、自民党・新人の白坂亜紀氏(56)が立憲民主党の前議員に300票余りの差で競り勝ちました。

参議院大分選挙区の補欠選挙の開票結果です。

▽白坂亜紀、自民・新、当選、19万6122票。
▽吉田忠智、立民・前、19万5781票。

参議院大分選挙区の補欠選挙は、前の議員が知事選挙に立候補するため辞職したことに伴って行われ、与野党が全面的に対決する構図となりましたが、自民党の新人で公明党が推薦した白坂氏が、立憲民主党の前議員で共産党と社民党が支持した吉田氏を抑えて初めての当選を果たしました。

白坂氏は大分県竹田市出身の56歳。東京で飲食店を経営していて、今回、自民党大分県連の公募に応じて初めて立候補しました。

選挙戦で白坂氏は、働きながら子育てしたみずからの経験をもとに、女性が働きやすい環境づくりや子育て支援の充実などを訴えました。

その結果、自民党や公明党の支持層を固めたほか、無党派層からも一定の支持を得て、4年前の参議院選挙で野党統一候補に奪われた議席を取り戻しました。

白坂亜紀氏は「女性や経営者の視点で少子化や子育ての問題について大分の人たちの意見を伝えていきたい。皆さんの気持ちをすべて受け止めてしっかり形にしていけるよう全身全霊で頑張りたい」と述べました。

大分県選挙管理委員会によりますと、参議院大分選挙区の補欠選挙の投票率は42.48%で、去年の参議院選挙に比べて10.50ポイント下回りました。大分県の参議院選挙の投票率が50%を下回るのは今回が初めてで、過去最低となります。