“児童手当 高校卒業まで延長”“保育所の利用要件緩和”政府案

少子化対策の強化に向けた政府のたたき台の案が明らかになりました。児童手当の所得制限の撤廃や高校卒業までの延長のほか、親が働いていなくても保育所を利用できる制度の創設などが盛り込まれています。

たたき台の案では、2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかのラストチャンスだとして、今後3年間で、取り組みを加速するとしています。

具体的には▽児童手当について所得制限を撤廃するとともに、今は中学卒業までとなっている支給対象年齢を高校卒業まで延長するほか、多子世帯への支給額を見直すとしています。

また、▽保育所の利用要件を緩和し、親が就労していなくても子どもを預けられる「こども誰でも通園制度」の創設を検討するとしています。

さらに▽保育の質を向上させるため、積み残しの課題となっていた1歳児と4・5歳児の保育士の配置基準を見直し、▽1歳児については今の「子ども6人に保育士1人」から「5人に1人」に、▽4・5歳児については「30人に1人」を「25人に1人」に改善するとしています。

そして、▽大学や大学院など高等教育にかかる経済負担の軽減のため、在学中は授業料を支払わず、卒業後の所得に応じて納付していく制度を令和6年度から修士課程の学生を対象に先行導入し、拡充を図るとしています。

このほか、▽子育て世帯の住まいの支援として、公営住宅などへの優先入居や住宅ローン金利の引き下げなどの取り組みも進める方針です。

また、公立小中学校の給食費の無償化や出産費用への公的保険の適用なども盛り込むべきだという声が与党内にあり、調整が続けられています。

政府は3月31日にもたたき台を公表することにしていて、さらに財源も含めて詳細な検討を続け、6月の「骨太の方針」の策定までに将来的な「子ども予算倍増」への大枠を示す方針です。