自民党大会 首相“先送りできない課題に挑戦 統一地方選挙へ結束を”

自民党の党大会が開かれ、岸田総理大臣は経済再生や外交・安全保障、こども・子育て政策など、先送りできない課題に正面から挑戦すると強調したうえで、4月の統一地方選挙などの勝利に向け結束を呼びかけました。

自民党の党大会は26日午前、東京都内のホテルで開かれました。

演説で岸田総理大臣は、「去年7月、安倍元総裁が選挙期間中に銃撃され亡くなるという未曽有の事件が起こった。この10年、安倍氏の強力なリーダーシップの下、日本の未来を切り開くために死力を尽くしてきた。次の10年をつくるため、更なる挑戦を続けていこう」と呼びかけました。

そのうえで、「新型コロナ後の日本経済再生、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立、変化する国際秩序の中での外交・安全保障、そして、こども・子育て政策。いずれも先送りできない課題ばかりだ。正面から挑戦し、愚直に一つ一つ答えを出すことで、国民の負託に応えていかなければならない」と述べました。

そして、ことし日本が議長国を務めるG7について、「広島サミットを成功させ、その成果を、9月のG20、年末の日本・ASEAN特別首脳会談につなげ、アジアから、世界の平和と繁栄の新しい秩序を主導していく」と述べました。

また物価高対策をめぐり、「エネルギー・食料品価格を抑え込んでいくとの国民との約束をしっかり守っていく。政労使が共通の認識をもって賃上げを実現していく」と述べました。

さらに憲法改正をめぐり、「時代は早期改正を求めている。国会の場における議論をいっそう積極的に行っていく」と述べました。

そして、各党が、去年1月の政府の有識者会議の報告書をもとに議論を進めている安定的な皇位継承の在り方をめぐり、「先送りの許されない課題であり、国会での検討を進めていく」と述べました。

一方、4月の統一地方選挙について、「地域が元気になって初めて日本が元気になる。そして、衆議院補欠選挙が予定され、参議院補欠選挙の可能性も出てきた。今後の国政にも影響を与えるかもしれない大変重要な選挙であり、自民党の議席を守り抜いていこう」と、結束を呼びかけました。

来賓として出席した公明党の山口代表は、「ともに力を合わせながら統一地方選挙で足元の基盤を勝利で固め、その後のさまざまな課題に力強くともに進んでいこう」と述べました。

そして、党大会では、総合的な少子化対策を抜本的に強化することや、憲法改正に向けた運動を加速することなどを盛り込んだことしの運動方針を決定しました。

自民 茂木幹事長「統一地方選挙で必勝を期したい」

自民党の茂木幹事長は記者団に対し、「自民党の強さは地方組織の強さであり、その基盤を維持、強化していくためにも統一地方選挙で必勝を期したい。衆議院の補欠選挙は政権の真価が問われるという思いで取り組んでいきたい」と述べました。

自民 石破元幹事長「党は常に目配りを」

自民党の石破元幹事長は記者団に対し、「岸田総理大臣は、これまでの総裁が築いてきたことのうえに前進させようということなので、党としては、後退した部分がないか、取り残されている人はいないか常に目配りをしないといけない」と述べました。