国民玉木代表 新年度予算案に反対表明 立民は歓迎

新年度・令和5年度予算案について、国民民主党の玉木代表は、賃上げの実現などに向けた内容が不十分だとして、反対する方針を表明しました。国民民主党は去年、令和4年度予算案に野党として賛成する異例の対応をとっていました。

衆議院で審議が行われている新年度・令和5年度予算案について、国民民主党は24日朝、会合を開き対応を協議しました。

会合のあと、玉木代表は記者団に対し「給料が上がる経済の実現を最優先課題として掲げてきたが、中小企業の賃上げに資する予算だという確信が得られなかった」などと述べ、新年度予算案に反対する方針を表明しました。

国民民主党は去年、令和4年度の当初予算案に野党として賛成する異例の対応をとり、自民・公明両党と原油価格の高騰対策などを検討する実務者協議を行っていて、ことしも賃上げや子育て支援をめぐって両党と協議を始めていました。

玉木代表は「政策本位で与野党を超えて連携・協力していくのがわれわれの立ち位置だ。国民にとってよい政策であれば賛成するし、不十分であれば反対し、修正を求めていくという方針は貫いていきたい」と述べました。

立民 泉代表“国民民主党の予算案反対 多くの地方組織に好感”

立憲民主党の泉代表は、ともに連合から支援を受ける国民民主党が予算案への反対を決めたことについて、多くの地方組織に好感を持たれているのではないかと述べ、統一地方選挙での連携に期待を示しました。

去年、政府の予算に賛成した国民民主党は24日、新年度予算案には反対する方針を決めました。

これについて立憲民主党の泉代表は、25日、訪問先の甲府市で記者団に対し「賃上げと防衛費という面で賛成できる予算案ではないというのは当然で、判断基準は一致している。『統一地方選挙で一緒に戦いたい』という声が出ており、多くの地方組織に好感を持って受け止められているのではないか」と述べました。

さらに、岡田幹事長の「働く人々を代表する政党は1つで十分だ」という発言に国民民主党側が「私たちの党が要らないとも受け取れる」などと不快感を示していることについては、「不快に受け取られたのであればおわびしたいが、あくまで一緒の仲間でありたいという思いも込めての発言だ」と述べました。

一方、政府が安全確保の観点なども踏まえ検討を続けている岸田総理大臣のウクライナ訪問について「国会の了承を得て堂々と行くのも一つの姿ではないか。本来は国会閉会中に行くべきだったが、国会のタイミングやウクライナの状況など、本当に必要性があるか精査されるべきで、どれだけ真摯に説明するかが問われる」と述べ、慣例どおり事前に国会に報告すべきだという認識を示しました。

立民 岡田幹事長 “統一地方選などで国民民主党と協力目指す”

立憲民主党の岡田幹事長は、国民民主党が、去年とは異なり、政府の新年度予算案に反対する方針を決めたことを歓迎した上で、4月の統一地方選挙や衆議院の補欠選挙などで国民民主党との協力を目指す考えを示しました。

立憲民主党の岡田幹事長は、26日、訪問先の広島市で記者団に対し、「立憲民主党と国民民主党は、多くの議員がもともと同じ党で、共通する部分も多い。国民民主党が新年度予算案に反対する方針を決め、非常にうれしく思っている」と述べました。

そのうえで「4月の統一地方選挙や衆議院の補欠選挙などで協力できることは多いはずだ。候補者の調整が簡単にできるとは思わないが、目的は勝利であり、努力していきたい」と述べ、国民民主党との選挙協力を目指す考えを示しました。

立民 安住国対委員長“国民民主と連携 自民に対抗する勢力を“

去年、政府の予算案に賛成した国民民主党が、今回は新年度予算案に反対する方針を決めたことについて、立憲民主党の安住国会対策委員長は「一歩前進だ」と述べたうえで、連携を進めて自民党に対抗できる勢力を作りたいという考えを示しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は、岡山県倉敷市で講演し、「国民民主党が新年度予算案に反対を決めたことは一歩前進だ。国会では日本維新の会と共闘しているが、この輪に国民民主党も入って3党が組めば、自民党は話を聞かざるをえない」と述べました。

そのうえで、「自民党に対抗して国民に選んでもらえる勢力になれるのは、連合が応援する立憲民主党や国民民主党を母体とする政治勢力しかないという自覚を持って共闘していかなければならない」と述べ、国民民主党との連携を進めて自民党に対抗できる勢力を作りたいという考えを示しました。

一方、政府が検討を続けている岸田総理大臣のウクライナ訪問について「G7=主要7か国のメンバーで、まだ訪問していないのは日本だけだ。日本の国益につながって、状態の好転につながるのであれば、後押ししたい」と述べました。