連合 芳野会長 賃上げ実現へ「政労使会議」の開催 首相に要望

連合の芳野会長は岸田総理大臣と会談し、春闘で賃上げを実現するため、政府と経済界、労働界による「政労使会議」の開催を求めました。

連合の芳野会長は総理大臣官邸で岸田総理大臣と会談しました。

この中では、春闘で連合が求めている「ベースアップ」と定期昇給、合わせて5%程度という平成7年以来の水準となる賃上げを実現するため、政府や経営側の協力が必要だとして「政労使会議」の開催を求めました。

芳野会長は記者団に対し「非正規雇用労働者と中小企業がどれだけ賃上げできるかが非常に重要で、中小企業の交渉が始まるタイミングで起爆剤的な形で会議を持てないか提案した。岸田総理大臣から具体的な時期の言及はなかったが『重要なことだ。前向きに検討する』という話をいただいた」と述べました。

また、総理大臣と連合会長が会談する「政労会見」の開催も要望し、前向きな回答があったということです。

「政労使会議」は政府と経済界、労働界の代表による会議で、内閣府によりますと、平成27年4月以降は開催されていません。

“政労使会議” 経団連会長「喜んで出席」

連合の芳野会長が岸田総理大臣との会談で、春闘で賃上げを実現するため、政府と経済界、労働界による「政労使会議」の開催を求めたことについて、経団連の十倉会長は「そういう場が開かれるのであれば、喜んで出席する」と述べ、前向きに検討する考えを示しました。

連合の芳野会長は6日に岸田総理大臣と会談し、春闘で連合が求めている高い水準の賃上げを実現するためには、政府や経営側の協力が必要だとして「政労使会議」の開催を求めました。

これについて経団連の十倉会長は、6日の記者会見で「やりとりは承知していないが、そういう場が開かれるのであれば喜んで出席する」と述べました。

そのうえで「賃上げと同時に、働き方改革や全世代型の社会保障がなければ消費や需要が増えず、持続的な形にはならない。賃上げが消費に回るための対策を政府に訴えていきたい」と述べ、政府に対し、賃上げ分が持続的に消費に回るような取り組みを求めていく考えを示しました。

松野官房長官「検討していきたい」

松野官房長官は記者会見で「賃上げを進めるにあたり、労働界とコミュニケーションをとりながら進めていくことは大切だと考えている。今後のことは、きょう、いただいた話も踏まえながら検討していきたい」と述べました。

連合 春闘本格化前に決起集会 “5%の賃上げ 全力で取り組む”

ことしの春闘の交渉が本格化するのを前に労働団体の「連合」が都内で決起集会を開き、経済の好循環を実現するため、5%の賃上げに全力で取り組む姿勢を改めて確認しました。

6日夜開かれた連合の集会には、オンラインも合わせて1400人余りが参加しました。

はじめに芳野会長が「急激な物価上昇で働く人の暮らしは苦しい。一層の賃上げの広がりと高さを実現する」と述べ、方針として掲げる5%の賃上げを目指す考えを強調しました。

続いて、参加者が春闘に向けた決意表明を行いました。

このうち、産業機器の製造などを行う会社の男性は「8時間労働ではゆとりや豊かさのある生活ができないのが実態です。物価上昇は3%どころではないというのが肌感覚で、生活防衛のための賃上げの期待は高まっています」と訴えていました。

集会では、ことしの春闘は日本の未来を左右する分岐点だとして、働く人の所得増加を図り、経済の好循環を実現するため、賃上げに全力で取り組むとした宣言が採択されました。

春闘は、今月、自動車や電機メーカーなどの労働組合が要求書を提出して交渉が本格化しますが、中小企業を含めて賃上げの動きが広がるのかや賃上げ率を伸ばすことができるのかが焦点となります。