鹿児島 馬毛島 自衛隊基地の建設工事に着手 防衛省

鹿児島県の馬毛島に在日アメリカ軍の訓練などに使う自衛隊基地を建設する計画について、防衛省は12日午後、基地の工事に着手しました。

鹿児島県西之表市の馬毛島では、在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先などとして、自衛隊基地の建設が計画されています。

防衛省は、工事の前提となる周辺環境への影響をまとめた「環境影響評価書」を12日に公告し、午後1時に基地の工事に着手しました。

これに先立って、午前9時半ごろには防衛省の職員や建設作業員およそ40人が、10キロほど離れた隣の種子島から船で馬毛島に渡り、上陸する様子が確認されました。

防衛省の計画では、滑走路や格納庫のほか、自衛隊の艦船が停泊できる係留施設などが整備される予定です。

防衛省によりますと、工期はおおむね4年と見込んでいますが、早期の運用開始を目指し、滑走路などについては、ほかの施設に先行して着工から2年ほどで完成させるとしています。

地元、西之表市では、計画の受け入れに伴って国から支給される再編交付金を活用した地域の活性化に期待する声がある一方で、騒音被害や安全性などへの懸念が根強く、計画をめぐる住民の意見は分かれたままです。

松野官房長官「地元への説明に努め施設整備を着実に進めていく」

松野官房長官は、午前の記者会見で「政府としては、南西防衛や大規模災害時の活動拠点となる自衛隊施設を整備する方針だ。この施設は、アメリカ軍の空母がアジア太平洋地域で恒常的に活動するうえで不可欠な艦載機の着陸訓練を実施するためのものでもある」と述べました。

そのうえで「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえ、施設を早期に整備し、運用開始することとしている。引き続き地元への丁寧な説明に努めつつ施設整備を着実に進めていく」と述べました。