「依然として長時間労働の教員」月45時間超残業の教職員

教職員の働き方についての調査で、国が定めた上限の月45時間を超えて残業をしていた教職員の割合が、中学校の5割、小学校と高校の3割余りに上ったことが分かりました。
調査した文部科学省は「一部改善はみられるものの、依然として長時間労働の教員がいる。改善に向けた取り組みを加速させたい」としています。

文部科学省は、全国1794の都道府県や市区町村の教育委員会などを対象に、教職員の働き方改革の状況を調査しました。

ことし4月から7月の残業時間の平均を調べたところ、国が上限としている月45時間を超えた教職員の割合は、高い順に
▽中学校で53.7%、
▽小学校で36.9%、
▽高校で36.6%となり、
いずれも前の年とほぼ変わらない結果となりました。

中学校での残業時間を詳しく見ると、
▽45時間を超えて80時間以下が40%、
▽80時間を超えて100時間以下が8.9%、
▽100時間を超えたのが4.8%でした。

一方、業務の効率化についても調べたところ、欠席連絡など学校と保護者の間での連絡手段のデジタル化を「実施した」という市区町村は、昨年度は56.3%でしたが、今回は80.5%に大幅に増えていました。

具体的な取り組みについても調べ、小学校で教科担任制を導入し、1人が受け持つ教科を減らすことで授業の準備にかける時間を短くした例などがあったということです。

文部科学省は「一部改善はみられるものの、依然として長時間労働の教員がいることは事実だ。改善に向けた取り組みを加速させたい」としています。

永岡文科相「先頭に立って取り組む」

永岡文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「働き方改革の取り組みは着実に前進しているが、引き続き加速していく必要がある。国、学校、教育委員会が連携して、教師が教師でなければできないことに全力投球できるような環境を整備するため、文部科学省が先頭に立って取り組んでいきたい」と述べました。