旧統一教会被害者救済法案 6日に審議入りも 野党側は修正要求

旧統一教会の被害者を救済するための新たな法案は、来週6日に衆議院本会議で審議入りすることが決まりました。一方、与党側が今月10日までの会期内の成立に向けて協力を求めたのに対し、野党側は法案の修正が必要だと主張し、引き続き協議することになりました。

政府が1日、旧統一教会の被害者救済に向けて悪質な寄付を規制する新たな法案を国会に提出したことを受けて、2日午前、衆議院議院運営委員会の理事会で与野党が審議日程を協議しました。

その結果、来週6日に衆議院本会議を開き、岸田総理大臣も出席して法案の趣旨説明と質疑を行うことで合意しました。

一方、これに先立って、与野党6党の国会対策委員長が会談し、自民党の高木国会対策委員長は「重要な法案であり、事前に実務者協議などを行って野党の意見も可能なかぎり反映させているので、来週10日までの国会の会期内の成立に向けて協力をお願いしたい」と述べました。

これに対し、立憲民主党の安住国会対策委員長は「今の法案では被害者や弁護団にとって使いものにならない。肝心な部分で歩み寄れないのであれば、国会で相当の時間をかけて審議を行い、合意を得ていくことが必要だ」と述べ、法案の修正が必要だとして対応を求めました。

与党側は持ち帰って検討する考えを伝え、引き続き協議することになりました。

自民 高木国対委員長「野党側の要望 努力させてもらう」

自民党の高木国会対策委員長は、記者団に対し「野党の意見を可能なかぎり反映させた法案なので、速やかに成立させていただきたい。野党側から、合意できていない部分について与党として努力してほしいという話があり、努力させてもらうということで引き取った。野党側の要望については、しかるべきところと相談し、報告することになる」と述べました。

立民 泉代表「党首会談の申し入れあれば真摯に検討」

立憲民主党の泉代表は、記者会見で「被害者や弁護団が『使える』という法案にはまだなっていない。提出されたから終わりではなく、まだ修正の可能性があり、政治としてもう一段や二段の努力をしなければならない」と述べました。

そのうえで、「最終的に被害者が満足するものに至るのであれば与野党の党首会談も一つの在り方だ。岸田総理大臣自身がこれまで政府・与党で考えてきた中身以上に決断をしたいということであれば、その決断を後押ししたい。党首会談の申し入れがあれば真摯(しんし)に検討したい」と述べました。

一方、法案への賛否について、泉代表は「どの党と共同歩調をとるかどうかで決める話ではない。実効性があり、弁護団が使える法律なのかをよく確認して判断していきたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「被害者救済のため実効性高めること大事」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「再発を防止し、被害を受けていた人を救済するための大きな法案であり、実効性を高めることが大事だ。法律をつくったのに『ザル法』であってはならない」と述べました。

そのうえで「これまでの協議の中でわれわれの意見を多少取り入れたことは評価するが、肝心な部分は骨抜きだ。強行採決できる法案ではないので、岸田総理大臣がどう判断するかだ。窮屈な日程の中で法案を出してきた与党側が知恵を絞って提案してくるべきだ」と述べました。

公明 石井幹事長「部分的な修正はありうる」

公明党の石井幹事長は、記者会見で「来週の審議では、国民の理解を得られるようなわかりやすい答弁を政府に求めたい。野党の意見もできるだけ取り入れた法案となっているので、野党にも協力をいただき、今国会での早期成立を期したい」と述べました。

そのうえで、野党側が法案の修正を求めていることについて、「法案の骨格に関わることは、憲法との整合性などさまざまな観点から議論してきたので、修正は難しい。ただ、骨格に関わらない部分での部分的な修正はありうるかもしれない」と述べました。