岸田首相 「国葬」や旧統一教会めぐり 公明党 山口代表に陳謝

安倍元総理大臣の「国葬」や旧統一教会と自民党の関係をめぐり、岸田総理大臣は公明党の山口代表に「心配をおかけしている」と陳謝しました。

岸田総理大臣と公明党の山口代表は、9月2日、総理大臣官邸で昼食をとりながら、およそ1時間会談しました。

この中で、岸田総理大臣は、安倍元総理大臣の「国葬」や旧統一教会と自民党の関係をめぐり「心配をおかけしている」と陳謝しました。

そのうえで、「国葬」については、国会で実施の意義などを丁寧に説明し、旧統一教会については、自民党との関係と霊感商法などによる被害者の救済に問題を分けて対応していく考えを伝えました。

また、物価高騰への来月以降の対応について、岸田総理大臣は当面、今年度予算の予備費を活用し、この秋の値上げの動向も注視して対策を検討する方針を伝えました。

このあと山口氏は記者団に対し、「旧統一教会については、自民党の取り組みを見守りたい。野党や公明党でも、まったく関係がなかったわけではなく、今後、誤解を招くようなことがないよう対応していきたい」と述べました。

自民 所属国会議員と旧統一教会との関係 公表は週後半以降に

旧統一教会をめぐり、自民党は、所属する国会議員に教会側との関係を報告させ、週前半に結果の概要を公表する方針でしたが、党幹部は、回答にあいまいな記述が多く、確認作業が必要だとして、公表は週後半以降にずれ込むという見通しを示しました。

旧統一教会をめぐり、自民党は、今後、関連団体を含め、教会側と一切関係を持たないとする方針を決定するとともに、所属する国会議員に対し、これまでの協会側との関係を点検し、党本部に報告するよう求めていました。

そして、9月2日までに所属の国会議員379人すべてから、書面で報告を受けました。

党では、結果を取りまとめ、来週前半に概要を公表する方針でしたが、党幹部は2日夜、記者団に対し「回答内容にあいまいなものが多く、再提出をお願いしているものもある。その後の確認作業もあり、取りまとめには来週いっぱいかかると思う」と述べ、公表は来週後半以降にずれ込むという見通しを示しました。

茂木幹事長「関係を一切持たないこと明確に」

自民党の茂木幹事長は3日、宮崎市で行った講演で「教会側と政治家のさまざまな接点が指摘され、国民の疑念が高まっていることを重く受け止め、反省しなければならない。事実関係をしっかりと把握して公表し、今後は関係を一切持たないことを明確にすることが重要だ」と強調しました。

また、いわゆる霊感商法などによる被害の防止や救済について「政府を挙げて取り組むことが大切で、消費者庁にとどまらず、省庁横断的な幅広い検討を求めたい」と述べたうえで、党内にも小委員会を設置して検討を進める考えを示しました。

岸田首相 「国葬」“実施の意義など閉会中審査で丁寧に説明”

安倍元総理大臣の「国葬」をめぐり、岸田総理大臣は4日、国会の閉会中審査で、実施の意義などを丁寧に説明したいという考えを重ねて示しました。また、今週9日に物価高騰への追加対策をまとめる方針を示しました。

岸田総理大臣は訪問先の新潟市で、安倍元総理大臣の「国葬」をめぐって「今週、閉会中審査など国会で議論する場を設けていただくようお願いしている。そうした場を設けていただいたならば、国民に丁寧に説明する努力を続けていかなければならない」と述べました。

また、過去に「桜を見る会」の会場の設営を担当したイベント業者が「国葬」の演出などを落札したことについて「総理大臣経験者の合同葬なども担当していて、日本武道館で事業を担える業者は4社ほどに限られている中で正式な手続きのもとに落札された」と述べました。

さらに、旧統一教会と自民党の関係をめぐっては「社会的に問題の生じている組織との関係を断つことを改めて確認し、取り組みを分かりやすく示すことが重要だ。そういう姿勢で説明責任を果たしていきたい」と述べました。

一方、岸田総理大臣は物価高騰への追加対策を9日にまとめる方針を示しました。

そして「配合飼料の価格は現在と同程度の水準に据え置くよう支援を拡充したい。燃料油の負担軽減、電力・ガスなどの安定価格対策も具体化するなど、切れ目なく対策を講じていきたい」と述べました。