自衛隊納入前の哨戒機 滑走路逸脱トラブル 原因は異物混入か

去年、岐阜県の航空自衛隊の基地で自衛隊に納入される前の哨戒機が滑走路を逸脱したトラブルで、国の運輸安全委員会は、油圧システムに混入した異物が方向を切り替える部品を固定し、進行方向を制御できなかったことが原因と推定されるとする報告書をまとめました。

去年9月、岐阜県各務原市の航空自衛隊岐阜基地で、川崎重工業が製造し海上自衛隊に納入される予定の「P1哨戒機」が、着陸直後に滑走路を大きく逸脱しました。

当時、海上自衛隊のパイロットが操縦し点検のための飛行が行われていて、乗っていた隊員や防衛省の職員合わせて10人にけがはありませんでした。

運輸安全委員会がまとめた報告書によりますと、哨戒機の脚を動かす油圧システムに異物の混入が確認されたほか、方向を切り替える部品に複数の傷が見つかったということです。

異物がこの部品と別の部品との間に入り込んで固定され、進行方向を制御できなかったことが原因と推定されるということです。

異物には本来使用されていない材質が含まれていたことから、機体を組み立てる工程で混入した可能性が高いとしています。

運輸安全委員会によりますと、川崎重工業は部品の製造者に対して、洗浄作業を作業指示書に明記するよう要請するなどの再発防止策をとったいうことです。