サル痘 医療従事者など対象にワクチン接種を検討 厚労省

欧米を中心に感染が拡大している「サル痘」が国内で確認された場合に備え、厚生労働省は患者に接触するリスクの高い医療従事者や保健所の職員などを対象に、ワクチンを接種する検討を始めました。

「サル痘」は欧米などで報告が相次ぎ、アメリカCDC=疾病対策センターのまとめでは、「サル痘」が定着していない49の国と地域で今月28日までに4769人の患者が確認されています。

国内で患者が確認された場合に備え、厚生労働省は29日、感染症の専門家でつくる部会で新たに検討している対策を明らかにしました。

このうちワクチンについては、サル痘と症状が似た天然痘のワクチンを患者に接触した家族などに接種できることになっていますが、今後、患者の入院を担当する医師や看護師などの医療従事者や患者を搬送する保健所の職員、検査を行う地方衛生研究所の担当者などには、事前に接種することを検討するとしています。

また治療薬については、研究目的で天然痘の飲み薬を投与する仕組みを、東京の国立国際医療研究センター病院に加えて、関東以外の大都市圏の医療機関にも導入することを検討するということです。

委員からは、「ワクチンを接種する前に安全性についてきちんと情報を提供すべきだ」といった意見が出ていました。

厚生労働省は、ほかにもサル痘の患者が見つかった場合に備えて、受け入れ先となる医療機関の確保や検査体制の拡大などを進めています。