福島 葛尾村の帰還困難区域 一部で避難指示解除を正式決定

政府は、原発事故のあと原則として立ち入りが禁止されている福島県葛尾村の帰還困難区域について、今月12日に一部で避難指示を解除することを正式に決めました。
帰還困難区域で住民が帰還できるようになるのは初めてです。

政府は3日、総理大臣官邸で岸田総理大臣と閣僚らが出席して、原子力災害対策本部と復興推進会議の合同会議を開きました。

そして、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で避難指示が出され、原則として立ち入りが禁止されている福島県葛尾村の帰還困難区域について、今月12日に一部で避難指示を解除することを正式に決めました。

帰還困難区域で住民が帰還できるようになるのは初めてです。

今回避難指示が解除される地域は、葛尾村の帰還困難区域全体のおよそ6%にあたり、政府が住民が生活できる「特定復興再生拠点区域」に認定し除染などを行ってきました。

岸田総理大臣は「多くの方々がいまだ避難先での生活を強いられている中、残された帰還困難区域の避難指示の解除は、福島の本格的な復興・再生を実現するための重要な課題だ。引き続き大熊町や双葉町などの『特定復興再生拠点区域』の避難指示の解除に向けた手続きを進め、福島の復興をさらに加速させていく」と述べました。

そのうえで関係閣僚に対し、葛尾村以外の「拠点区域」でも避難指示を解除できるよう除染やインフラ整備などに全力であたるほか、それ以外の地域についても帰還の意向のある人が全員帰還できるよう丁寧に意向の確認などを進めるよう指示しました。

西銘復興相「非常に重要な一歩」

西銘復興大臣は閣議のあとの記者会見で「今回の避難指示の解除は非常に重要な一歩だ。今後もほかの『特定復興再生拠点区域』の避難指示解除に向けて支援していく。拠点区域外については住民の方々に帰還希望があるか、アンケートをとっていくことになるが、1回聞いただけでは答えが出ることはないと思うので、複数回、意向を確認しないといけない」と述べました。