自民政策理解示す団体と関係強化 連合傘下組合念頭 茂木幹事長

夏の参議院選挙に向けて、自民党の茂木幹事長は、連合傘下の民間の労働組合を念頭に、自民党の政策に理解を示している団体との関係を強化したいという考えを示しました。

自民党は、ことし3月の党大会で「連合など労働組合との政策懇談を積極的に進める」と明記した運動方針を決定し、夏の参議院選挙もにらんで労働組合との関係構築を目指しています。

こうした中、10日開かれた自民党の役員連絡会では、遠藤選挙対策委員長が各地の選挙情勢について触れ「地域によっては一部の労働組合が自民党に非常に好意的だ。積極的に働きかけをして支持を得る取り組みが必要だ」と指摘しました。

このあと、茂木幹事長は記者会見で「私も遠藤氏と同じように感じる部分がある。自民党の政策や政権運営に好意的な団体や個人から支持をいただく努力をするのは当然のことだ」と述べ、連合傘下の民間の労働組合を念頭に、さらに関係を強化したいという考えを示しました。

先月、連合 芳野会長 自民党会合に異例の出席

連合の芳野会長は先月18日午後、自民党本部で開かれた人生100年時代の社会の在り方を検討する戦略本部の会合に出席しました。

冒頭、戦略本部の本部長を務める上川前法務大臣は「人生100年時代を見据えると働く女性や非正規労働者の問題は必ず解決が必要になる。連合のビジョンの中には自民党と共通するところがある」と述べました。

続いて、芳野会長が今年度の連合の活動方針などをもとに、多様性を認め合う社会を目指すべきだとして、男女の賃金格差の是正や育児や介護と両立できる働き方の実現が必要だと訴えました。

立憲民主党や国民民主党を支援する連合の会長が自民党の会合に出席するのは異例で、18日は自民党側が呼びかけたということです。

連合との関係をめぐって自民党は、先月決定した運動方針に「連合など労働組合との政策懇談を積極的に進める」と明記していて、夏の参議院選挙を前に野党側に揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。