“北朝鮮 5月中にも核実験を行う準備が整う可能性”

アメリカ国務省は、北朝鮮が4年前に閉鎖したとしていた北東部プンゲリの核実験場で、5月中にも、核実験を行う準備が整う可能性があるという見方を示しました。

アメリカ国務省のポーター副報道官は6日、電話で記者会見を行いました。

この中で、北朝鮮による核実験について「早ければ5月中に、7回目の核実験を行う準備が整うかもしれない」と述べ、北朝鮮が4年前に閉鎖したとしていた北東部プンゲリの核実験場で5月中にも核実験の準備が整う可能性があるという見方を示しました。

そのうえで「アメリカは、この情報を同盟国や友好国と共有し、引き続き緊密に連携していく。バイデン大統領が今月下旬に日本と韓国を訪れる際にも、この連携に基づいて同盟関係を強化し、両国の安全へのアメリカの関与は揺るぎないことを示す」と述べました。

アメリカのシンクタンクCSIS=戦略国際問題研究所のグループは4月25日に撮影されたプンゲリの核実験場の衛星画像から、南側の「3番坑道」の新しい入り口付近で建物が新設されたのが確認されたなどとして、核実験に向けた準備が一段と進んでいると分析しています。

岸防衛相 北朝鮮 核実験 「今月中に準備整う可能性」

岸防衛大臣は、記者団に対し、早ければ5月中にも、北朝鮮が核実験を実施するための準備が整う可能性があると分析していることを明らかにしました。

アメリカ国務省は、北朝鮮が4年前に閉鎖したとしていた北東部プンゲリの核実験場で、今月中にも、核実験を行う準備が整う可能性があるという見方を示しました。

これについて岸防衛大臣は、記者団に対し「防衛省としても、アメリカと同様の認識を有している。早ければ今月中にも、核実験を実施するための準備が整う可能性はあると考えている」と明らかにしました。

その上で「北朝鮮は累次にわたって核の武力の強化に言及するなど、国際社会に背を向けて核開発を継続的に行っていく意図を有していることは明らかで、断じて容認できることではない」と述べ、アメリカと連携して情報収集や警戒監視に全力を挙げる考えを示しました。

米韓会談前に核実験の見方も

韓国の情報機関・国家情報院のトップパク・チウォン院長は7日、通信社、連合ニュースの取材に応じ、各国が警戒を強めている北朝鮮の核実験に関する見解を示しました。

このなかでパク院長は、北朝鮮が核実験を強行する時期について、今月10日のユン・ソギョル次期大統領の就任式と、今月21日に予定されている米韓首脳会談の間に行われる可能性があるという見方を明らかにしました。

その上で核実験に向けた準備とみられる動きが確認されている、北東部プンゲリの実験場にある南側の「3番坑道」について「坑道の規模から、核兵器の小型化・軽量化のための実験しか可能でないところだ」と指摘しています。

そして北朝鮮が核兵器を小型化・軽量化すれば、短距離のミサイルに核弾頭を搭載できるようになるとした上で「韓国と日本にとって脅威になり得る」と述べて、北朝鮮の動向に懸念を示しました。

北朝鮮 弾道ミサイル発射を2回連続で発表せず 極めて異例

北朝鮮の国営メディアは、7日に発射されたSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと推定される短距離弾道ミサイルについて、一夜明けても伝えていません。北朝鮮は、今月4日の弾道ミサイルの発射も明らかにしておらず、2回連続で発表しないのは極めて異例で、その背景をめぐって関係国は慎重に分析しているとみられます。

韓国軍によりますと、北朝鮮は7日、東部のハムギョン(咸鏡)南道シンポ(新浦)沖の日本海で、潜水艦からSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと推定される短距離弾道ミサイル1発を発射しました。

これについて、北朝鮮の国営メディアは、一夜明けても伝えておらず、朝鮮中央テレビは養殖場の取り組みを紹介する番組などを放送しています。

北朝鮮は通常、弾道ミサイルを発射した場合、空中で爆発するなど明確に失敗したケースを除き、国営メディアを通じて翌日までに発表してきました。

前回、今月4日に首都ピョンヤン郊外から弾道ミサイル1発を発射したことについても、北朝鮮は明らかにしておらず、2回連続で発表しないのは極めて異例で、その背景をめぐって関係国は慎重に分析しているとみられます。

一方、4年前に閉鎖したとしていた北東部プンゲリ(豊渓里)の核実験場では、南側の坑道で作業が進められているのが確認されていて、日米両政府は、5月中にも、7回目の核実験を行う準備が整う可能性があると分析しています。

また、韓国の情報機関のトップも、核兵器の小型化・軽量化を目的とした核実験が、10日のユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領の就任式と、今月21日に予定されている米韓首脳会談との間に行われる可能性があるという見方を示していて、関係国は警戒を強めています。

米インド太平洋軍 “日韓の防衛に対する関与は揺るぎない”

北朝鮮がSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルとみられる短距離弾道ミサイルを発射したことについて、アメリカのインド太平洋軍は7日、声明を発表しました。

声明では「われわれは弾道ミサイルの発射について把握しており、同盟国などと緊密に協議している。今回の発射は、アメリカの国民や領土、それに同盟国に対する差し迫った脅威ではないと判断している」としています。

そのうえで、ミサイルの発射は北朝鮮の違法な兵器開発計画が地域を不安定化させることを浮き彫りにするものだと指摘するとともに、日本と韓国の防衛に対するアメリカの関与は揺るぎないと強調しました。