北方領土「ロシアに不法占拠」約20年ぶり明記 外交青書原案に

外務省は、ことしの外交青書の原案をまとめました。
北方領土について「現在ロシアに不法占拠されている」と、およそ20年ぶりに明記し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する厳しい姿勢を鮮明にしています。

外交青書は、昭和32年から毎年発行されている日本外交の方針や国際情勢をまとめた文書で、外務省は、ことしの原案をまとめ、31日自民党の会合で示しました。

それによりますと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、人類が過去1世紀で築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だと非難しています。

そして、日ロ両国の平和条約交渉は「展望を語れる状況にはない」としたうえで、北方領土について「日本固有の領土であるが、現在はロシアに不法占拠されている」と明記しています。

北方領土に関するこうした表現は、両国の平和条約交渉が続けられていた中、外交青書では長く用いられておらず、外務省によりますと「不法占拠」と記述したのは2003年以来、「日本固有の領土」との記述は2011年以来です。

外務省は、与党との調整を経て、4月下旬正式に外交青書としてまとめ、発行する予定です。