自民党大会「政権を
担えるのは自民・公明両党」

自民党の党大会が開かれ、岸田総理大臣は、ウクライナ情勢や新型コロナなど、歴史的な変化や課題に直面する中で、政権を担えるのは自民・公明両党以外にないと強調し、夏の参議院選挙の勝利に向けて結束を呼びかけました。

自民党の党大会は、13日午前、東京都内のホテルで開かれ、新型コロナ対策のため、去年に続いて出席者を絞り込む形で行われました。

演説で、岸田総理大臣は、冒頭、ウクライナ情勢に触れ「この瞬間も、罪のない市民や将来ある子どもたちが尊い命を落としている。今回のロシアの暴挙はヨーロッパのみならずアジアを含む世界の秩序や平和に対する挑戦だ」と改めて強く非難しました。

そして、日本の防衛力や日米同盟のさらなる強化に加え、国連改革の実現に全力をあげる考えを示しました。

また、原油や原材料などの価格高騰については「資源外交を積極的に展開し、エネルギーの種類や調達先などの多様化を進め、危機に強いエネルギー構造を実現させる。食材価格の抑制策を用意するとともに、価格上昇に苦しむ中小企業への支援を行う」と述べました。

さらに経済政策について「アベノミクスにより、もはやデフレではないという状況まで来ることができた。岸田政権ではアベノミクスの成果の上に立って、この流れをさらに確実なものとし、持続可能な日本経済を実現する」と述べ、賃上げや成長分野への投資に力を入れる考えを示しました。

一方、夏の参議院選挙について「ウクライナ情勢や新型コロナなど大きな歴史的な変化に立ち向かっていくための『力』を得る戦いだ。これだけの国家的課題に直面する時、自民・公明の連立与党以外に、この国を任せることはできない。われわれがやるしかない」と強調し、勝利に向けて結束を呼びかけました。

また、公明党との関係については「いかなる事態が起きても国民生活を守り抜いていくためには政治の安定が不可欠だ。参議院選挙も自公の連携のもと勝利し、政治の安定を担っていく」と述べました。

さらに、憲法改正については「自民党が示す4項目の改正案はいずれも今こそ取り組まなければならない課題で、国民としっかり対話し、党是を成し遂げよう」と訴えました。

来賓として出席した公明党の山口代表は、今月10日の岸田総理大臣との党首会談を受けて、参議院選挙で自民党と互いに推薦を出し合う方向で合意したことを踏まえ「両党結束の土俵が整った。具体的な選挙区の状況を確認しながら、互いに結果の伴う歩みをしっかり進めていきたい」と述べました。

そして、党大会では、党幹部の任期制限について、岸田総理大臣が去年の総裁選挙で掲げた「1期1年3期まで」とする党則の改正に加え、憲法改正の実現に向けた取り組みを強化することなどを盛り込んだことしの運動方針を決定しました。

茂木幹事長 「安定政権確立に向け結束確認」

自民党の茂木幹事長は記者団に対し「参議院選挙の必勝と安定政権の確立に向けた総決起大会というべき大会で、結束を確認できた。党則改正も正式に決定され、これを起爆剤として、さらに党改革をしっかり進め、自民党が進化している姿を国民に示していきたい」と述べました。

また公明党との関係について「ウクライナ問題をはじめ国難とも言うべき状況で、政権与党はさらに連携を深めていかなければならない。先週来のさまざまな協議で連携はしっかり確認できている」と述べました。

石破元幹事長 「党内でかったつに議論すべきだ」

自民党の石破元幹事長は記者団に対し「活気に満ちた党大会だった。参議院選挙は思わぬ敗北を喫する選挙区が必ずあるので、それぞれの選挙区の課題を点検し、取りこぼしのないようにしないといけない」と述べました。

また、岸田総理大臣の政権運営について「とり立てて失点がなく、謙虚な姿勢もあり、国民からの反発は少ないのではないか。野党に期待できないところもあり、こういう時期だからこそ、党内でかったつに議論すべきだ」と述べました。