堀内ワクチン相 “接種有無で
差別的取り扱いは不適切“

山梨県が2回目までのワクチン接種を終えていない人に不要不急の外出自粛などを求めたことについて、堀内ワクチン接種担当大臣は25日、コメントは差し控えるとしたうえで、一般論として、接種の有無で差別的な取り扱いを受けることは適切ではないという認識を示しました。

山梨県は、2月13日までを期限として、ワクチンの2回目までの接種を終えていない人に対し、やむをえない事情を除いて不要不急の外出や移動の自粛を要請し、県には「差別につながるのではないか」などといった問い合わせが相次いでいます。

堀内ワクチン接種担当大臣は、閣議のあと国会内で、記者団から山梨県の要請に対する見解を問われ「報道は承知しているが、詳細は存じ上げていないのでコメントは差し控えたい」と述べました。

そのうえで「一般論として、ワクチン接種については国民がみずからの判断で接種してもらうことが大切なことだ。接種を強制することや、接種をしている、していないということによって不当な差別的扱いをされることは適切でない」と指摘しました。

外出など自粛要請 知事「自分を守る行動を取ってという要請」

臨時特別協力要請として、山梨県が新型コロナウイルスのワクチンを2回接種していない人に不要不急の外出や移動の自粛を求めたことに「差別につながるのではないか」などといった意見が多数寄せられていることを受けて、長崎知事は「未接種者の接種しないという選択を否定しているわけではなく、みずからの命を守るべき行動を取って欲しいという要請だ」などと改めて意図を説明しました。

県は23日、来月13日までを期限として、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種していない人に対して通勤、通学、通院などのやむをえない事情を除いて、不要不急の外出や移動の自粛を要請しました。
県によりますと、この要請に対して「未接種の人への差別につながるのではないか」などといった意見や問い合わせが、24日午後6時までに電話でおよそ600件、ホームページを通じておよそ1180件あり、25日も問い合わせが来ているということです。
これについて、長崎知事は臨時の記者会見で、「説明が舌足らずだったと反省している。私たちは未接種者の接種しないという選択を否定しているわけではなく、接種を勧めること自体は県民の命を守る行政として必要な所作だと考えている」と述べました。
そのうえで、「接種できない人、したくない人の考えを肯定したうえで、本人には自分を守る行動を取ってほしい、周りの人にはそういう人への配慮をしてほしいというのが要請の趣旨だ」と改めて意図を説明しました。

専門家「特に注意してというお願い」

県が臨時特別協力要請として、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種していない人に不要不急の外出や移動の自粛を求めたことに「差別につながるのではないか」などといった意見が出ていることについて、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「ワクチンが接種できない人、あるいはしたくない人もいるし、それも権利で、その人たちの権利を尊重しなくてはいけない。実際にアレルギー体質で受けられない人もいるし、世界で初めてのワクチンなので予期せぬ副反応が将来起きるんじゃないかという不安を持っている人もいる。そういう人の考え方を尊重しなければいけないので、打てない、打ちたくないという人たちに差別や偏見を与えるようなことは起きてはいけないと思う」と述べました。
そのうえで、「ワクチンを打っていない人はいったん感染してしまうと重症化しやすいので、山梨県の要請は、特に注意して外出行動などを考えて欲しいというお願いだったと思う。不要不急の外出の自粛はみんなに当てはまるわけで、これだけ感染が広がっているのでみんなが濃厚接触を起こすリスク、感染を広げるリスクを減らしていかなくてはならない」と述べ、ワクチン未接種者は接種者よりも注意が必要ではあるものの、感染を防止する行動は接種の有無に関係なく、みんなで行っていくべきだと強調しました。