衆院選 野党一本化候補
約6割の選挙区で敗れる

今回の衆議院選挙で、立憲民主党や共産党など連携する野党は、与党側と1対1で対決する構図を作るため213の選挙区で候補者を一本化しましたが、このうちおよそ6割の選挙区で一本化候補は敗れました。

今回の衆議院選挙で、立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党、れいわ新選組の連携する野党は、与党側と1対1で対決する構図を作るため、289ある小選挙区のうち213の選挙区で候補者を一本化しました。

このうち一本化候補が勝利したのは、東京8区や神奈川13区など3割に満たない59の選挙区にとどまりました。

与党候補は自民党が追加で公認した無所属候補が勝利した東京15区と奈良3区を含め、およそ65%にあたる138の選挙区で議席を獲得しました。

残る16の選挙区のうち、大阪や兵庫の10の選挙区では日本維新の会の候補が、また、静岡5区や熊本2区など6つの選挙区では無所属候補が勝利しました。

立民 福山幹事長「執行部に結果責任」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「議席を減らすことになり、期待にそうことができなかったことについて、心からおわびを申し上げたい。私も議席が減るということは、ほとんど考えていなかったので非常に残念に思うし、何が足りなかったのか分析しなければならない」と述べました。

そして「党の執行部として、選挙結果については責任があると考えている。私自身の対応については腹を決めているが、ここで申し上げることではない。枝野代表など、いろいろな意見を聞いて、どうしていくのか考えていきたい」と述べました。

立民 枝野代表 今後の対応「あすの役員会までに示したい」

立憲民主党は定数の過半数を超える240人の候補者を擁立して臨み、政権交代を目指しましたが、結果は選挙前の109議席を下回る96議席にとどまりました。

一夜明けた1日、立憲民主党の枝野代表と福山幹事長は、連合の芳野会長らと会談し、選挙結果を報告しました。

このあと枝野氏は記者団に対し「かなり頑張って僅差まで迫ってくれた選挙区が多かった一方、競り勝てずに結果的に議席を減らしてしまい残念で、申し訳なく思っている」と述べました。

そして、みずからの進退を記者団から問われたのに対し「結果が出たばかりなので、何人かと相談し、あすの党の役員会までには何らかの考え方を示したい」と述べました。

立民内に執行部の責任問う声

立憲民主党内では「明らかな惨敗で、けじめが必要だ」とか「このままでは来年夏の参議院選挙は戦えない」などとして、枝野代表や福山幹事長ら執行部の責任を問う声が出ています。

一方で「責任論で党内がごたごたしている場合ではなく、共産党などとの野党連携の効果を冷静に総括することが先決だ」という指摘もあります。

枝野代表は、2日に開かれる党の役員会までに、選挙結果を受けた執行部の対応について、何らかの考え方を示したいとしていて、こうした枝野氏の意向も踏まえ、役員会で、今後の対応が協議される見通しです。

連合 芳野会長「政権批判票の受け皿にならず非常に残念」

連合の芳野会長は記者会見で「政権批判票の受け皿にならなかったのは非常に残念だ。立憲民主党が共産党などと共闘したことで、連合の組合員の票が行き場を失ってしまったのではないかと考えており、総括の中で検証していきたい」と述べました。

また、1日の枝野代表との会談内容について「枝野氏からは、協力に対するお礼があったのに対し、こちらからは共産党との連携をめぐり地域で混乱した部分があったことを指摘した。党として議席を減らしているので、しっかりと総括をしてほしいとお願いした」と述べました。