オリンピック 競歩 マラソン
沿道での観戦自粛を呼びかけ

東京オリンピックの陸上は、5日から札幌市で複数のメダル獲得が期待される競歩とマラソンが行われます。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、大会組織委員会などは沿道での観戦自粛を呼びかけています。

東京オリンピックの競歩とマラソンは、暑さ対策のため会場が移転された札幌市で、5日から4日間行われ複数のメダル獲得が期待されています。

5日は男子20キロ競歩が行われ、おととしの世界選手権で優勝した山西利和選手が日本競歩界初の金メダル獲得を狙っています。

6日は川野将虎選手と丸尾知司選手にメダル獲得の期待がかかる男子50キロ競歩と、女子20キロ競歩が行われます。

マラソンは7日に女子が、大会最終日の8日には男子が行われます。

男子では、順調にトレーニングを積んできたという前の日本記録保持者の大迫傑選手がこのレースで引退する意向を明らかにしていて、どんな「ラストラン」になるのか大きな注目を集めそうです。

一方、札幌市でも最高気温が30度を超える日が続いていて長時間にわたる競技特性を踏まえた暑さへの対策もカギになります。

また、大会運営においては新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での「密対策」が課題になります。

大会組織委員会や市は沿道での観戦自粛の徹底を図るため、スタートとフィニッシュの地点となる大通公園周辺などを立ち入り禁止にするなどの対策をとるとともに、コースにスタッフを配置して観戦の自粛を呼びかけることにしています。

沿道での観戦自粛を呼びかけ

東京オリンピックの競歩とマラソンの会場となっている札幌市で、大会組織委員会などは5日から8日まで、沿道での観戦自粛を呼びかけたうえで、コースの一部のエリアを立ち入り禁止にするなど人々が密集しないよう対策をとることにしています。

このうち、5日と6日に行われる競歩では、スタートとフィニッシュ地点がある大通公園周辺を立ち入り禁止にします。

今月7日と8日に行われるマラソンではスタートとフィニッシュ地点がある大通公園周辺に加え、コースの途中にある北海道庁赤れんが庁舎の敷地内、それに、コースに面している創成川公園を立ち入り禁止にします。

さらに、競歩とマラソンのコースになっている「駅前通り」では特に人出が多くなると予想されるため、歩道の幅を狭めたうえでスタッフが通行人に立ち止まらないよう呼びかけます。

また、すべてのコース周辺にはおよそ2000人のスタッフが配置され、沿道での観戦を自粛するよう呼びかける予定です。

鈴木知事“正念場 できる限り自宅で”

鈴木知事は4日の道の対策本部会議で今後、夏休みやお盆を控え「感染リスクが最も高まる時期を迎えまさに正念場となる」と強い危機感を示し、道民に対して感染リスクを下げる行動をとるよう改めて協力を呼びかけました。

この中で鈴木知事は「現在全国的にも経験したことのない感染拡大が続き過去最大の規模になっている。デルタ株の置き換わりによる急速な感染拡大で過去最大の危機になりうるという強い危機感を持っている」と述べました。

その上で今月7日からの3連休や夏休み、それにお盆を控え、「感染リスクが最も高まる時期を迎えまさに正念場となる。この夏、ご自身の命と健康を守る行動をお願いしたい。都道府県をまたぐ往来、これを極力控え、できる限り家族などふだん一緒にいる人と自宅で過ごしてほしい」と述べ、道民に対して感染リスクを下げる行動をとるよう改めて協力を呼びかけました。

また、新型コロナウイルスの医療提供体制をめぐり重症患者などを除き自宅療養を基本とするとした政府の方針について、「道としては、医師が患者の症状などに基づいて入院が必要と判断した方々については入院をしていただく。入院が必要ないと判断された軽症者の方、無症状の方については自宅療養、また宿泊療養等をしていただく」と従来通りの対応をしていく考えを示した上で、医師会などとの連携をより一層強化するほか、今後のさらなる感染拡大にそなえて迅速に対応できるよう検討を進める考えを示しました。