日韓協力で海外からの
帰国相次ぐ

新型コロナウイルスへの対応をめぐり、海外から帰国が困難な日本人や韓国人を、日韓両国が協力して臨時便などで帰国させる事例が相次いでいて、今後、日韓関係改善の糸口につながるか注目されます。

日韓関係は、3年前の5月10日、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が就任して以降、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で主張が平行線をたどり、悪化した状態が続いています。

こうした中、新型コロナウイルスへの対応をめぐっては、海外から帰国が困難な日本人や韓国人を、両国が協力して臨時の航空便などでそれぞれの国に帰国させる事例が相次いでいます。

このうち、今月5日には、急性白血病になった韓国人の5歳の女の子が滞在先のインドから帰国できなくなっていたところ、日本側が、帰国する日本人のために運航した臨時の航空便に一緒に乗る形で、韓国に戻ることができました。

茂木外務大臣は記者会見で、韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相から「日韓協力を象徴する、よい案件だ」という趣旨の、感謝を伝える手紙が届いたことを明らかにしました。

このほか、先月にアフリカのケニアから日本人約50人が韓国側の手配した飛行機を利用し、エチオピアからは韓国人約70人が日本側の手配した飛行機を利用して、それぞれ帰国できたということです。

外務省は、今後もこうした協力は進めたいとしていて、日韓関係改善の糸口につながるか注目されます。