参議院選挙 沖縄選挙区
選挙イヤー“天王山”に向けた戦い

7月10日に行われる参議院選挙、定員1の沖縄選挙区。
ことし沖縄は重要選挙がめじろ押しの“選挙イヤー”。
県内の11の市のうち7つで市長選挙があり、今回の参議院選挙、そして9月には、県知事選挙を控えています。“天王山”とも言われるこの県知事選挙もにらんで、参議院選挙は激しい選挙戦になっています。

5人が立候補

沖縄選挙区に立候補しているのは、届け出順に、
無所属の現職で立憲民主党沖縄県連、共産党沖縄県委員会、れいわ新選組、社民党沖縄県連合、沖縄社会大衆党が支持する伊波洋一氏(70)。
自民党の新人で公明党が推薦する元総務省課長補佐の古謝玄太氏(38)。
NHK党の新人で雑貨店店長の山本圭氏(42)。
参政党の新人で元福岡県警警察官の河野禎史氏(48)。
幸福実現党の新人で元沖縄気象台職員の金城竜郎氏(58)。
以上の5人です。

2回目の当選を目指す現職の伊波さんと、自民党の新人の古謝さんが対決する、事実上、与野党一騎打ちの構図となっています。

宜野湾市長としての実績を強調

無所属で現職の伊波洋一さん(70)。
押し出しているのは、政治家としての長年のキャリアと実績です。
伊波さん
沖縄の県民の声を、国政の場にふたたび、しっかり言うことのできる議員を、この私、伊波洋一を、送り出していただきたい

アメリカ軍普天間基地を抱える宜野湾市長を2期7年半務めたあと、6年前の参議院選挙で初当選しました。市長時代、大型店舗やホテルなどを誘致した実績をアピールしています。
伊波さん
まさに沖縄にとって観光客を迎える入り口の1つとなっております。これからの国際観光や様々な国際会議の場のひとつとして発展をしていく

争点のひとつ、普天間基地の辺野古への移設問題では、一貫して反対を強調してきました。今回の選挙戦では、コロナ禍で落ち込んだ経済の回復にも訴えの力点を置いています。
伊波さん
新型コロナによる傷んだ沖縄の経済が、第1の課題だとこのように考えております。外国の国々の観光客を招き入れて、沖縄の経済回復に役立てたい
基地の問題というのは、長らく続いているわけです。でも、それと経済とが実は合体している。普天間はさっさと閉鎖・返還をさせて、沖縄の県民のためのものにしなきゃいけないんですが、そのことも含めて訴えている

38歳の若さをアピール

自民党・新人の古謝玄太さん(38)。
押し出しているのは、若さです。
古謝さん
私、非常にちむどんどんしております。実行力・実現力は国・地方・民間で磨いてまいりました。沖縄の未来をつくる即戦力となります

元総務省の課長補佐で、内閣官房にいた際には、地元・沖縄の振興策の立案にも携わりました。知名度を上げようと小学校から大学までの地元の同級生たちに支援を呼びかけています。
古謝さん
無党派層と言われている20代・30代・40代。ぜひ、古謝玄太にこの未来を託していただけないかということで、呼びかけをお願いします

普天間基地の移設問題について、今回、古謝さんは「移設容認」のスタンスを明確に打ち出しています。一刻も早い普天間基地の危険性除去のために、これまで自民党の候補が明言を避けることが多かったこの問題にあえて向き合おうとしています。
古謝さん
真正面から、この安全保障問題も政策発表をさせていただいて、辺野古移設を容認をさせていただきました。ロシアのウクライナ侵略を見ても、やはり現実的な安全保障、自衛隊と米軍基地による自衛力と抑止力を持たなければいけない騒音とか訓練の移転、そういった目に見える基地負担軽減を図っていくというのがやはり重要になってくる。すべての県民が納得してひとつになるというのもまた難しい話だろうとも思っています。でも前に進めなきゃいけない

見据えるのは秋の沖縄県知事選挙

伊波さんと古謝さん、双方の陣営がしのぎを削る背景の1つが、9月に控える県知事選挙です。両陣営とも与野党をあげての戦いとなっています。

伊波さんの陣営は、支援を受けている、玉城知事を支える「オール沖縄」が去年の衆議院選挙で議席を減らしたことなどから危機感を強めています。

選挙戦前半、知事選挙で再選を目指す玉城知事との演説を増やし、支持を訴えました。
玉城知事
国会でも全国でも、私たちはもっと堂々と発言し、堂々と行動していく。任せられる人は、この選挙は、伊波さんしかいないということを、しっかりと伝えてください

対する古謝さんの陣営は、参議院選挙に勝利することで、悲願である知事ポストの奪還に繋げたいとしています。
この日は、自民党が知事選挙に擁立する予定の佐喜真 前宜野湾市長が応援に駆けつけました。

佐喜真 前宜野湾市長
未来を見据えるビジョンを持っている、古謝玄太。われわれが望む、沖縄の明るい未来。前に進むと、私は確信をしております

年金受給者のために

NHK党の山本圭さん(42)。
年金受給者のNHK受信料を無料にすることなどを訴えSNSで発信しています。
山本さん
NHK党なので『NHKをぶっ壊す』ということを日本全国に立っている党のみんなでやっていきたいと思っています

等しく学べる機会を

参政党の河野禎史さん(48)。
貧困問題解決のためにも、望んだ教育を誰もが受けられることが必要だと訴えています。
河野さん
教育を受けられる機会、機会がない子もいるので、実際にその機会をどうやって均等にしていくか。みんなに考える選択肢を与えていきたい

暮らしを楽に

幸福実現党の金城竜郎さん(58)。
減税で生活を楽にすることや、沖縄の安全保障確保を政策の柱にしています。
金城さん
沖縄県民の暮らしが今、本当に苦しみの中にあります。暮らしを守る、そして命を守るということを、取り組んでいきたいと思っています


基地問題のほか、新型コロナ対策や子どもの貧困解消に向けた取り組みなど、沖縄はさまざまな課題を抱えています。“天王山”の知事選挙を見据えた激しい選挙戦が繰り広げられています。