総裁選 候補表明
何を語ったか 全文を掲載

3選を目指す安倍総理大臣と、石破元幹事長が争う構図となっている自民党総裁選挙。石破元幹事長が8月10日に、安倍総理大臣が26日に正式な立候補表明を行った。今回、有権者の判断の一助としてもらうため、それぞれの立候補表明の内容を全て掲載する。

安倍陣営 表明の時期、どう決めた

いつ、どのように、立候補を表明すれば効果的なのか。
自民党総裁選挙をめぐり、安倍総理大臣の陣営も、石破元幹事長の陣営も、その戦略の検討を重ねてきた。

安倍総理大臣は、3選に強い意欲を示しながらも、立候補を表明する時期については、せみの声を、たとえに引きながら明言を避けてきた。6月16日には、「東京近辺でせみの声が、うるさいなと感じられる状況になったころ」と述べ、党内では、通常国会が閉会した直後にも、正式に立候補を表明するという見方が強かった。

しかし、7月初めに西日本豪雨が発生。7月20日、事実上の国会閉会を受けた記者会見では、「災害対応にも全力を尽くしていかないといけない。まだ先のことを考える余裕はないのが正直なところで、この夏、せみ時雨を聞きながらよく考えていきたい」と、お盆明け以降にずれ込むことを示唆した。

安倍総理大臣に近い議員からも、すでに党内の5つの派閥から支持を受けることが固まり、国会議員票で優勢に立っており、急いで表明し、石破氏と同じ土俵に乗る必要はないという声も出ていた。

そして、最終的には8月26日、鹿児島の桜島を背景に、立候補を表明することになる。

永田町以外での立候補表明は異例のこと。国会議員票、党員票いずれでも勝利を目指す安倍総理大臣としては、地方を重視する姿勢を打ち出し、党員への浸透を図ろうという狙いがあるものとみられる。

石破陣営 いち早く表明した理由は

一方の石破氏。国会閉会後、できるだけ早く立候補を表明したいという考えをにじませてきた。党内きっての論客として知られるだけに、得意とする論戦を長く濃く行い、みずからの主張を知ってもらえば、支持拡大につながるはずだという思いがあった。

そうした中、党内第3派閥の竹下派が、8月9日、事実上の自主投票の方針を表明し、参議院側からまとまった支持を受けられる見通しとなった。

石破氏としては、間髪入れず、翌10日に、正式に表明する決意を固める。しかし、お盆を前に、石破派の議員も、大半は地元に帰っている。派閥幹部は、立候補表明の場には、石破派の全員がそろったほうが良いと、お盆明けの表明にするよう進言したが、石破氏の決意は揺るがなかった。

結局、1人で記者会見に臨んだ石破氏。

記者会見は、自民党の記者クラブに所属している記者だけでなく、フリーのジャーナリストにも開放され、冒頭10分間の発言後、質問が尽きるまで応答を続け、会見は1時間半余りにわたった。

森友学園や加計学園などの問題で、政府は、説明が尽くしていないと指摘し続けてきただけに、安倍総理大臣との違いを打ち出したいという狙いがあったものとみられる。

安倍氏 立候補表明 全文

鹿児島県垂水市にある垂水漁港での立候補表明は、同行の記者団の質問に応じる形で行われた。いわゆるぶら下がり会見は、午後3時49分から53分までのおよそ4分間だった。以下に全文を掲載する。

総裁選の告示まで2週間を切りましたが、出馬についてのお考えをお聞かせください。
「はい。『日本を取り戻す』、この志のもと、党一丸となってこの5年8か月、内政・外交に全力を尽くして参りました。5回の国政選挙において国民の皆さまから安定的な政治基盤を頂き、誰にも働く場所がある、まっとうな経済を取り戻し、外交においては日本の大きな存在感を取り戻すことができました。

今こそ、少子高齢化、激動する国際情勢に立ち向かい、次の時代の新たな国造りを進めていく準備は整った。この思いで、昨年、総選挙に打って出ました。そして国民の皆さんから大きな支持を頂いたのはわずか11か月前のことであります。この国民の皆さまの負託に応えていくことは私の責任であります。

来年、皇位の継承、そして日本で初めてG20 サミットを開催します。そして、そのさらにその先には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。まさに日本は大きな歴史の転換点を迎える、今こそ日本のあすを切り拓く時です。『平成』のその先の時代に向けて、新たな国造りを進めていく、その先頭に立つ決意です」

「6年前、総裁選挙、大変厳しい総裁選挙を戦いました。厳しい総裁選挙となることは、初めから分かっていましたが、国民のため日本国のため、それでもなお挑戦しなければならない。その決意は今でも変わりありません。そしてその時の「志」には、いささかの揺らぎもありません。そして、その志を支える気力、体力、十二分であるとの確信に至った以上、責任を果たしていかなければならないと考えています。

子どもたちの世代、そして孫たちの世代に、美しい伝統あるふるさとを、そして誇りある日本を、引き渡していくために、あと3年、自由民主党総裁として、内閣総理大臣として、日本のかじ取りを担う決意であります。その決意のもと、来月の総裁選挙に出馬いたします」

総裁選挙の争点はどうお考えでしょうか。
「総裁選挙の争点、これから先の歴史の大きな転換点を迎える中において、日本の国づくりをどのように進めていくか、どのような国づくりをしていくかということが争点であろうと思います。そういう骨太の議論をしていきたいと思います」

石破さんが、政策テーマごとの討論会を求めていますが応じるお考えはありますか。
「これは、まさにどのような総裁選挙にしていくか、これはまさにそれぞれの候補者が自分の考え方を持っておられるんだろうと思います。その中で自由民主党において選挙管理委員会がありますから、その中で今までの総裁選挙と同じようにルールを決めて、しっかりとその中で論戦を戦わせるべきなんだろうと思います。(「終わります」の声)いいですか」

石破氏 立候補表明 全文

一方の石破氏の記者会見だ。衆議院の議員会館で行われた記者会見は、冒頭発言が10分、その後、質疑応答が行われ、会見は1時間半余りに及んだ。以下に全文を掲載する。

「自由民主党衆議院議員の石破茂です。このような機会を頂き、ありがとうございます。私は本日、9月に行われます自由民主党総裁選挙に立候補する決意をいたしました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

思いの一端を申し述べさせて頂きます。私は、正直で、公正、そして、謙虚で丁寧なそういう政治を作りたいと思っております。なんだ、当たり前のことではないかと言われるかもしれません。しかしなぜ、今の時代、正直で公正、丁寧で謙虚なそのような政治が求められるのか、それは、これから先、わが日本国が直面する大きな課題に対応していくためには日本の設計図を書き換えていかなければいけないからであります。未来は過去の延長線上にはありません。過去の遺産にすがり、そして次の時代に負担を先送りするようなそういうような政治であってはなりません。設計図を書きかえていくためには、政治が国民の皆さま方に対して誠実で、謙虚で正直に勇気をもって真実を語る、その姿勢が必要であります。そして国民の皆さま方が、その政治の語りかけに対して納得と共感を寄せて頂く、信頼を寄せて頂く、そうでなければ、設計図を書き換えることなぞはできません。

私が認識する日本国の危機とは何か。それはまず第一に、人口が急減する、今1億2700万人おります、われわれ日本人は。このまま推移すれば、西暦2100年に5000万人近くに急減します。高齢化比率は倍に上がってまいります。長生きできるのは素晴らしいことです。それを支える世代が減っていくことこそが問題であります。財政も社会保障も、このままでは持続することができない。これが第一の私の抱く危機感であります。

第二に世代間において、あるいは地域間において、格差が固定化しつつあるということであります。豊かな人々がより豊かに、豊かな地域がより豊かになっていく。それが全ての人々に全ての地域に広がっていくわけではありません。格差、それを変えていかなければならない、是正していかねばなりません。いま主婦の方々、パートの皆さま方を除いた非正規労働者、930万人おられます。年収は186万と言われております。どうして世帯が持てるのか。どうしてお子さんが欲しいな、そういう思いが叶えられるのか。ご両親と同居であれば、今暮らしていただいておりますが、そうじゃなくなった時にどうするのか。そのことにわれわれが目を向けていかなければなりません。食料を作り、エネルギーを作り、出生率が高い地方が衰退をして、食料を作らず、エネルギーを作らず出生率が低い、東京だけが残る日本。そういう日本を次の時代に残してはなりません。

東京は文化の中心であり、経済の中心であり、金融の中心地としてこれから先も日本をけん引していかねばなりません。しかし災害、超高齢化、東京にかかる負荷を減らしていかなければならないと私は思っております。東京は東京、地方は地方なのではありません。どのようにして一体的な発展を図るか、で、あります。

さらに、激変する安全保障環境、経済環境、わが国を取り巻く状況は今までとはまったく異なってまいります。これに対応していかなければなりません。そのために私は設計図を書き換えたいと思っています。政治の信頼が必要だというのは、まさしくそのような状況にわれわれが直面しているからであります。

われわれ自由民主党は、かつて野に下りました。谷垣総裁のもとで、私も政調会長を務めました。政策が間違っていたというより、自由民主党の在り方が国民の皆さまがたから拒絶されたのだ、そういう思いのもとに、私どもは、自由民主党の在り方というものを徹底的に見直し、党の憲法である綱領を見直しました。そこにおいて何を定めたか。自由民主党は、自由闊達、勇気をもって真実を語り、決断する政党である。自由民主党は、あらゆる組織と対話し、調整する政党である。自由民主党は政府を謙虚に運営する政党である。自由民主党は、政策を作り、条件をつくるに当たって、全ての人に公正であらねばならない。その思いを決して忘れてはならないと思っております。

具体的には、1つだけ申し上げさせていただきます。政治と行政の信頼回復の100日プラン。100日というのは、年内を想定をいたしております。そういうプランの作成を早急に実行に移している。官邸の信頼回復、官邸において、どのような意思決定がなされるか。内閣人事局の在り方は、あくまで、国民に奉仕する。そのような観点から見直していきたいと思っております。公正、客観性、国民の視点、それを欠いてはなりません。そして国会の信頼回復。わが党の若手のかたがたが提言しておられます。いかにして国会の運営を公正にしていくかということであります。そして、行政の信頼回復。それは地方と中央の役割も見直していかねばなりません。行政の在り方も見直していかねばなりません。そこにおいてあくまで、行政は国民に対するサービス、そのためにあるのだということを決して忘れてはなりません。あくまで国民本位の政治を作っていく、そのための信頼回復100日プラン。これが最も急ぐことである、私はそのように考えております。これを実行に移してまいります。

最後に、総裁選は、多くの論点がございます。できれば立候補する人、これが内閣総理大臣を選ぶ選挙でも実質ございますので徹底的に議論し、党員の方のみならず、国民の皆さま方に誰がどのような主張しているのかということがご理解いただける、そのような総裁選であってもらいたいと思っております。

憲法も論点になるでありましょう。私は優先順位をきちんと定めるべきだと思っております。来年の参議院選挙まで合区解消のための憲法改正は間に合いませんでした。4年後には次の選挙が参ります。このための憲法改正は時限性のあるものであります。さらに、国民の人権を決して不当に侵害しない、そういう前提に立ったもとで緊急事態の条項は必要であります。憲法上に根拠がなければ、それが行われず、被害が拡大をする、そういうことはございます。憲法9条については、国民の深い理解が必要であって必要なものを急ぐ。最後に申し上げれば、自民党の憲法改正草案には、政府は国民に対して説明する責務を負う、それは権利と義務の章に定めております。急ぐものは何か。今必要なものは何か。そういうことをきちんと認識をしながら、憲法改正に取り組んでまいりたいと考えております。

私は使命感を持っている。責任感を持っている。全身全霊でこの選挙に臨んでまいります。厳しい中にあって、御支援を頂く同志の皆さま方に心から感謝申し上げ、党員の皆様、党友の皆様方のご支持、ご支援を心からお願いを申し上げるものであります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。以上で私の発言を終わります。ありがとうございました」

まず、杉田水脈議員のLGBTに関する発言についてどうお考えでしょうか。何らかの処分が必要だとお考えでしょうか。また同性間のパートナーシップ制度や同性婚についてどうお考えでしょうか。よろしくお願いします。
「はい、第1点についてお答えを申し上げます。いわゆるLGBTの方々は、日本国民、これは人類って言ってもいいのかもしれません。8%おられると言われております。12.5人に1人の方々であります。どんな考え方を持っても自由でありますが、あらゆる人に対して人権を侵害するということはあってはならないことだと思っております。そういう方々が一人ひとりの日本国民として基本的人権を共有をし、この日本国において、生きていかれるためにわれわれ政治は力を尽くしていかねばなりません。それが政治の責務なので、それを否定したり、あるいはそういう方々の思いを傷つけて平然としているということがあってはなりません。

われわれ自由民主党は、間違っていることは間違っているときちんと指摘する、そういうような政党でありたいと思っています。いろんな考え方があっていいからねということが、すなわち自由民主党の懐の深さだと私は認識をいたしておりません。おりません。

そして、同性婚等々につきましては、いろんな議論がございます。両性の合意をもって成立をする、そこに「のみ」という言葉が入っておりますが、これをどのように考えるかということについてはいろんな議論があると承知をいたしております。一部の地方自治体において、そういうことを認めるような、そういう動きがあることもまた事実であります。一人一人が差別を受けることなく、人としての幸せを実現していく、そういうような観点に立って、この問題には取り組んでまいりたいと考えておるところでございます」

トランプ大統領と対等に話ができる首相を替え、また初めましてからやるのか。だから、変える必要ないという論調がございます。そうした懸念に対してどうお答えになるのか?トランプ大統領への評価と、どのようにして関係性を築かれていかれるのか、これが第一点です。第二点目がですね、原発政策についてお聞きしたいと思います。現政権はですね、原子力規制委員会の規制基準に適合した原発を再稼働を進める。将来的にも原発を活用する路線だというそういうスタンスだと理解されております。原発政策についてはどう進めていくべきだとお考えでしょうか。
「どんな人でも初めて会うときはあります。そうでなければ継続性というのはありえないと思っております。私も、防衛庁長官、あるいは防衛大臣、農林水産大臣の時と多くの外国の首脳、それは総理大臣も含みます。そういう方々と議論をいたしてまいりました。そこにおいて、国益をきちんと踏まえ、そして相手の状況をきちんと認識をし、そして、相手に当然の敬意を払った上で、いきなり議論に入ったことは何度もあります。そして初めてであっても相手がそういう人間であるということを認識をすれば、議論は必ず有益なものになり、そして得られる成果にも大きなものはございます。もちろん経験というものが物を言う場合もあるでしょう。しかし友情と国益は別だということであります。要はわが日本国の総理大臣がどれだけ国益を踏まえ、そして相手の状況を認識して全身全霊で議論するかということであります。私は、過去の経験から申し上げましても、外交というものにおいて、日本の国益を実現する。そのことに自信を持っておるところであります。

原発政策についてお答えをいたします。わが国のエネルギー自給率というものは極めて低い状況にあります。これは日本国の存続に関わる問題であって、私は原子力発電というものは大きな意義を持っていると思っております。しかし、政府といたしましてあるいは私といたしましてその割合は、減らしていかねばならない。そして稼働する場合には最大限の安心と安全。安心と安全は違う概念でございますのでこの二つを確保する必要があると考えております。安心・安全。安全というのは客観的にいろんな数字が出てくるものでございましょう。そこにおいてまやかしがあっては決してなりません。安心ということにつきましては、どれだけ誠実に、地域の方々、国民の方々と向き合うかということが肝要であります。再生エネルギーというものは増やしていかなければなりません。その不安定性、高コスト、これを除去するために最大限の努力をしていかねばなりませんし、あわせまして、蓄電池の技術というものを発展をさせていくことは極めて肝要なことだと思っております。安心・安全を最大限に確保しながら原発というものの割合を減らしていく、そういうことが必要であると考えております。以上でございます」

後ろのバックボードやすぐ横にあるポスターに、「正直、公正、石破茂」というふうに書いてありますけども、現政権に対するある種のメッセージ性があるように感じるのですけども、この言葉を選んだ意味、その言葉に込めた意味合いですとか意義について伺いたいのが一点と、国会議員票では厳しい情勢というふうにされております。ご自身の勝機、勝つポイントとしてはどういう点があると現時点で今お考えでしょうか。
「私は鳥取の有権者のおかげさまで11期32年以上、国会議員を務めさせていただいております。ずっと心がけてきたことは有権者の皆さま方に対して国民の皆さま方に対して正直でありたい、公正でありたい、誠実でありたい、謙虚でありたい。何度か自分の選挙のときにそのようなスローガンを掲げたこともございます。現政権に対してあれこれ批判めいたことを言うことは政権与党の一員として、差し控えたいと思っております。政府としてそうありたい、現政権としてそうありたい、そういう思いを持っておられること、私は疑いたくはありません。しかし、国民の皆さま方が起こっておるいろんな事象について本当なんだろうか、そういう思いを持っておられることは事実であります。現政権がどうのこうのということではなくて、私自身、正直でありたい、公正でありたい、心掛けてまいりました。国民の皆さま方に今の政権は公正だね、正直だね、そういうような思いを持ってもらわなければ私は政治はその役割を果たすことができないと思っております。私自身、ご批判をいただくこともこの言葉通りに生きてきたかということも内心じくじたるものが常にあります。その思いを失いたくないし、国民の皆さまでそう思っていただける、そのために己を律してまいりたいと思っております。先輩の先生から教わったことであります。議員さんから教わったことであります。保守とは何か。いろんな定義はあるが己に厳しく他人に寛容、これが保守の真髄だと教わったことがあります。己に厳しく身内に厳しくそして、他の方々に寛容に接していく、そういう保守でありたい。私はそのように願っておる次第でございます。

また、この選挙をどう戦うかということについての御指摘であります。自由民主党総裁選挙でございますから有権者である党員・党友の皆さま、国会議員の皆さま御支持を賜るために全力を尽くすのは当然のことであります。同時に、わが党は政権党でございますので、内閣総理大臣を選ぶ選挙でも実質ございます。どれだけわが党支持の方でなくてもあるいは、他党支持の方であって、あるいは無党派の方であってもそういう方々に御理解をいただく努力をしてまいりたい。国民の皆さま方の共感、それが党員の皆さまがたの共感につながる。具体的な政策は、後日詳細に申し上げますが、その政策に共鳴するよ。その自民党の運営の方法に共鳴するよ。そういう方々をどれだけ増やしていくかということだと思っております。お一人お一人に誠心誠意お願いすることは当然のことでございます」

冒頭、お話の中で財政社会保障持続できないと話されましたけども、現政権のアベノミクスをどう評価されているのか、またその持続的な財政社会保障のためにはどういったことが必要かいま考えていることを教えていただければと思います。
「人口が急減していく、これはおそらく人類の歴史で初めてのことだと思っております。かつて15世紀だったと記憶をいたしますが、ヨーロッパでペストが大流行し、短期間に人口が半減したということがございました。それ以来かもしれません。しかし同時に、長生きできる、そういう社会は素晴らしいものでありますが、それを支える若い方々が減っていく、高齢化率というのはそういうことであります。どうやって払う人が少なく、受け取る側が多くて、それが持続可能性があるのかということであります。いろんな経済学説があり、私もずいぶんと勉強もいたしました。しかしこのような人口急減期と超高齢化、これに対応した学説というものは未だ存在をいたしておりません。未踏の分野にわれわれは挑んでいきそして、課題最新先進国であるがゆえに最も早くそれに答えを出す責任を負う。世界に対して負っているというのは私の認識でございます。

いわゆるアベノミクスによりまして、株価は上昇し、輸出企業を中心として、企業の利益は史上最高になる。北海道から沖縄まで有効求人倍率は1を超えました。素晴らしいことであります。私はそれを否定するつもりはまったくございません。しかしこの成果というものはこれから行わねばならない改革の前提条件が整ったというべきものだと思っております。この明るさが見えたときにこそ、課題を先送りすることなく答えを出していかねばならないということだと思っております。

具体的に申し上げれば、それぞれの地域、それぞれの世代、男性女性あるいはそれぞれの産業、経済合理性においてそれが一番素晴らしいのだという解は一律ではございません。地域は地域なりに、1718の市町村がございます。そのことは霞が関で分かるはずはないのでね。その地域の何をどのように伸ばし、どのように変えていくか。それは地域であり、産業であり、世代であり、そういうものが答えを出していくべきものであります。政府は、そういう方々が見出した解に財政であれ、人材であれ、情報であれ、全力を尽くして支援をすべきものであります。

そして、私が持ってるもう一つの危機感は、地方を中心とする企業経営者の皆さま方の高齢化であります。いま400万社とも言われております企業は、2040年には、295万になると言われております。その企業が消えていく。それは特徴が二つありまして、一つは経営が思わしくないということではなく高齢化と後継者がいないということで、企業がなくなるということ。もう一つは言わずと知れた人手不足。そして、首都圏において激減はしない、地方において激減していくということであります。このような状況を看過して地方創生ということがあるとは私は思っておりません。どうやって生産性を伸ばしていくかということを考えたときに安いからこれを買おうとか安いからこのサービスを受けようではなくて、お金を出してもこれが欲しい、お金を出してもこのサービスが受けたい、そういうように、供給側も変えていかなければなりません。消費者の行動原理も変わっていかねばならないものだと思っております。付加価値の総和がGDPでございます。そうしますと労働力と資本とそして労働者の皆さま方が労働のスキルというのでしょうか、その跡がGDPでございますので。それぞれをどのようにとらえていくかということであって、それは地域別に世代別にあるいは職種別にきちんとした分析なくして成果はあげられないものだと考えております。過去の成功体験やあるいは経験と勘と思い込み、そういうことを廃止し、決別をして、きちんとした政策を実行する。そのために語りかけることが何よりも寛容であって、そうなんだなと思っていただくこと、地方創生というのはそういうプロジェクトであったと思っております。私は丁寧にと言っては、自分を褒めるようですが、細かく細かく地域を回らしていただき、農林水産業、農業・漁業・林業、どのように伸ばしていくべきなのか、サービス業、どのように伸ばしていくべきなのか、一つ一つの業種について現場の皆さん方と真剣な語りあいをしてきたのは、そういう動機に基づくものでございます」

こちらの政策ビラにも政治への信頼を取り戻すとありますけれども、この一年で政府自民党の不祥事が相次ぎました。その信頼がなくなった原因というのはどこにあるのか、またその今自民党は2009年の政権交代をしたときと同じような状況になってきていると考えているのかお答えいただけますでしょうか。
「それは政権交代のときは鳩山代表率いられる民主党というものに大きな期待があったと思っております。その多くは、保守の方々でありました。素晴らしい政策と国民が思ったような政策も掲げられました。そのことによって政権交代が実現をしたと思っております。私どもも先ほど申し述べたような国民の皆さまたから批判されるようなことが多くございました。その時と今と大きく異なっているのは政府与党を批判される立場の野党の方々がバラバラになってしまったということであります。そうすると私どもの自公政権に代わる政権がどこにあるのだという思いを多くの有権者の方々がお持ちになるのは当然のことであります。ですから、あのときと同じ状況になったという認識は持っておりません。

しかしそうであるだけに、自由民主党は、より厳しく己を律していかないと批判する野党が無力だからこれでいいのさということにはなりません。政権奪還をしたときに私、安倍総裁のもとで幹事長を拝命をいたしておりました。そのときに野党がだめだから自民党ではなくて、自民党がいいから自民党というふうに思っていただかなければためだということを6年前の政権奪還のとき以来、言い続けてきましたし、今もそのように考えておると
ころでございます。

二点目はなんでしたっけか。あ、信頼。それはいろいろあるんだろうと思っております。そこにおいて、本当に人間は無謬ではありません。私ももちろんですが、間違えることはあります。失敗することも多くあります。それを謙虚に認めて、間違いは間違いと認めて、お詫びをするという姿勢は私は必要なものだと思っております。何も間違っていない。責任は自分にはない。少なくともそれは私のやり方ではございません。行政の最高責任者は内閣総理大臣であります。あるいは各省大臣は、それぞれの所掌分野の最高責任者であります。組織の中に誤りがあればそれをお詫びをする。私は国務大臣を務め、防衛庁、防衛省、農林水産省、お預かりをしてきたときにきちんとお詫びすべきはお詫びをする、官僚組織に責任転嫁はしない、そういうことを心掛けてまいりました。私自身も、誤りたくさんあったと思います。自分の対応が万全だったというふうに言うつもりはございません。そのように心掛けてきたということを申し上げております。そうありたいと思っています」

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興について伺いたいと思います。国が復興予算を確保しました復興創生期間、2020年度末まで、残り2年半しかございません。そうした中でですね、岩手、宮城、福島を中心とする被災地の復興をどのように加速させていかれるお考えかお聞きしたいと思います。合わせてもう一点、2020年度末に復興庁は時限が迎えられましてきて、このままいけば廃止になるということになっております。復興庁の後継組織についてどのような考えをお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
「私は先般も、郡山に参りまして、復興住宅、CLTで作ったそういうものを拝見をいたしてまいりました。被災地の皆さま方の努力あるいは忍耐によって、復興は進みつつあると認識をいたしております。しかし、もう一度あそこで暮らしたいのだという方々の職、仕事の方ですがあるいは住、そういうものはいまだなお、解決すべき課題がたくさんあると思っております。農産物にいたしましても、まだ十分に世界で売れる状況だと思っております。そして会津がそうですが、修学旅行は減ったっきり、戻ってこないという状況であります。そこの状況をきちんと認識をしながら何がなお必要なのかということにきちんと対応してまいりたいと考えております。

私の原点は野党でございました。政調会長でございました。災害があってしばらくして、宮城県女川の避難所にご無理をお願いして一晩泊めていただきました。一晩泊まらなければ分からないと思ったからであります。もちろん一晩泊まっただけで全てが分かるわけではありません。しかし、現場の方々が今なお何に苦しみ、何に困難を感じておられるかということをきちんと把握をして、それに対応する体制を作ってまいりたいと考えております。

復興庁につきましては、これができました時に私ども野党の自由民主党政調会において、そういうものが必要だということを申し上げました。当時の菅政権はそんなものはいらないというふうにおっしゃいましたが、私は必須、避難所を回ったときに、石破さんね、農林水産省に行ったら経済産業省に行けって言われて経済産業省に行ったらば、厚生労働省に行けって言われたよと。一体これは何なんだ、というふうに厳しい御指摘をいただきました。阪神淡路も大変な災害でした。しかし、東日本大震災、津波原発事故、あれだけ広範な地域、中山間地を多く含み、財政が厳しい自治体を多く含む。そして、全てのものを消し去ってしまう津波の被害があり人類まことにまれな経験である、原子力災害を伴っておりました。まったく違うと。復興庁がいるというわれわれの主張を菅政権が飲む形でスタートいたしました。時限官庁であります。その役割は果たせたかどうかという検証をきちんと行わないまま、期限が来たからなくしましょう。という考え方に私はくみするものではありません。行政改革の在り方の一環として、被災地の皆さま方もそうでありますが、行政組織の改編というのは国民にとって使い勝手のいいものであるかどうか、それにかかっていると思っております。

私が数年前よりこの災害大国日本において防災庁もしくは防災省が必要であるというふうに申し上げてまいりました。そういう思いに基づくものであります。これだけ災害が多発するわが国は、南海トラフ、あるいは首都直下型地震が想定される中に私も内閣府の大臣を務めましたが、いくつも大臣を兼務する小此木大臣、全身全霊で素晴らしい仕事をしていただいておりますが、国家公安委員長と兼務であります。もし、オウムのような重大事件が起こった時にその二つに対応できるかというと、私はそれは困難であると思っております。そして各省庁から2年程度、期限行っては帰り、行っては帰る。災害対応に必要なのは知識の蓄積であり、経験の蓄積であり、その共有であると思っております。復興庁の在り方を考えますときに行政の在り方、この未曾有の災害であった東日本大地震、大津波、原発事故、どのようにして教訓として生かしていくというときに復興庁の在り方と新しい防災体制の在り方を併せて考えるべきものだと私は承知をいたしております」

2点伺いたいんですが、冒頭でありました100日プランについて、もう少し掘り下げて御説明いただきたいのと、あと総裁選出馬を表明日が今日になった理由とおそらく表明されるだろう安倍総理よりも早く表明をした狙いというのを伺いたいと思います。
「はい。政治行政の信頼回復100日プランについてでございます。何で100日ということを申し上げたとかといえば、年内にその姿を示したいという思いであります。いつまでも議論が続いているということは許されるものだと思っておりません。期限を切りたいと考えております。もう少し敷衍して申し上げれば、官邸の信頼回復ということであります。内閣人事局の在り方を見直していかなければなりません。そこにおいて、政府の官僚というものが政権に奉仕するものではない、国民に奉仕するのだ、というそういう観点から、人事は評価をされなければなりません。そして、政権に対してあるいは大臣に対してあるいは総理に対して、きちんとした意見を言える人こそ評価をされなければなりません。

私は大臣を務めておりましたときに秘書官をはじめとするスタッフは、大臣それは違いますよと、いう人たちをスタッフとして働いていただくように心掛けてまいりました。そのようにあらねばと思っておりますし。その評価が公正公平に国民の視点に立ってなされたかどうかを見極める、そういう組織は必要なのだと思っております。もちろん国会もその機能を果たしていかねばなりませんがそのように評価が公正適正に行われたかどうかということをきちんと判断する、そういう組織も必要だと考えております。総理秘書官をはじめとします官邸スタッフは、どういう人に会ってどういう人に会わないのかということがよく分からないということであってはなりません。秘書官をはじめとする総理の周りのスタッフというのはある意味超多忙な総理大臣の分身でもございます。どういう人に会い、どういう人に会わないか、どういうような会話がなされ、それが政策決定にどのような影響を及ぼしたか。それ私は国務大臣を務めておりましたときも、秘書官たちにはそのことはよく申しておりました。それがきちんと評価をされるようでなければなりません。そういうような官邸の信頼回復が必要だと考えております。

国会改革につきましては、自民党の若手の議員の方々の提言というものを尊重してまいりたいと思っております。国会が本当に国民のためになる議論というものが行われているかどうか、それは国会が閉会しましたときに、大島議長が異例の談話をお出しになりました。われわれ与党のみならず野党も含めて、議長がおっしゃった行政に対する信頼、国会に対する信頼、そのことに対する危機感を共有していかなければならないと思っております。私は議会というのはいろんな意見がある。多数党が政権を握る、当たり前のことですが、法律は一字一句修正されない、予算案は、一円たりとも修正されないというのは、私は議会の在り方として、正しいものだと思っておりません。もっとよりよい法律にならないか、もっとよりよい予算にならないか、その時に聞く耳持たぬという姿勢があってはならないと思っております。

私の経験から申し上げれば、小泉内閣で有事法制を担当させていただきました。戦争準備法案だということで、国民の皆さま方の批判は強かった法案であります。しかしその法案は、国会における真摯な議論、あるいは与党の筆頭理事であられた久間章生先、野党の筆頭理事であった前原誠司議員。本当に真剣な協議の上に最終的にはごくごく一部の政党が反対したのみで民主党はじめ野党の多くが賛成をしていただき成立をいたしました。私は参議院本会議で、閣僚席から圧倒的な数の議員が賛成で起立したのを見て本当に涙が出た思いを今でもよく覚えております。そうあるべきものだと思っています。そのように国会は運営されているか。あるいはスキャンダルで予算委員会が予算の中身ではなくて、いろんな不祥事の追求で終始をして、真相も明らかにならず、予算案の審議、なおなお不十分な点があったままで成立をしていくというのは決していい形だと思っておりません。そういうような不祥事は、予算の審議とは切り離して、しかし徹底的に行えるような改革が必要だと考えておる次第でございます。ですから国会の審議というものが、「なるほどね」というふうに思っていただかなければ意味はありません。それが国会改革の要諦だと考えております。

行政の信頼回復が先ほど申し上げた通りであって、行政は最大のサービス業であるということ忘れてはなりません。電子化だってそういうような観点から実現されるべきものであります。わが鳥取県は、鳥取県庁においてIT化を徹底的に推進をして、時間もコストも大幅に削減をいたしました。外国の例を見れば、シンガポールでもあるいはバルト三国においても企業を興したいなと言ったらば、数時間でそれができる、そういう状況であります。あるいは保育園にお子さんを入れたいな、就労証明に何時間もかかるというようなことで、どうしますか、そこにおいて国民本位の行政改革がなされなければいけない。中央と地方との関係は中央が上で地方が下なのではありません。行政改革はそのような視点に立ってさらに公務員の働き方改革、国会と共にやっていかねばならないものだと考えております。詳細はまた後日機会を得て、お話をさしていただきます。

あっ失礼しました。これはいつがいいんだろうねということはずっと考え、同士の皆さま方とお話をしてまいりました。やはり今なお困難の中にある方が大勢いらっしゃいますが、西日本の豪雨災害、これからひと月というのはあるメドでございました。なお困難な状況にあることはよく承知をいたしておりますが、総裁選をやったから災害復旧が遅れるなぞということはございません。そのように現場で努力しておられる方に失礼なことを言ってはならないと私は思います。これが一つ。もう一つは、広島原爆の日、昨日ありましたが、長崎原爆の日、核の廃絶を誓い、そして平和を祈念する、その日の存在がございました。そういうことを勘案した上で、しかしながら、自由民主党の総裁選びであると同時に、総理大臣選びでもございますので総理は現職でいらっしゃいますからいろんな政策を発信する機会をお持ちであります。私は野にある人間でございますので、そういう機会を持ちません。従って、総理のご表明とは関係なく、私は何を考えているか、どのような政治をつくるか、どのような党を作りたいかということを国民の皆さま方にお訴えするためには一定の期間が必要である、そういう思いに基づいて、本日を設定させていただいた次第でございます」

安全保障と沖縄の関係で質問です。先日、沖縄県の翁長知事がが亡くなられて当初11月予定だった沖縄県知事選が9月中にも実施される見通しとなっています。そうなるとですね、自民党総裁選の選挙期間とも重複することになると思います。石破さんは、米軍普天間飛行場の辺野古移設推進の立場であると同時に日米地位協定に関しては、日本が管轄権を持った形で米軍が駐留することも可能ではないかというような持論も展開されていて、そこは政府の公式な見解とは違う部分もあったりします。今回の自民党総裁選において、沖縄の米軍基地問題が中心的な論点の一つになりうるとお考えでしょうか。
「翁長知事とは翁長知事がまだ那覇市長でおられた時、それは自由民主党の幹事長というご経験も含めて、国政選挙にあたっても大変なお力をいただきました。私も現地で何度もお話をしたことがございます。あるいは私は幹事長として、総理に責任を負っていただくわけにはまいりませんので、自由民主党幹事長としてこの方針、沖縄の議員の皆さま方に本当に苦渋の決断だったということは百も万も承知の上で私の責任において会見をさしていただいたこともございましたが、その後、仲井真知事の3選をめぐりまして、いろんな議論がありましたときに那覇市長でありました翁長さんとお話をさしていただいたことが何度かございました。そのときに申し上げたのはこれは沖縄の問題だよね、ということであっては絶対にだめだということであります。まだ沖縄がアメリカの施政下にありましたときに、多くの本土の基地が沖縄に移転をいたしました。その事実から決して目を背けてはならないし、歴史から目を背けてはならないと思っております。これは日本の問題であって、沖縄の問題というふうに考えるべきものと私は思っておりません。

そして沖縄の持つ機能というもの、地政学的にということはあまり軽々に使ってはいけませんが、やはり安全保障考えますときに時間と距離の壁というものをどう考えるかということが最も肝要だと思っております。地政学的にというのは、そういうものであります。そこにおいて、多くは海兵隊でございます。陸軍空軍は空軍は嘉手納に展開をいたしておりますが、そこにおいて何のためにどのような米軍があの沖縄に駐留しているかということについて、われわれは知りませんでは済みません。きちんとした認識が必要であります。そしてそれはアメリカでなければならないのか、その機能を憲法解釈、あるいは法の範囲内において、わが自衛隊が代替することはできないのかということであります。

そして今の日米地位協定において、管理権を日本が持つ、すなわち、大家が日本国であって、合衆国軍隊が店子であるという解釈は私は法的に可能なものだと思っております。さらにもし重大事故が沖縄に限らず、米軍所在地で起こったときに、そこにおいて、決して考えたくないことですが、重大な被害が生じたときに本当に国民の皆さま方の日米同盟に対する信頼をつなぎとめることができるかということであります。防衛庁長官のときにいろんな国の地位協定を調べました。例えばイタリアで米軍の戦闘機がスキーリフトのロープに引っかかって墜落をしたという事案がございました。イタリア政府は、長い期間にわたって米軍の飛行を差し止めました。そういうことができる。なんで日本にはできないのだということであります。それは対等な地位協定というのは他の国と比べてどうだということではございません。日本に駐留する米軍に与えられる法的地位、今そういうことはございませんが、合衆国において、そこにおいて駐留をするわが自衛隊の受ける地位が平等かどうかということであって、そうでなければそれは不平等条約というものであります。これから先、日米同盟の強化ということを考えましたときに陸上自衛隊あるいは航空自衛隊、今でも随時やっておりますが、合衆国において十分な訓練を行い、合衆国との信頼関係を醸成するということは、日米同盟にとって極めて意義のあることだと考えております。そういう問題をきちんと提起をすれば、先ほどの御質問にも関連いたしますが、合衆国はきちんと聞く耳は持っているのであり、公正であり、フェアであるというのはどういうことなのか、日米同盟がさらに信頼性を増すというのはどういうことなのか、そういう観点に基づいて沖縄だけの問題ではない日本国の問題である、そして沖縄の苦難、そして今なお騒音であり、土地が自由に使えないことであり、犯罪であり、そういうことに苦しんでおられる沖縄の思いをわがこととして思うことが何より肝要だと承知をいたしております」

竹下派の参議院側の議員の方が支持をする見通しであることに対しての受けとめを伺いたいのと、またその態度を決めていない、または表明されてない議員の方に対して、今後どのようにアプローチをしていくのかということと地方票について、どのように増やしていたっり、確保していくようなお考えがあるかということを伺いたいと思います。
「これだけ厳しい状況の中にあって、石破包囲網とかあるいは本当かどうか知りませんが石破を支持でもしたら冷や飯だとか、冷遇だとかそういうことが報道される中にあって、決然と参議院の平成研が石破支持を表明して頂いたということ、本当にこれほどありがたいことはありません。いいとき楽しいときは大勢の人が来るでしょう。しかし苦しい時につらい時に支持をしよう、そう言って頂いたことは何よりもありがたいことであります。そのお気持ちに報いるべく、全身全霊を尽くすということであり、それは政策面においてもそうであります。私は派閥全体の長であられる竹下亘総務会長とは、まだ竹下さんが議員になられる前から30年以上にわたるお付き合いであります。そこは竹下登先生以来のグループの考え方である、地方を大事にしようよ、田舎を大事にしようよ、という考え方、そして、財政は健全でなければいけない、竹下登総理があれだけ苦労して作られた内閣を消費税の成立と引き換えに、投げ出されたということ。私は議員として間近で見てまいりました。そして不人気であっても、たとえ聞く人がいなければ、自分が街頭に立つ、おっしゃったその使命感、心を打たれたものがあり、私は2回目の選挙において、消費税は必要だと訴えた。竹下先生のそういうような思いに感動したからであります。

政策というものについて、同じ方向を持つということは必要なことであり、支持をしていただく方にはこういう日本つくりたいな、いう思いが共有であるべきだと思う。私はそのように考えておる次第でございます。まだ態度を決めておられない方、あるいは今決めたと言われておられる方に対しても私は今後、自らの政策、思い、そして党運営に対する在り方、国家に対する思い、そういうことを申し上げてまいります。誠心誠意お願いもしてまいります。選挙というものやってみなければ分からない。そしてそこにおいて、いささかたりとも努力を怠ることがあってはいけない、その結果が選挙の結果だ、そのように考えておる次第でございます。

地方票も同じことでございますが、私が心掛けておりますのは1718市町村、そこに伺います時に邑南町なら邑南町、雲南市なら雲南市、海士町なら海士町、益田市なら益田市、そこにおいてどのような状況であるのか、経済であり、人口構造であり、あるいは農林水産の在り方であり、歴史であり文化であり、そして食であり、可能な限り徹底して、事前に調べて参るように心掛けております。そうでなければその地域において語る資格がないと思っております。石破はこの地域のことをわかって話してるね、思っていただくことが必要だ。地方創生大臣のときも今も地方に参ります時は何時間も時間をかけてその地域の事を知るように努力をいたしてまいりました。そういうものだと思います。単に地方の発展が必要だとかそういうことだけではなく、その地域地域の思いをどれだけ共有できるかということが地方票において、大きな意味を持つと考えておる次第でございます」

国会議員票の広がりについて伺いたいのですけれども、現在、党内の5派が安倍首相の支持を表明して、石破さんを積極的に支持されるという方は残念ながら少数というふうにお見受けいたします。その要因としまして、今回の総裁選を見据えて石破先生が2年前に安倍首相の入閣要請を拒否し、いわゆる政府の先頭に立たなかった。それを批判的に捉える向きもありますけれども、そこの指摘についてのお考えと、当時の判断について改めてお考えを伺えればと思います。
「幹事長を退任しますときに総理から防衛大臣兼ねて安全保障担当大臣の御要請を頂き、私がそれを辞退したということは間違いございません。総理と何度か一対一でお話をいたしました。自由民主党が野にあります時に憲法改正草案とともに、これがすぐ実現するとは事柄の性質上考えておりませんでした。そこにおいて、安全保障基本法というものを党議決定いたしております。私はそれに基づいて安全保障法制は組み立てられるべきものだと考えておりました。これは先ほど申し上げましたように国民の皆さま方のご理解をいただかなければ、解釈の変更もあるいは憲法本体の変更もやってはならないと思っております。党として決定をいたしましたのは集団的自衛権はいくら使ってもいいものではない。当然、国連憲章にありますように急迫不正の武力攻撃が自国と関係ある国に対して加えられ、そして、そういうものに対して、自国に対する攻撃とみなしてその攻撃を除去し、そして攻撃を受けた国からの要請があり、当然のことですが、国連安保理に届けてそしてそこに於いて行われる攻撃は最小限のものでなければならないという要件のもとに、安全保障基本法において、集団的自衛権の行使は定められると。それがその時点においても、党議決定でございました。自由民主党として、政調会、そして総務会を経た党議決定であり、それを掲げてわれわれは政権を奪し、それを掲げて参議院選挙で勝利をしたはずであります。

それを変えるということであるならば、それにふさわしい手続きをとらなければ、党内民主主義が機能いたしません。そこにおいて総理と意見の違いがございました。そこにおいてどうですかというふうに法案審議のときに野党の方から質問を受けたときに私も政府の方針に従いますと言ったならば、それは自分が自分でなくなる。自分として責任を持って国民の皆さま方に問い掛けたものに反すること、少なくとも担当大臣で、そういうことはできません。そうではありませんと言ったならその時点で閣内不一致、担当大臣と総理と言ってることが違う、そんなご迷惑を内閣にかけるわけにはまいりません。自由民主党の党議決定、そして国民の皆さまでお約束したこと、そのことと反しておりましたので、私はお受けをしなかったということでございます。それは政治家としての在り方の問題であって、私は自分を偽ること、内閣にご迷惑をかけることも政治家としてしてはならない、私はその判断にまったく迷いもなかったし、いま悔いてもおりません。以上です」

トランプさんとゴルフをしたり私邸に招かれること、あるいはプーチンさんと頻繁に会うこと、これが国益に直結してそれがふさわしい総理だと、そういうふうに石破さんはお考えになりますか。今のトランプさん、夜中の世界の批判もあるんですけど、こういう方と積極的にゴルフをしたいと思いますか、これが一点です。もう一つは34年の議員経験で保守の重鎮としまして、ご自身が近づきたいと思う総理像みたいなものがあればですね、やっぱりそこは、石破チェンジということなので、その外交スタイルのチェンジとその二点について伺いたい。
「それは人によってつきあい方は違うんだと思っております。私は閣僚を務めておりました時に外国の大臣をお招きする時はいかにしてその方に喜んでいただくかということには最大限、意を用いて参りました。お好きな酒の銘柄は何であり、そしてお好きな花はなんであり、4月の末にロシアの国防大臣がおいでになった時はもう桜は東京では散っておりましたので、お花屋さんにポケットマネーから。結構なお金をお支払いして、桜を取り寄せて忙しい大臣花見をする暇もなかったので、喜んでいただけるようにはいたしました。ですから相手の方々とそういうように喜んでいただくということは当然必要なことだと思っております。私自身も努力をしてきたつもりでございます。

ただ先ほど申し上げましたように、そういう努力はしますが、国益とはなんだということ。お世辞やおべんちゃらを言うのではなくて、この人間は本当に国益を体して不退転の決意で臨んでいる、と相手に思っていただくことは大切だと思います。私は防衛庁長官の時に中国の国防大臣と会談をいたしました。次の日に温家宝総理が会いたいと言っておられるということで、予定にはまったくなかったんですが、温家宝総理とかなり長い時間、会談をいたしました。有事法制反対、ミサイル防衛反対、そういうような話でございました。そこにおいてなぜですかということをきちんとお話をいたしました。そういうことだと思っております。友情は大切です。しかしそれと外交は別だ、私はそのように認識をしておるところでございます。

もう一つは何だったかな。うん。ああ総理ね。ありがとうございます。それは中曽根総理のときに初めて議席をいただきました。それから今の安倍総理に至るまで、18人の総理大臣、自由民主党もあれば、他党もありました。その中において、竹下登総理のあの忍耐、あの勉強、そしてあの心配り、これは本当に驚嘆すべきものでありました。言い出せばきりがありませんが本当にここまで人はできるものなのかということであります。そして消費税、財政に対する強い信念であります。橋本龍太郎総理には直接お仕えしたことはありませんが総理をご退任なさった後、私は防衛庁長官としてロシアを訪問するにあたってお教えを請いに行ったことがあります。何時間も教えていただきました。その政策に対する通暁ぶりは少しでも近づきたいと思っております。政治的にもまったく対立する立場であった小泉純一郎総理が私を防衛庁長官に起用されたということ、私は人事というのはかくあらねばならないと思いました。あるいは防衛大臣でお仕えをした福田康夫総理が本当にどれだけ誠実に丁寧にわれわれの話を聞いていただいたか。そしてイージス艦が事故を起こしました時に私は参りました。それから数日後に福田総理が自ら現地に行かれました。秘書官もSPも外して行方不明者家族の方とお話になり、皆さんこういう思いだよということを私にお伝えをいただきました。そういうものだと思っています。他の多くの総理にもお仕えをし、あるいは接してまいりました。すべて学ばねばならないことばかりだったと思っておる次第でございます」

公明党についてお伺いします。石破候補はですね、これまで軽減税率のことであったり、憲法9条の改正の考え方であったり、公明党と若干考えが離れているなという発言がありましたが、総裁になられた際、公明党との関係をどのようにお考えでしょうか。
「はい。恐れ入ります。私はあの政調会長の時に、いま国土交通大臣をお務めの石井議員といろんな議論をさしていただきました。幹事長の時には今も幹事長であられる井上義久先生と率直にいろんな話をさしていただきました。党が違いますので、政策がまったく一緒なはずはございません。公明党の方々の弱い人々に対する思い、大衆に対する思い、教育福祉に対する思い、それはわれわれがともすれば忘れてしまいがちなものを常に公明党の皆さま方は不動のものとして持っておられます。政策で違うことはございます。しかしながら、そこにおいて実現すべきものはそれはいかにして弱い立場の方々に配慮するかということであります。いかにして平和を実現するかということであります。軽減税率につきましては、これは公党間の合意でございますのでその重さは十分に承知をいたしております。なお弱い方々、貧しい方々、所得の少ない方々のご負担を少なくするために議論をさしていただく、そういう関係は今までも作ってきたし、これからもそうだと思っております。

憲法につきましては先ほど申し上げた通りであって、急ぐものは何ですかということです。それは合区の解消のための憲法改正であり、基本的人権をいささかも損なうことのない、しかしながら、災害対策基本法に定められたそういう条項の憲法上のいろんな問題の解決、そして政府の国民に対する説明責任であり、そちらの方が急ぎませんか。私は9条については、交戦権って何ですかって聞いたときにそれは99%の方々が戦する権利でしょってことになります。自衛権もなかったわけですから。個別的自衛権すら認められないといった時の憲法ですから。自衛権がなくて交戦権があるはずがないではないですか。そういうことを御理解をいただいた上で、本当に丁寧の上でも丁寧にやっていかねばならないものだと私は考えておる次第でございます。公明党の皆さま方と共に。一致点がないなぞと考えたことはまったくございません」

今の質問の憲法改正の部分なんですけれども、今の先生の発言を解釈しますと項目ごとに優先順位があって、それからやっていくべきだという考えだと思うんですけれども、安倍晋三首相はですね、通常国会閉会の記者会見で、総裁選の争点に関して憲法改正が大きな争点になるとおっしゃった上で、国民の賛同が得られる案でなければならないというご発言もされておりまして、これはご自身がですね、昨年5月に提案した9条2項を維持して自衛隊を明記する案を念頭に置いておられることかとは思うんですけれども、石破先生はですね、これまで9条2項を削除して自衛隊を戦力と位置付けるようなご指導をされてきました。ということはですね、9条をめぐる議論については、総裁選では大きな争点に位置付けないというそういうお考えだという理解でよろしいでしょうか。
「それは位置付けるか位置づけないかは私が決めることではございません。総裁がそれて議論をしたいというふうにおっしゃっておられるともれ承っております。そうであれば、そういう議論から逃げるつもりはまったく私はございません。しかし今、石破はというふうな御指摘でしたが、これは繰り返して申しますが、侃々諤々の議論の末に決定した自由民主党の憲法改正草案に基づいて、私は物事を申し上げております。それは今なお変更になっておりません。石破案対安倍総理の考え方という構図は、私は正確ではないと思っております。その上で、自衛権が交戦権がなくて存在する概念なのかということでございます。つまり、ハーグ陸戦法規であり、ハーグ海戦法規であり、ジュネーブ四条約であり、そこにおいて交戦国に認められた権利、やってはならないこととは何であるかと、無差別爆撃はしてはならない、しかし、ピンポイントの攻撃ならしても良い、交戦権を行使する国はその権限をフルに行使します。わが国はできません。従って、東京や名古屋や大阪や札幌へ、そういうとこは攻撃しなくてもいわゆる根拠地については、ピンポイントで撃ってくるでしょう、われわれはできません。それがなぜわが国の平和と独立を守るにあたって、自衛隊にそのようなハンディを与えることが正しいのか私には理解ができません。わが国に物資を運ぶ商船は臨検拿捕没収を交戦権を行使する国はできます。相手国に向かう船を臨検拿捕没収することは交戦権が認められておらないとできません。相手国には物資が届き、わが国は物資が届かない、どうして専守防衛の基本である食糧、燃料、弾薬、そういうものを維持することができるか。ロジスティクスってのは最も重要なものであって、あるいは専守防衛を体現するために重要なものだと私は認識をいたしております。したがいまして、論戦から避けるつもりは逃げるつもりはまったくございません。あるいは必要最小限度だから戦力ではない、戦力ではないから陸海空軍ではない、こういうロジックで私自身国会でそのような答弁もいたしたことを承知の上で申し上げます。それを聞いて分かる人いますか。戦闘機は200機なら必要最小限でそれを超えたらば、必要最小限度ではなくなるのですか。そういう量的概念と私は違うものだと思っております。それは国の独立を守る組織が軍隊であると、その名前が極めて語感が悪いということであれば、それは陸海空自衛隊で構いません。何も変わらないというお話です。憲法違反だと言っている学者がいる。そしてそれを記載している教科書がある。それはだめだというお考えのようであります。しかし本当に憲法違反ならば、自衛隊法は存在をいたしません。防衛省設置法も存在をいたしません。そして国民の圧倒的多数は、自衛隊を合憲と認め、自衛官たちの献身的な活動に感謝の意を持っていただいております。何も変わらないが、憲法違反だと言っている学者がおり、それを教科書に記載されるので変えるということが優先順位が高いとは私は思いません。それよりも合区の解消であり、そして国民の基本的人権をいささかなりとも傷つけない緊急事態条項であり、そして政府の国民に対する説明責任であり、多くの党のご御理解を得て、そして国民のご理解を得られるものはたくさんあると思っています。どうせ分からない、理解されないからこれでいいのだという考え方を私はとりません。理解していただく、誠心誠意その努力をしないまま理解されないという考え方を私はとらないということを申し上げております」

政治や行政の信頼回復ということについては安倍首相もたびたび発言をされて、公文書の扱いの見直しですとか進めております。信頼回復に関して石破さんは出演されたテレビの中で、首相夫人の位置付けがあやふやだというような御指摘もされておりました。こうしたことを含めて現在の総理ではなくて、なぜ自分でやらねばならないというふうに思いなったか教えてください。
「それ私自身、総理をやったことはございません。どういう評価になるかわかりません。しかし、総理大臣が信頼できるという方がどれだけ多いかということには常に真剣に配意する必要があると思っております。ですから公人なのか私人なのかということは、どっちだかよくわかんないねというようなことではあってはなりません。それはプライベートな部分の尊重すべきは当然であります。プライバシーに対する過度な侵害があってはならない、総理のご夫人であれ誰であれ、一緒のことだと思っております。他方、そこにおいて、国民の税金を使っていろいろな対応がなされるということは純然たる私人とは言えないという部分があろうかと思います。そこにおいて基本的人権たるプライバシーのようなものは守っていかねばなりませんがそれ以外は国民の税金を使ってサポートします以上、基本的に公の色彩を帯びるところが大きいと私は考えておるところでございます」

外交問題についてお尋ねしたいんですけれども先ほど冒頭発言の中で、多くの論点が必要というふうにおっしゃられましたけれども、日本の選挙の中ではあまり外交問題が議論になるということは非常に少ないような気がしますけれども、今回の総裁選でどのような外交問題を焦点にすべきか、そして、先ほど中国の話ありましたけれ
ども、近年ギクシャクしてる中でですね、もしご自身が総理になられた際にどのように中国と関係を付き合っていくというふうにお考えなのか教えてください。
「私は長く政権から離れておりますので。実際、今の政府の中で、外交問題がどれだけ議論されているか承知する立場にはございません。しかし政府の中で、総理やあるいは河野外務大臣を中心として、防衛省も加えて安全保障の観点からあるいは今、茂木大臣が、アメリカといろんな交渉しておられますが、あらゆる角度から外交を真剣に話し合われているものと推察をいたしておるところでございます。

中国のご指摘がございました。それは隣国であり、そして日本国と多くの国益を共有する、私は中国が安定的に発展していくことは日本国の国益であり、国際社会にとっての重要な利益であると考えております。そこにおいて、過度な拡張主義に走ったり、あるいは法の支配というものを逸脱したりということがないようにしていく、それは中華人民共和国において、いかにして経済が安定的に発展するかとともに、国内において地域間や世代間やあるいは職業間の格差というものが広がらないこと、そして、一人一人が幸せを実感できる中国を実現することということが一番大事なのだと思っております。私はいろんな大臣の時に中国を訪問いたしました。そこにおいて、中国がどのような困難に逢着し、それをどうやって共に解決するかという思いでやって参ったつもりでございます。そこにおいて日本の国益や国益としてきちんと主張しつつも、中国からこれから迎える人口減少、それに対してどう対応するかということに、あるいは水が足りない、エネルギーが足りない、食料はこれから先、豊かになればますます厳しい状況になりますので、それに対して日本を含めた国際社会がどのように対応できるということは必要なことだと考えております。

要は、いかにして相手を理解するかということで、それは安全保障でもそうでした。私は長官のときに、人民解放軍の陸海空の青年将校が参りました。私は自衛隊に対して機密以外は全て見てもらうようにというふうに命を下しました。それを見た上で、日本が中国を侵略しようとしているかどうか判断してくれということを申し上げました。そういうような相互理解、認識の共有、国益を踏まえた上でのそういう信頼関係の構築は日中間に限らず必要なことだと承知をいたしております」

今日の会見はかなり開かれた形で、オープンにやっていると思うんですが、一方で総理大臣に対する取材の機会というのが、民主党政権の菅内閣のときに総理大臣に対するぶら下がりが無くなって以来ですね、総理に対する取材機会ってのがどんどん減っていって記者会見の数も減少しているという傾向があるんですが、石破さんが総理になられたら、総理大臣のぶら下がり取材をのどのように考えるかっていう点と、記者会見も含めて、公の開かれた取材機会というのをどのように確保していくお考えなのか、その二点をお願いします。
「私は民主主義社会のためにたとえ自分に気に入らないことであっても、不都合なことがあっても、取材というものに対しては極力応じるべきだという考え方を今までとって参りました。従ってそういう思いのもとに、これからメディアとの対応はして参りたいと思っております。それは何でこんなこと書かれるんだろうって、悲しいことや悔しいことはいっぱいあります。なんで分かってもらえないんだろうと思うことはあります。しかし、だからといって、メディアを選別したり制限したりすることはあってはならないと思っております。それはものすごい負担でもあるでしょう。ですけどもそれが政治の使命だと、自らにそれを納得せしむということは肝要だと思っておりますので、仮にそうなりましたらぜひよろしくお願いをいたしたいと思う次第でございます」

自民党はこの3月に細田博之憲法改正推進本部長のもと、改憲4項目をまとめました。この中に先ほど言及された緊急事態条項や合区の解消も含まれてるわけですが、石破自民党総裁誕生の暁には3月にまとめた改憲4項目はどう扱われるのか。一部残して一部は見直すとか、どのように扱われるか。
「それはちゃんと議論が必要だと思います。あの場にずいぶん私も出ました。この9条に限らず、いろんな問題点をお聞きしましたが、お答えはありませんでした。それを議論というと私は思っておりません。他の条文につきましても、この四つに限るものではなくて、前文の基本的人権の尊重って入ってないよね、それ入れなきゃってのが、改正草案です。あるいは陛下のご公務についてどう書くか、そういうことに対して意見を述べ、そしてその任にやる方がきちんと応えなければ議論は煮詰まってまいりません。そういうような丁寧な過程が必要だと思っております。4項目の中では時限性のあるものがあるということは先ほど申し上げた通りでございます。以上です。ありがとうございました」

総裁選は9月20日投開票

事実上、総理大臣を選ぶことになる自民党の総裁選挙は、9月7日告示、20日投開票です。NHK政治マガジンでは、有権者の参考になるよう、立候補者の政策の比較などを、今後も分かりやすく伝えていきます。