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1948年(昭和23年)横浜の“クスブリ横丁”で食事をする「プータロー」

 

もともとは日雇い労働者を指す言葉

無職で毎日ぷらぷらしている人のことを「プータロー」と呼ぶことがありました。「あの人、いつもヒマそうだけど、なにしてる人?」「あいつ、いまは“プー”らしいよ」などのように省略して使われることも。いまではさしずめ「ニート」に近いでしょうか。若い人の中には、「え、あの黄色いクマ?」と思う人がいるとか、いないとか……。

 

この「プータロー」という言葉、その起こりは1950年頃までさかのぼります。終戦直後の横浜を中心に、定職に就いていない日雇い労働者のことを「プータロー(風太郎)」と呼んでいました。当時のニュース映画が残っています。

早朝に割り当てられた仕事を夕方までこなし、その日に稼いだカネは“クスブリ横丁”と呼ばれる飲み屋街で使い果たす。プータローの多くは住むところがなく、横浜駅などで寝泊まりして生活していたそうです。

 

「プータロー」「フリーター」「ニート」 その違いは?

その後、プータローという言葉は、1980年代頃に全国で使われるようになりますが、その意味は「日雇い労働者」ではなく、ただの「無職者」を指す言葉へと変化していきます。これは、1990年代頃に「フリーター」という言葉がうまれ、アルバイトで生計を立てる人たちが増えてきたことも影響していたようです。

 

現在、「プータロー」に似た言葉として「ニート」があります。2000年頃から使われるようになったこの言葉には、ハッキリとした定義があります。「ニート(NEET)」とは、英語の「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を取ったもの。日本においては、「15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方」のことをニートと呼んでいるのです。ニートは「働く意志がない人」に限定されますが、プータローは仕事を探しているが、就職先が見つからない人も含まれることになります。

 

90年代頃までは、「プータロー」や「プー」といった言葉をよく耳にしていましたが、最近はあまり聞くことがなくなりました。現在は、「ニート」「フリーター」のヨコ文字が広く浸透したこともあって、戦後に誕生した「プータロー」という言葉は、そろそろその役目を終えようとしているのかもしれません。