内村光良、木村多江 第3話を語る。
  • えっ、沖さんじゃないの?

    第3話で僕が印象的だったのは、親子3人でキャッチボールをしているシーンです。ロケをしたのが寒ーい冬の朝の公園だったけど、太陽がポカポカと照って神々しくて、親子でキャッチボールができるという何でもないことがとてもかけがえのないことのようでした。

    そして、沖さんが彩子にきっぱり断わられました!これは、修治にしてみれば無茶苦茶うれしかったと思う。「そうか、(彩子は)俺のことを本当に好きでいてくれているんだな」って。あれだけ、吉田栄作さんが演じる沖はかっこいいのに(笑)、もう心のなかではガッツポーズですよね。
    でも、修治のすごいところは、また次の結婚相手を探すところ。信念を曲げません。
    視聴者の方は「えっ、(彩子の再婚相手は)沖さんじゃないんだ」と思ったのではないでしょうか。この展開、脚本家の岡田惠和さんのうまさですよね。

    で、次の再婚相手候補が、筧利夫さん演じる立木宏です。沖さんと立木のギャップがすごい(笑)。
    筧さんが演じる立木は、本当におもしろいですよ。キャラクターも振り切っていますが、一番すごいのは劇中で衣装チェンジを一切してないこと(笑)。基本、ずっとあの服装。バラエティー番組のディレクターって実はあんな感じが多くて、いつも同じような服ばかり着ている。でもさすがに、まったく同じ服だけをずっと着ている人はいません!
    「あっ、立木がいた!」と修治が思ったのは、立木と話している彩子が楽しそうだったから。「自分に替わって彩子を笑わせられるのはコイツだ!」と思ったのではないでしょうか。

  • えっ、どうして立木さんなの?

    親子3人でキャッチボールをした彩子は、高校生のころを思い出していたのではないでしょうか。高校時代、修治は野球部の補欠でいつも球拾いをしていた。それから、何十年も経っているけど、やっぱり修治は球拾いをしている(笑)。あ、私が暴投したからですけど…。

    「あなたは私の初恋の人なんですよ!」と彩子が沖さんにつめ寄る場面で、沖さんは怒られた子供のようにシュンとしていましたね。修治も彩子が怒るとシュンとなるんです。演じながら私は、男の人ってかわいいなと思っちゃいました。
    逆に、沖さんに対してさんざん怒った最後に「よし、忘れた!」と言うところは、彩子のおおらかさや男前さが出ていたのかな?

    沖さんに断られて、次の妻の再婚相手は「立木だ!」と修治が考えついたのは、朝の食卓シーンで立木さんの話に彩子と陽一郎がケラケラ笑っていたからですね、きっと。そのことが心に残っていて「立木なら、この先も彩子と陽一郎を笑わせることができる」と確信したのでしょうね。
    でも私は、「どうして立木さんなの?」って思っています(笑)。
    筧利夫さんご本人は、とても素敵でかっこいい方なのですが、筧さんが今回演じている立木は、明らかにヘンなキャラクターですよね(笑)。見かけも、おばちゃんみたいなパーマをかけているし、いつも同じ服を着ている。一緒にいるときっと楽しいに違いないけど、「彩子はこの人を本当に好きになれるのかな?」って思っちゃいます。
    きっとこの先の展開で、立木さんの魅力的な部分がもっと描かれるのでしょう。そうでないと…ねぇ(笑)。

次週からは、タイトルを【内村光良、第○話を語る。】から
【内村光良・木村多江、第○話を語り合う。】にリニューアル! 
内村さんと木村さんによる、「ボク妻」夫婦対談をお届けします。
どうぞ、お楽しみに。


内村光良、木村多江 第2話を語る。
  • 彩子が笑えば笑うほど
切ないです。

    この回は、妻・彩子の再婚相手を沖さんに決めたところから始まりました。
    冒頭の居酒屋で沖さんに自分の妻と結婚してくださいと頼むシーンは・・・大変でした。台本では7ページくらいある長いシーンを、カメラを止めないで最初から最後まで一気に撮影したんです。もう、ド緊張しました!吉田栄作さんは“てにをは”まで一字一句間違えずにしゃべるんです。僕はコント出身だから、だいたいの流れで覚えているだけで“てにをは”なんかしっちゃかめっちゃか(笑)。いやぁ、このシーンの撮影はしびれました。

    そのあとのシーンは、一転、ホラーみたいになっていましたね。深夜に家に帰って来て、おにぎりを食べていると急に彩子が現れる。修治が振り向いたら貞子(映画『リング』)のような彩子がいて、追いかけてくる。こっちは、おにぎりを喉に詰まらせて死にそうになっている。急に、ホームドラマがホラータッチになっていました(笑)。
    でも、深川監督から「このときの修治が一番おもしろかった」とほめていただきました。僕は、少しも笑わせようとはしてなかったんですけどね。複雑です(笑)。

    彩子のサプライズ誕生日パーティーのシーンは演じていて切なかった。「おめでとう彩子・・・これが最後なんだ・・・」というセリフは自然に泣けました。台本では、笑っている彩子の後ろ姿を見ながらこのセリフを言うことになっていたけど、現場で彩子が映し出されている小さなテレビモニターを見ながらセリフを言う設定に監督が変更したんです。きっと、後ろ姿ではなく、満面の笑みを浮かべている彩子の顔を見ながら修治にこのセリフを言わせたかったのでしょね。 監督の術中にはまっちゃいましたが、ほんと、彩子が笑えば笑うほど、切ないっす。

  • 楽しくて、切ない
サプライズパーティー。

    彩子の初恋の人、沖さんとの再会シーンは本当にトレンディドラマのワンシーンのようでしたね(笑)。美しいイルミネーションをバックに立っている吉田栄作さんがすごくかっこよくて、恋の始まりを予感させる素敵なシーンになっていたと思います。
    ちなみに、修治と沖さんのシーンでも、吉田さんのバックにはイルミネーション、一方、内村さんのバックは真っ暗闇だったそうで、「俺にはイルミネーションがないんだよ」って内村さんが悔しがっていました(笑)。

    お誕生日サプライズパーティーの彩子は、本当に楽しくて幸せでした。私はいままでどちらかというと薄幸な役が多かったので、ドラマの撮影であんなに笑ったことはなかったと思います。ほんとうにビックリするくらい、笑いました。 今回、修治が用意してくれたサプライズはこれまでになく派手なものでしたが、毎年妻の誕生日に何かのサプライズを考えてくれる旦那さんって素敵だなと思います。
    彩子にとって今年の誕生日は、ほんとうに楽しい思い出になったんですが、その楽しい思い出が、この先彩子を余計に悲しませるような気もします。「そうか、最後のサプライズだったから、修治はあんなに頑張ってくれて、いっぱい私を笑わせてくれたんだ」、「あのとき修治はどんな思いで笑っていたのだろう?」と考えると、このシーンはとても楽しいけど、本当に切ないシーンでした。

内村光良、木村多江 第1話を語る。
  • 僕だったら、
自分に似た男を選ぶと思う。
内村光良、第1話を語る。

    ドラマの回想シーンのセットが書き割りって、やはり画期的というか、斬新でした。それから、三村家のリビングは舞台みたいになっていましたね。家に帰ってくると拍手で迎えられて、観客の笑い声みたいな効果音も足されていて、もう、昔の『奥様は魔女』みたいでした。
    それでも、しっかりヒューマンドラマとして成立している。重い死というテーマを扱うドラマだからこそ、あえて笑いを加えたあのような演出にしているのだと思います。

    修治が昼間に家に帰って来るシーンは、セット撮影の初日だったけど、その日僕は風邪をひいちゃっていて実は撮影を断念しようかと思ったのですが、木村多江さんから「何、言ってるの!」と叱咤されました。激励はされずに、ほんとうに叱咤だけ…(笑)。 あそこは、彩子が修治の話を聞かないで一方的にベラベラしゃべるというシーンでしたが、僕らは面白く演じている気はまったくなかったのに、仕上がりはコメディーになっていました。それも、ちょっと切ないコメディーですね。

    彩子の初恋相手である沖秀樹役の吉田栄作さんは、やっぱりかっこよかったです。初めての共演なので、内心すごく緊張しながら演じていました。
    バーから沖さんを追いかけて走るシーンは、とにかく走らされました。深川監督から「ここは、槇原敬之さんの主題歌を聞かせたいので、内村さんは精いっぱい、ただただ走ってください」と言われました(笑)。長いセリフがたくさんあるのも大変でしたが、アラフィフの僕にはこのシーンが本当の意味で第1話の山場だったかな(汗)。

    修治は妻の再婚相手に彼女の初恋の人を選びました。
    どちらからというと、修治とは真逆のタイプですよね。あらゆる意味で(笑)。もし僕自身が同じ立場に立たされたら、ぜったいに自分と似たタイプを選ぶと思います。性格や考え方、やることが似ているヤツ。沖さんのような人だったら、いくらあとに残る妻のためとはいえ、やっぱり嫉妬しちゃいますから。

  • 私なら、言ってくれないと許さない。
木村多江、第1話を語る。

    三村家は、本当にあたたかい家族です。
    夫の修治は、仕事が大好きで、笑いが大好きで、ちょっと甘えん坊で弱いところもある人。でも私は彼を、自分の弱さを知る“強さ”をもっている男性だと思っています。
    彩子は、修治を幸せにしたいと願っている。母子家庭で育った修治は子どものころ寂しい思いをしたと感じていたので、自分がそばにいる限りは寂しい思いをさせたくないと彩子は思っているのではないでしょうか。
    陽一郎は、中学生なのに大人びたところがありますね。ズバズバものを言うあたりは彩子に似ているけど、人としての根っこの部分は修治似だと思っています。

    もし私が修治と同じように余命告知されたら、そのことをすぐに夫に言います。そして、残りの6か月を自分がどう過ごしたいかをみんなに宣言します。たぶん女性は現実的なので、仕事や家庭のことをいろいろ整理して、自分と家族が残りの6か月をどう楽しく過ごせるかを考えますよね。
    でも、私は絶対に夫より早くは死なないと決めています!夫をみとることが妻としての責任だと思っているので。
    だからもし、夫が修治の立場になったら、絶対に言ってほしい。言わないと許さない。誰にも言わないってことは、一人ですべてを背負って苦しむことなので、そんな思いはしてほしくないです。私も一緒に苦しみたいです。