5月28日放送

水に生かされ水を生かす ~滋賀・近江八幡~

滋賀

忍者で知られる滋賀県・甲賀は、近江牛の絶品すきやきをはじめ様々な郷土の味が守り伝えられてきた恵みの里。東海道の宿場町としても栄えた地には、人々が育んできた「もてなしの心」が今も息づいています。豊かな土地の恵みと、旅人を明るく迎えてくれる優しい人々に出会う旅です。

旅した人

村田雄浩(俳優)
東京都出身。1979年にデビュー。その後、数々の映画賞を受賞し、映画やテレビに欠かせない名わき役として活躍している。乗馬をはじめ多趣味で知られる。特にボウリングはパーフェクトを達成したほどの腕前。

いとうまい子(女優・タレント)
愛知県出身。1982年のデビュー以来、女優として歌手としてマルチに活動。近年は早稲田大学でロボット工学を学ぶなど公私に渡り充実した日々を送っている。

島よしのり(ナレーター)、橋本のりこ(ナレーター)

旅したところ滋賀・近江八幡

  1. 惣菜屋
    昔から城下町として栄えてきた近江八幡。どこにいても常に水を感じるこの地域で2人は30種類以上のおかずが並ぶ惣菜屋さんを訪れました。お店のおかずはドンドン食べてもらって気に入ったものを買ってもらうというスタイル。全てがオススメというおかずの中でも、更にメインだというのが琵琶湖で獲れた魚介類の惣菜。これでもかと、美味しいものを食べさせてくれたお父さんの温かさを感じました。
  2. 沖島
    琵琶湖に浮かぶ沖島は、日本で唯一の、人が暮らす、淡水に浮かぶ島。島民のほとんどは漁業にかかわっている元気いっぱいの島です。自動車のかわりに三輪車が重宝されている小さな島で旬を迎えていたのが鮎。鮎の天ぷら、更に島の郷土料理、フナを骨ごと刺身にしたジョキ、近江名物のフナずしを使ったお吸い物、と豊かな水に育まれた島の料理をいただきました。
  3. 水郷巡り
    水とともに暮らす街を楽しむために2人は屋形船に乗り、近江八幡の景観を楽しみました。水辺は鳥たちの憩いの場所。ゆっくりと進む屋形船に乗り、穏やかな時間が流れ、安らぎを感じました。
  4. 丸竹細工
    近江八幡の水が育む豊かな恵みのひとつが竹。その竹を使った伝統の竹細工を作る職人のもとに訪れました。日本に数人しかいない丸竹の職人さんです。1ミリ単位で曲げ具合を調整し、美しい曲線を作り上げます。気持ちがそのまま仕上がりに表れるという丸竹の作品。こだわりの技と見事な出来栄えに、近江八幡の深さを見ました。
  5. 水郷で栄えた商家
    近江八幡の豊かな水は昔から様々なものを運ぶ道としても使われてきました。そんな水運で栄えた商家の建物が数多く残っています。商業施設として新たな賑わいを見せている建物もあります。そんな中、かつては作り醤油の蔵元だったという旧家にお邪魔しました。そこで見たのは、中庭で雨水を集め井戸水として再利用する工夫。水に感謝し、雨水すら無駄にしない近江の暮らしに感心しました。
  6. 丁子麩
    豊かな水を利用して紡いできた伝統の味も多く残る近江八幡。そんな味を代表する一つが「丁子麩」、江戸時代から受け継がれている四角い麩です。常にいい品質を保つため、年間通じて温度が変わらない近江八幡の水が欠かせないと言います。近江商人が無駄なくたくさん運べるようにという発想から生まれた料理の名わき役を堪能しました。
  7. 赤こんにゃく
    安土を治めていた織田信長が派手好きなことから赤く染まったという謂れがある赤こんにゃく。近江八幡の家庭で親しまれてきました。モッチリとした食感とのど越しが特徴です。鈴鹿山脈からの伏流水が雑味のない味を作る、近江八幡にしかないふるさとの味をいただきました。
  8. 丁稚羊羹
    江戸時代から庶民に愛されてきた近江八幡を代表する銘菓。昔、近江八幡に奉公に来ていた丁稚が里帰りの際、乏しい賃金の中から親もとへの土産として買って帰ったことからその名がついたといいます。ここでも大事なのは水、いい水が上品で淡白な甘さの源。暖簾を守り続ける五代目がすべて自分で手掛ける伝統の味に癒やされました。
  9. 湧き水
    信長が居城を定めた町、安土で、家のそばにある水路を洗い場に使っているお母さんたちと出会いました。音堂(おとんど)と呼ばれる湧き水、地域の人たちは長年、野菜や汚れものなどを洗ったり、物を冷やしたり、とこの水を大切に、便利に活用してきました。そんな清流が育てたのが、鯉。濁りのない水で成長した鯉はまったく臭みがありません。水の里に伝わる鯉の料理をごちそうになり、湧き水を中心に営まれてきた暮らしを知りました。
  • 行き方
    ① JR東海道本線近江八幡駅から近江鉄道バスで大杉町(7分)
      下車 徒歩5分
    ② JR東海道本線近江八幡駅から近江鉄道バスで堀切港(32分)
      下車 沖島通船で(10分)沖島漁港
    ③ JR東海道本線近江八幡駅から近江鉄道バスで豊年橋船乗り場(12分)
      下車 徒歩2分
    ⑥ JR東海道本線近江八幡駅から近江鉄道バスで小幡上筋(3分)
      下車 徒歩5分
    ⑦ JR東海道本線近江八幡駅から近江鉄道バスで大杉町(7分)
      下車 徒歩3分
    ⑧ JR東海道本線近江八幡駅から近江鉄道バスで小幡町資料館前(5分)
      下車 徒歩2分

担当日記

沖島の人たちは、琵琶湖のことを「海」と呼びます。そのことが全く不自然に思えないほど、その島への道中は遮るものが何もない水面が広がっていました。改めて気づかされた琵琶湖の広さ。圧倒的な水の量。

今回のえぇトコは、そんな水を巡る物語です。豊かな水に感謝しながら、その水を様々な形で生かし、そのことによって生かされてきた人たち。その生かし方は実に様々でした。雑味のない味のためにはいい水が欠かせないという、赤こんにゃく。安定した品質のため、水温が一定な地下水を利用してきた、丁字麩。野菜を洗い、洗濯物をゆすいできた、安土町の湧き水。そこに共通していたのは、水と共に先祖代々受け継いできたものを大切にし、次の世代にも伝えようとする思い。近江八幡では、水を愛することは、ふるさとを愛することと同じです。

近江八幡を訪れる観光客は年間およそ300万人。多くの人が、時代劇にもしばしば登場する八幡堀の景色や、水郷巡りを楽しみます。特にこれからは、川風が涼しさを運ぶ最高の季節、本当におススメのえぇトコです。船から見る葦の美しさ、伝統のでっち羊羹の甘さ、旬のアユの瑞々しさ、そこで出会うすべての向こうには、豊かな水と豊かな心があることを実感できると思います。

担当D 吉村

わたしもひとこと!