10月16日放送

万葉ロマン・まほろば奈良の贅(ぜい)にふれる旅

奈良

「大和は国のまほろば(奈良は日本の中ですばらしい場所)」とうたわれた奈良。今に伝わる特産品や郷土料理は、かつて奈良に都があったために育まれてきた、ぜいたくな逸品ばかり。額田王も食べたかもしれない郷土料理・飛鳥鍋は、牛乳で具材を煮込んで作る、滋味豊かな味。日本酒発祥の地で味わう極上の酒、貴人を弔う埴輪がルーツの大和出雲人形など、最高なものに恵まれてきた奈良で、伝統を今に伝える人々とふれあう旅です。

旅した人

浅野温子(女優)
東京都出身。1970年代からモデルとして活動を開始し、80年代以降はドラマ・映画で活躍。2003年より、古事記などの古典を題材とした、一人語りの舞台を全国の神社などで開催している。

金子貴俊(俳優)
東京都出身。映画・ドラマ・バラエティ番組などで活躍。旅先での風景や印象などを写真や絵で表現することを趣味としている。2児の父でもある。

島よしのり(ナレーター)、橋本のりこ(ナレーター)

旅したところ奈良

  1. 飛鳥鍋
    飛鳥時代、唐からの牛乳の伝来とともに考案されたといわれる「飛鳥鍋」。牛乳は不老不死を得るために飲まれていたともいわれ、宮中でしか口にできなかった、贅沢な飲み物。鍋に入れるのは旬の野菜や地鶏など。鶏ガラのスープを牛乳に加えていただく、贅を極めた鍋です。
  2. どや餅
    明日香村の奥明日香で出会った「どや餅」。餅米だけでなく、うるち米も半分使います。つきあがった餅を丸めて、軽く焼いた後、醤油をつけて、再び焼いたら、できあがり。米の食感がほどよく残る、この地に昔から伝わる味を堪能しました。
  3. 草餅
    長谷寺の門前町で見つけた草餅。長谷寺参りの参拝者が、古くから親しんできた味。邪気を払うといわれるヨモギをふんだんに使い、昔ながらの臼と杵で作ります。夫婦二人で作る、優しい味の草餅に舌鼓を打ちました。
    【取材した草餅を食べられるところ】
    さかえや
    住所:奈良県桜井市初瀬820
    電話:0744-47-7463
  4. 長谷寺
    奈良時代に創建された長谷寺。「枕草子」や「源氏物語」の舞台にもなった名刹です。399段ある登廊(のぼりろう)をのぼった後に出会ったのは、本尊の十一面観音菩薩。身の丈10メートルもある、大きな仏です。日々の雑事や悩みで固くなった心をほぐしてくれる慈悲深い観音から、心の安らぎをもらいました。
    【番組で紹介した寺】
    長谷寺
    住所:奈良県桜井市初瀬731-1
    電話:0744-47-7001
  5. 大神(おおみわ)神社
    日本書紀に「酒造り発祥の地」と書かれた三輪(桜井市)。その地に位置する大神神社は日本最古の神社のひとつといわれます。ご神体は、神社の背後に鎮座する三輪山。酒造りの神様としても知られ、朝廷をはじめ、古代から人々の篤い信仰を集めてきた神社です。
    【番組で紹介した神社】
    大神神社
    住所:奈良県桜井市三輪1422
    電話:0744-42-6633
  6. 三輪の酒
    酒造り発祥の地といわれる三輪で訪ねたのは、日本酒の伝統を守り続ける酒蔵。神の山である三輪山の清純な水を使って、作ります。万葉の時代以来、1300年にわたって、受け継がれてきた技と誇りを、これからも伝えていきたいという当主の心意気を聞きました。
    【取材した酒を購入できるところ】
    今西酒造
    住所:奈良県桜井市大字三輪510
    電話:0744-42-6022
  7. 大和出雲人形
    古くから桜井の出雲で作られてきた大和出雲人形。力士や干支の動物、縁起物など色鮮やかで、素朴な味わいの人形です。そのルーツは、高貴な死者と共に埋葬された埴輪。以来、2000年の歴史を持つといわれます。この伝統を受け継ぐ唯一の職人と出会い、その重責と誇りについて伺いました。
    【取材した人形を購入できるところ】
    やまとびとのこころ店
    住所:奈良県桜井市初瀬830
    電話:0744-55-2221
  • 行き方
    ③ 近鉄・長谷寺駅から、徒歩約15分
    ④ 近鉄・長谷寺駅から、徒歩約20分
    ⑤ JR・三輪駅から、徒歩約10分
    ⑥ JR・三輪駅から、徒歩約3分

視聴者のみなさまへ
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担当日記

今回の旅先は奈良。広い奈良の中でも、万葉の香りが漂う、古代からの歴史に彩られた、「中和」と呼ばれる地域です。橿原市・桜井市・明日香村、現在の行政では市町村の境は明確にありますが、古代、飛鳥京や藤原京の時代には、同じ空気、文化で生活していた地域。そこには今でも「万葉の時代」が息づいています。

当時、贅を極めたに違いない貴族の暮らしの一端にふれることができないか、との思いではじまった今回のえぇトコ。とはいえ、難しい歴史や古典のお勉強ではありません。
旅で一番感じてほしい、その土地ならではの空気をお伝えしたかったのはいつもと同じ。
今回も楽しい出会いや素敵な風景、おいしいものがたくさん出てきます。
ただ、よそとは違う、ここだけの風土がひとつだけありました。それは「歴史との近さ」。
京都ではよく、この前の戦争といえば「応仁の乱」のこと、と話す人が多いと聞きますが奈良はそれ以上でした。なにせ1300年前の天皇のことを「天武さん」と、身内のように話す土地柄です。100年、200年くらいの歴史では太刀打ちできません。お邪魔したお宅も築150年以上のものばかり。遣唐使の時代から続く料理が家庭で出てきたりします。

そんな、時代を超越した里の空気を何とかお伝えできないか、というのが今回の思いでした。万葉の人たちも、今の私たちと同じように、日々些細なことで笑ったり、イライラしたり、くよくよしたりしていたんだなあ、と。そして、そんな私たちの思いに応えて、旅をしていただいた浅野温子さんと金子貴俊さん、本当にありがとうございました。
特に浅野さんは、ライフワークとされている古事記の世界を表現した一人舞台で、いにしえの人を演じていらっしゃるためか、水を得た魚のように、訪れた様々な場所で躍動し、輝いていらっしゃいました。

今回の旅をご覧になった皆さんが、少しでも「いいところだな」と思われたとしたら、それは間違いなく、お二人の力の賜物です。

万葉の人たちが愛した、奈良。悠久の時を超えて、古がそこにある地で、深まる秋を堪能しながら、あなただけの「まほろば」を見つけに出かけてみませんか?

担当D 吉村

わたしもひとこと!