10月9日放送

昔が生きてる!すごい奈良

奈良

人々の営みの中に千年以上の歴史が地層のように積み重なっている奈良。飛鳥時代から使われてきた橋や平安時代のインフラ技術が生かされた用水路。そして江戸時代のたたずまいを残す町で見つけた土壁や通り庭には暮らしの知恵がいっぱい!機能や使い勝手を追求してきた先人の知恵があったからこそ、今に息づいています。いにしえの神々の思いを舞台で演じる浅野温子さんと日本のふるさとを愛する金子貴俊くんが、爽やかな秋風を受けながら、歴史を、里山を、人々を巡りました。

旅した人

浅野温子(女優)
東京都出身。1970年代からモデルとして活動を開始し、80年代以降はドラマ・映画で活躍。2003年より、古事記などの古典を題材とした、一人語りの舞台を全国の神社などで開催している。

金子貴俊(俳優)
東京都出身。映画・ドラマ・バラエティ番組などで活躍。旅先での風景や印象などを写真や絵で表現することを趣味としている。2児の父でもある。

島よしのり(ナレーター)、橋本のりこ(ナレーター)

旅したところ奈良

  1. 飛鳥川の飛び石
    明日香村の稲淵(いなぶち)集落にある「飛び石」が作られたのは飛鳥時代。地元の人が今でも毎日使う、石の橋です。石の表面が大きくて平らなため、お年寄りや子どもでも渡りやすく、一定の歩幅で歩けるよう、石の間隔も計算されています。時を超えて生き続ける古代の知恵に、浅野さんと金子くんは感銘を受けました。
  2. 今井町
    橿原市にある今井町。一向宗の寺内町として誕生し、江戸時代に商人の町として繁栄しました。当時から残る古い建物は今も人々が暮らす現役の住居。火事から町を守る、堅ろうな「土壁」。涼しい時は開けておいて、寒い時はワンタッチで閉まる「無双窓」など、江戸の工夫が随所に残っています。先人が生んだ暮らしの工夫がこの町の快適さを支えています。
  3. 艸墓(くさはか)古墳
    石舞台古墳をはじめとする「古墳王国」の奈良。住宅地の真ん中にも古墳があります。7世紀中頃に建てられた艸墓古墳(桜井市)は、誰でも中を見ることができます。暗がりの中で石棺を発見し、恐る恐る、中をのぞいた2人。1300年前の歴史が現代と共存する奈良の奥深さに驚きました。
    【番組で紹介した古墳】
    艸墓古墳
    住所:奈良県桜井市谷657
  4. 杉のボールペン
    飛鳥時代から、奈良の神社仏閣の材料となってきた木々。桜井や吉野の山で育った杉や檜(ひのき)は年輪が均一で、細かく詰まっているため、特に質が良いといわれています。そんな杉をペン軸に使ったボールペンを作る職人と出会った2人。ボールペン作りに挑戦しながら、匠が生み出す逸品が、奈良の森が育んだ木の恵みのおかげで作られていることを実感しました。
  5. 室生寺
    奈良時代末期に創建された室生寺(宇陀市)。ほとんどが国宝と重要文化財という金堂の仏像に、特別な許可を得て、至近距離で対面した2人。1200年の時を超えて、昔と今がひとつにつながる至福の時間を体感しました。
    【番組で紹介した寺】
    室生寺
    住所:奈良県宇陀市室生78
    電話:0745-93-2003
  6. 葛切り
    長い歴史を持つ宇陀の町で出会った、室町時代が起源といわれる絶品スイーツ「葛切り」。最近は葛粉にイモのデンプンを混ぜたものが多くなっていますが、ここの葛切りは本葛のみ。昔ながらの製法で、注文のたびに20分かけて作ります。ご主人が子どものころに食べた本物の味を絶やしたくないと始めた葛切りの味に2人は舌鼓をうちました。
    【取材した葛切りを食べられるところ】
    やまが
    住所:奈良県宇陀市室生大野2369
    電話:0745-92-3355
  • 行き方
    ① 近鉄・飛鳥駅、橿原神宮前駅から、奈良交通バスに乗車、
      「石舞台」で下車、徒歩20分
    ② JR・畝傍駅から、徒歩8分
    ③ JR、近鉄・桜井駅から、徒歩20分
    ⑤ 近鉄・室生口大野駅から、奈良交通バス「室生寺」行きバスに乗車、
      「室生寺」で下車、徒歩5分
    ⑥ 近鉄・室生口大野駅から、徒歩8分

視聴者のみなさまへ
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担当日記

この番組で訪れる様々な旅先で頻繁に出会う、ある共通項があります。
それは「先人の知恵と工夫」。山里の保存食や計算の末に編み出された漁法など、これまで色々な先人の慧眼に驚かされてきました。
今回おじゃました「奈良」も、そんな知恵と工夫の宝庫。なにせその量たるや1300年分!古墳時代からずっと、時代の最先端が集まる花の都であり続けた奈良。いわば今の東京のようなもの。当時の財と叡智は後世の今も立派に息づいています。
飛鳥時代にはすでにあったという石を並べた橋。村の人が補修しながら今も渡っていました。室町時代に歴史をさかのぼる葛切りは、昔の製法を守りながら今も作られていました。
江戸時代に作られた家は、今も人が住まい、町全体が奇跡のように残っていました。
長い歴史の工夫を受け継いできたこと自体も驚きでしたが、それよりもびっくりしたこと…。それは、旅の途中で浅野温子さんもおっしゃっていた、「何の気負いもない」ということ。奈良の人は別に、伝統を守っていこうとか、歴史を伝えていこう、なんて仰々しく考えている訳ではありません。単に便利だから、おいしいから、居心地がいいから、それだけのこと。日常の中にさりげなく溶け込んでいる古代のもの。それを普段使いする暮らし。
それこそが他の町にはない「すごみ」なんだろうと思います。庭に古代の伽藍がある家や、学生が通学する時に通る古墳。今と昔が共存する風景は奈良の日常です。
「この歴史すごいでしょ」と押し付けてくることがない素敵さ。だからこそ、旅の道中、何気ない景色の中で歴史を見つけられたら、その喜びや驚きはひとしお。
じっくり、ゆっくり歩いてみたら、きっとあなただけの感動が見つかる、1300年の歴史が町の片隅に積もっている奈良です。

担当D 吉村

わたしもひとこと!