やまとの季節

2020年01月22日 (水)

やまとの季節 七十二候「滝 はじめて氷る」

「ならナビ」1月22日放送 

映像作家・保山耕一さんが、NHK奈良放送局「ならナビ」に、「やまとの季節 七十二候」をテーマとした極上の映像詩を届けてくれています。音楽は、スペインで活躍するピアニスト・川上ミネさんが、奈良で100年近くの時を刻んできたピアノで、オリジナル楽曲を奏でています。 


やまと七十二候「滝 はじめて氷る」 大寒


保山耕一

世界遺産などの撮影で活躍してきたフリーTVカメラマン。「奈良には365の季節がある」をテーマに奈良県各地で、日々、奈良の空や光、花、月、社寺、などを撮影し、SNS発表・上映会を続けている。

川上ミネ

スペインと京都を拠点に活動しているピアニスト・作曲家。「ラジオ深夜便・ピアノが奏でる七十二候」、Eテレ「やまと尼寺精進日記」などの音楽を手がけている。昨年、春日大社奉納演奏会を機に保山氏と出会い、「こころの時代」でコラボレーション。2019年秋から「やまとの季節 七十二候」の新たな作曲・演奏をスタート。

奈良女子大学・100年ピアノ

創立110年を経た奈良女子大学記念館(重要文化財)の2階・講堂で静かな時を刻み続けいる「百年ピアノ」。大学の前身である奈良女子高等師範学校の創立当時(明治42(1909)年授業開始)に購入され、戦後永らく倉庫に眠っていたもので、平成15(2003)年に学内で再発見されました。平成17年11月に無事修復を終えたピアノは、かつて置かれていた講堂に戻され、ふたたび美しい音色を奏でるようになりました。



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やまと七十二候

「滝 はじめて氷る」

保山耕一

数年前。川上村の役場の若い人に「村を撮るんだけど、自慢できる好きな場所とか、人に勧められる所、ない?」と聞いてみた。そしたら「ないです」て(笑)。御船の滝の氷瀑は、一部の私らのような者は知っていたので「そんなことないよなー」って。

 川上村の御船の滝は、奈良ではめずらしい「完全に凍る滝」です。1月の後半ぐらいから徐々に凍り出すので「滝はじめて氷る」としました。2月の半ばには完全氷瀑になります。ただし、今年のような暖冬では、完全に凍ってしまうのは期待できないですね。

 例えば、大台ヶ原の山の奥の奥の奥のほうとか、紀伊山地の山奥の滝が凍るとかだったらわかりやすいですが。たいして標高高くない場所の、御船の滝が完全氷瀑になるというのは、すごいことやなと思っていたから。でも、当時は村の観光ツールになるとは全然考えられていなかった。それで、これを観光の目玉にしたらどうですか、みたいなことを、栗山忠昭村長とか役場の人に盛んに話をして。それが採用されたとかされなかったとかの話ではありませんが、今や「氷瀑トレッキング宿泊プラン」が、川上村経営の「ホテル杉の湯」主催で催されて人気だそうです。今年も2月開催で参加者を募集されています。

 村の人にとっては当たり前でも、都会の人にとってはすごい、注目すべきものだったりする。川上村がやろうとしていることは、なにか新しいものを作るのではなく、今あるものの魅力を発信することで、わざわざ泊まってまで来てもらおうということ。本来の観光を目指したことで「ミシュランガイド奈良2017」にホテル杉の湯が掲載されたり、リピーターが増えるなど、結果につながっているようです。最近は、星空観察やホタル鑑賞がセットになった宿泊プランも始めて、どれも盛況だそうです。星空を見るプランなんて、ちょっと小高い所にコタツを置いて、みかんを食べながら望遠鏡や双眼鏡を使って眺めるらしい。

  (聞き書き 伊藤享子)


七十二候 について

七十二候(しちじゅうにこう)は、古代の中国で生まれました。立春、夏至、秋分…などで知られる二十四節気(にじゅうしせっき)を、さらに約5日ずつの3つに分けて、季節の移り変わりを感じる名前がつけられています。日本では、江戸時代の「本朝七十二候」、明治時代の「略本歴」など、いくつかの異なる七十二候が作られてきました。

「やまとの季節 七十二候」では、保山さんが記録してきた奈良県各地の映像から、いまの「やまと」の暮らしの中で、季節のうつろいを実感できる映像を選び出し、オリジナルの名前を添えて紹介しています。奈良を愛する方々に…これから奈良に出会うであろうすべての方々に…こころを込めてお届けしています。

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■ コメント(24)
  • 安藤憲一郎

    2020年01月22日 15時24分

    奈良県に氷瀑があるなんて知りませんでした。わざわざ遠くへ出かけなくても身近でこんな素晴らしいところがあるなんてびっくりです。透き通った氷は本当に美しいですね。凛とした透明感は最高です。本当に奈良県は奥深いところです。是非、全国放送で日本中の人に見せてあげてください。

  • 堀尾岳行

    2020年01月22日 15時37分

    氷瀑は厳寒期の標高の高い山奥でしか見られない憧れの風景、見事なまでの氷の造形です。
    つららはあくまでも透明で、流れ落ちる滴も時を刻んでいてモノクロの景色の中に動きを感じます。
    川上ミネさんの奏でる凛としたピアノの音色が心地よいですね。
    奈良の自然風景の素晴らしさを丹念に撮られた保山さんの映像は凄い。
    ともすれば忘れがちな私たちに季節の移り変わりを教えてくれます。
    今回も美しい映像詩でした、次回も期待しております。
    奈良局管内だけでなく是非とも関西全域で視聴ができますようお願い致します。  

  • 井村秀雄

    2020年01月22日 19時49分

    状態変化とゆうのを中学校の理科で習った。水がそうで、個体液体気体の三体であったか?いずれ私も、水のように状態変化して行くのだろうか?

  • ふく

    2020年01月22日 20時25分

    自然の厳しさと美しさ強く感じて、凍てつく風景のなかにいるように、体の芯が寒くなりました。このような世界の本質を映す美しい映像と音楽があるということを全国の方にも知っていただきたいと切に思います。

  • 坂井 節子

    2020年01月22日 21時20分

    今週は寒い寒いと身震いしそうなほど凍てついた氷瀑の世界ですね。『保山さんの映像にはすでに音がある』と仰った川上ミネさんのお話が納得できました。
    透き通ったピアノの音と調和して水滴がコロコロと転がり続けています。
    モノトーンの氷の映像は得てして人や動物 生きるものすべてを拒絶しているような厳しさを感じます。でも違うのですね。氷の下、雪の下には巡ってくる季節をじっと待っている動植物がいることでしょう。
    あっ石仏様が何体も見えたような!!

  • 島岡和代

    2020年01月22日 22時05分

    今日も保山さんの映像が見れて嬉しかった~。「滝はじめて凍る」いいですね。今年は暖冬でなかなか雪も降らず思えような映像がとれないと嘆いていらっしゃる保山さん。地元の人より地元を知っておられる。そこの場所にはどんな素晴らしい所があるのかおっしやるようにどっぷりいるとわからないものと言うのもコメントでわかりました。奈良以外の方にもこんなに素晴らしい奈良を発信してほしいなぁ~全国放送へのリクエストします❗

  • 野尻恭子

    2020年01月23日 09時03分

    今回はミネさんのピアノがキラキラキラキラ✴️映像の輝きに響きを与えていて印象的でした。
    光が徐々に力を持ち始める時期ですが気温は最も低く、滝をも凍らせる季節の到来なのですね。
    日々の生活の中では見えない季節の美しさを見せてくださりありがとうございます☺️
    ぜひ、この番組を関東でも放送してください。
    季節感が薄れる都会の生活は、季節に対する感性を求めるはずです。

  • 加代子

    2020年01月23日 09時47分

    ほぼモノクロのような映像はとても迫力がありました。
    大地は、水は命を持つごとくの映像に驚かされました。
    ミネさんのピアノは鋭く、キラキラした水、よく見れば不思議な形の氷柱、
    オタマジャクシのような水滴を、異次元の世界に連れて行ってくれます。

  • 佐々木美保子

    2020年01月23日 10時24分

    凛とした静寂の中に確かに息づく命の流れ、短い映像に表現された見事な世界観に見入ってしまいました。
    保山さんと川上ミネさんのコラボは最高です。
    いつも感動をありがとうございます。そして、是非多くの方が楽しむ事ができますよう、全国での放送をお願いします。

  • 武田和子

    2020年01月23日 10時32分

    川上村の御船の滝の完全氷瀑。

    保山さんの手にかかるとこんなに美しく感動的な絵になり、我々には独特な歎美の世界を見せて頂きました。

    保山さんの解説の中に「村の人にとっては当たり前でも、都会の人にとってはすごい、注目すべきものだったりする」と。

    奈良の方々はとても謙虚でいらして、積極的に自慢とかアピールとかされない傾向ですよね。

    こよなく奈良に夢中な私は、古からの伝統を受け継ぎ大切にされているお宝がとても羨ましい限りです。

    これからも、新たな美しい世界をシェアーして頂ければ大変嬉しいです。

  • 永井有子

    2020年01月23日 11時17分

    つららと突き刺すようなピアノの音色。
    指先に、痛いような冷感が甦ります。

    凍った滝にはもみじが閉じ込められ、
    でもミネさんの響きには、どこか春の訪れの予感
    が込められています。


    生きた一瞬の映像とそれに呼応する音色。
    目で視て音を聴くと、身体まで
    冷気や穢れない空気感を感じるのです。

    映像と音色の連動が五感をフル稼働してくれます。
    ぜひ全国ネットで放映され、この貴重な体験が広がることを願います。
    素晴らしい時間をありかとうございました。

  • 田中弘子

    2020年01月23日 12時17分

    ツララから落ちる水滴が ドクッドクッと…鼓動の様で…
    水が生きているのだと感じました
    水は海から空へ…空から山へ…滝へ…川へ…と旅をしながら
    私たちを生かしてくれています
    その水の長い旅の途中で 変化する 水の形 こんなに綺麗な
    景色をつくりだして …保山さんの映像の中で
    水のドラマティックな旅を見せて頂いている様な気持ちになりました
    ミネさんのピアノの音色と保山さんの素晴らしい映像…やまと七十二候を全国の方々に見て頂けます様にと願っております

  • 長尾 美和子

    2020年01月23日 13時12分

    「滝 はじめて氷る」を拝見しました。
    滝が完全に氷る場所が奈良にあるなんて…はじめて知りました。まだまだ奈良には、知らない場所や知らない風景がいっぱいあるのでしょうね、土地のかたのあたりまえが、本当に素敵なことであるような…。

    保山さんとミネさんのコラボも…本当に素敵なこと❗
    多くの方に見て欲しいと思います

  • 岩本雅代

    2020年01月23日 19時25分

    奈良にいながら、知らない場所が数々。保山さんによって、なんて素敵な所に暮らしているか教えて頂き、すぐそこに季節を感じ、神や祈り、そして仏を感じる。誰しも癒され、深い安らぎを感じる映像を、1人でも多くの人に感じてほしいです。是非全国放送で流れる事を、奈良っていいやんって、感じてほしいです。ずっと続きますように、宜しくお願い致します。

  • 2020年01月23日 21時10分

    『滝 はじめて氷る』
    御船の滝の氷柱はまさに*時の雫。止まることなく滴らせている。
    二月には氷瀑になるという。一瞬時間が止まったように、全く動かないのだろう。美しいと思えるのだろうか。ミネさんのピアノは聞こえてくるのだろうか。
    確かめに行くすべはない。
    保山耕一さんの*新鮮な映像を私たちに、又全国の皆さんに見せていただきたい。どうかよろしくお願いいたします。

  • 釘谷洋子

    2020年01月24日 15時28分

    いきなり、ドクン ドクン 心臓と氷柱から落ちる雫が呼応しました。ミネさんのピアノが、ピュアな空気の冷たさと輝きで包んでくれます。氷の下では、透明な血液のように水が流れています。不思議な空間に迷い込んだ気がしました。

  • Mutsumi

    2020年01月24日 18時54分

    唯一無二ですね。何でしょうこの揺さぶられる感じ。
    素晴らしい映像ですね。
    無意識下に本来持つ、純で本質的な部分に、ず~っと入ってくれるような、、とにかく涙がでてきます。
    保山さんだからこそ撮れる映像ですね。
    大きな画面で見れて奈良の方はお幸せですね。

    聞き書き、とても良いです。じんときます。
    初回9月13日の保山さんのコメント、素晴らしいです。
    辛抱強く、対象と対峙して、まるで対話しているかのような映像、こんなの見たことないです。
    初めて受ける種類の感動として毎回の映像とコメントを受け止めています。

    これからも、無理ない程度に是非見せてください。
    放送いただきありがとうございます。


  • S.A

    2020年01月25日 12時43分

    潤いのある氷。
    澄んだ水が、氷の上を、下を流れて、息づいているよう。
    細かな飛沫に烟る滝の姿が、優美です。

    モノトーンの世界。でも、豊か。
    全てを秘めて息づく。
    もうすぐオオツゴモリなのですね。

    美しい四季のある国に生まれたこと、うれしく思います。
    全国での放送を希望します。

    コタツでみかんの星空観察プラン楽しそうです^^

  • まちこ

    2020年01月25日 14時59分

    毎回、楽しみにしています!美しい映像とピアノで、奈良を再発見、珠玉の輝きのひとときです♪

  • 松元智恵子

    2020年01月25日 20時51分

    関西ブログ『やまとの季節、七十二候』を楽しみにしています。保山さんの映像詩と川上ミネさんの奏でるピアノ。2分足らずの癒しの時間。
    奈良の知らない風景に、いつも魅せられています。滝が氷る場所が奈良にもあるのですね。時が止まりそうになりつつも、また少しずつ時を刻む。何か不思議な感じです。山深く積雪の季節に、美しい映像詩を見せて頂きありがとうございます。奈良県外につき是非全国ネットで放送されますようお願いします!

  • 荒木礼子

    2020年01月26日 13時20分

    やまとの季節、近畿で氷瀑とは思いもよりませんでした。前に奈良の水の豊かさについて話しておられた時に水のいろいろな表情を撮りたいと仰っておられた保山さん。
    今回、流れ落ちる滝の水が極寒の世界でその姿を少しずつ変容させ、いつか重力に逆らって凍りついていく様を見せていただき、二分間ながら感動と驚きでいっぱいでした。
    つららに変わった水は光の反射をいっそう強めて、そのキラキラとした輝きがミネさんのピアノの響きからも伝わってくるよう…
    保山さんの撮られる奈良はいつも本当にファンタジックで溜息が出るほどです。
    目に耳に、そして心に、奈良の厳しくも豊かな自然の姿を届けてくれるこの「やまとの季節七十二侯」、
    どうか日本中の人がテレビの画面で見られるようにお願いします。

  • 井元路子

    2020年01月28日 14時23分

    つららを伝う水,氷の下を流れる水、厳しい自然の中の生き物のようにみえました。知らない素晴らしい奈良の
    映像有難うございました。

  • 久野幸信

    2020年01月28日 20時48分

    保山耕一さんの映像をNHK「こころの時代」を通じて知り、YouTubeの「奈良 時の雫」を見ています。この映像をパソコン画面では無くTVで見られたら嬉しいなぁ、と常々思っています。「やまとの季節 七十二候」もブログで時折見ますが、全国放送で流していただけないでしょうか。保山さんの映像には美しい自然の色と煌めきに溢れ、時には神々しさも感じます。川上ミネさんのピアノも大らかに人を包む暖かさに溢れています。私は愛知県人。奈良、関西の人達が羨ましく感じます。

  • 優子

    2020年02月01日 00時24分

    保山さんの水仙の映像を見ていたら、田原本町へ行きたくなりました。
    水仙って目立つ花ではないけれど、寒い冬でも凛としていてその姿勢はピンとまっすぐ!
    寒いからって背中を丸めて歩いていると恥ずかしくなってしまう。

    保山さんの映像は、美しいことはもちろんのこと、何かを気づかせてくれるから素晴らしい‼︎
    その上、川上ミネさんのピアノとコラボ!これが奈良の人しか見られないなんて勿体なさすぎる。
    もっともっとたくさんの方が見れるようになるといいなと思います。