高校駅伝女子

2021年12月22日 (水)

全国高校駅伝 解説者はこう見る!~女子編~

が全国高校駅伝の中継で、女子のレースの解説するのが、順天堂大女子陸上部監督の鯉川なつえさん(テレビ)と、かつて全国高校駅伝で3年連続区間トップの記録を出した小林祐梨子さん(ラジオ)です。駅伝に精通する2人にことしのレースのポイントを聞きました。 

鯉川なつえさん 仙台育英と神村学園が優勝争いの中心


コロナ禍でことしも沿道での応援の自粛が求められますが、関係者のご尽力で大会が開催されることを喜びたいと思います。そして、初出場を果たした浜松市立(静岡)をはじめ、都道府県の予選を勝ち抜き、都大路に立つすべてのチームに敬意を表します。

ことしも、仙台育英(宮城)と神村学園(鹿児島)の戦力が充実しています。両チームともに予選を圧勝し、1時間7分台をマーク。出場選手の3000mの平均タイムも、仙台育英が9分11秒、神村学園が9分12秒と拮抗しています。「選手層の厚さ」「駅伝力の高さ」から優勝争いの中心となるでしょう。この2チームを追うのが、大阪薫英女学院(大阪)と立命館宇治(京都)の優勝経験のある伝統校です。去年のように1区でけん制し合う展開になった場合、流れを引き寄せる力は十分にあります。

入賞ラインをめぐる戦いでは、興譲館(岡山)、須磨学園(兵庫)、学法石川(福島)、順天(東京)、安城学園(愛知)、千原台(熊本)などによる大混戦が予想されます。高性能シューズによる高速化が進み、距離が短い女子は例年以上に力が拮抗しています。去年と同じように最後まで目が離せない、熱いレースが繰り広げられると思います。

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 小林祐梨子さん タレントぞろいか、総合力か


 

タレントぞろいの仙台育英(宮城)、総合力の神村学園(鹿児島)、この2校を中心にレースが展開されるのではないでしょうか。そして、上位3位までの争いに絡んできそうなのが関西の3校。第1回から連続出場の立命館宇治(京都)、出場選手の3000mの平均タイムが2番目の大阪薫英女学院(大阪)、そしてスピード区間に自信を持つ須磨学園(兵庫)です。

その後の入賞争いも大混戦の模様で、去年4位のメンバー4人が残る北九州市立(福岡)、2年生のエースの村岡美玖選手を擁する長野東(長野)、去年初入賞を果たし勢いのある学法石川(福島)、伝統校の1つで、興譲館(岡山)など混沌としています。

しかし、何が起こるか最後までわかりません。去年も仙台育英と神村学園の戦いと予想されていましたが、アンカーで歴史的な大逆転が起き、優勝をしたのはそのどちらでもなく世羅(広島)でした。「思った位置でたすきが来ない」「予想以上のハイペース」など、その時々の状況をどう判断できるか、いかに焦らず考えるか。ただ1つのミスも許されないと悲観することなく、のびのびと走って欲しいと思います。

新谷仁美選手、田中希実選手、廣中璃梨佳選手など、ことし東京オリンピックを彩った選手たちは、この舞台であっと驚く走りをみせてくれました。実は、田中選手は3年間一度も区間賞はとっていませんが、スタート直後からの強烈なハイペースは今でも脳裏に焼きついています。守りに入らない攻めの走りを貫いた彼女は、この夏、見ている誰をも魅了してくれました。未来を担うスターたちがこの舞台でどのような走りをするのか、私も目に焼き付けたいと思います。開催への感謝の思いを胸に、それぞれの選手が、チームが力を出し切れることを心から願っております。

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